【速報】WRCモンツァ:オジエ勝利で7度目の戴冠へ。マニュファクチャラーズタイトルはヒュンダイが連覇。勝田は初のSSベストを記録 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCモンツァ:オジエ勝利で7度目の戴冠へ。マニュファクチャラーズタイトルはヒュンダイが連覇。勝田は初のSSベストを記録

©Red Bull

2020年WRC最終戦モンツァはすべての競技日程を終えて、トヨタのセバスチャン・オジエが優勝。波乱のラリーを制し、自身7度目となるドライバーズタイトルを決めてみせた。2位はヒュンダイのオィット・タナック。3位には同じくヒュンダイのダニ・ソルドが入り、ヒュンダイはマニュファクチャラーズタイトル連覇を達成した。

この日の天候は曇り。スタート時の気温は4度と相変わらず低く、雨は降っていないものの路面コンディションはウエットのまま。グラベルセクションでは轍に水がたまり、ドライバーたちにとっては気の抜けないコースだ。

前日のSS11でリタイアを喫したトヨタのエルフィン・エバンスが先頭走者を務め、続いて勝田貴元、カッレ・ロバンペラという順でスタートする。ヒュンダイのティエリー・ヌービルは、前日のチームリリースで最終日に出走しないことが明らかとなった。クルマのダメージを精査した結果、これ以上のダメージを避けるための措置だとチーム代表を務めるアンドレア・アダモは語っている。

オープニングステージのSS14に臨む各車のタイヤはチョイスが分かれた。ウエットタイヤ4本で臨むのはオジエ、タナック、ロバンペラ。タナックはウエットタイヤを1本、ロバンペラはスノータイヤを1本スペアで搭載する。一方、スノータイヤ4本を選んだのはエバンス、勝田、ソルド、ラッピ。このうちソルドはウエットタイヤを1本スペアとして搭載する。そして結果は、オジエが堂々のSSトップタイム。本人いわく「クリーンな走りをしただけ」とのことだが、タイヤの効果は大きかったようだ。このSSで3番手タイムをマークし総合2番手に浮上したタナックに対して25.5秒差とし、首位の座を強固なものとしていく。

HYUNDAI


15分サービスを挟んで続くSS15は、最終SSパワーステージと同じコースを使う。上位陣のほぼ全員がスノータイヤ4本+ウエットタイヤ1本という選択。ラッピだけがスノー4本を装着してステージに挑んだ。ここでのベストタイムはソルド、SS2番手にタナックが続く。首位のオジエはSS4番手タイムでまとめ、総合首位の座は揺るがない。「目標の第一はマニュファクチャラーズタイトル」と語るソルドは、ベストタイムの結果タナックをかわして再び総合2番手の座についた。

ラリーは再び15分間のサービスを挟んで、2020年シーズン最後のスペシャルステージへ。またしてもタイヤ選択は分かれることとなった。ウエットタイヤ4本を装着するのはオジエ、ロバンペラ、タナック。ロバンペラはウエット1本、タナックはスノー1本をスペアとして搭載する。スノータイヤ4本で出走するのはエバンス、勝田、ソルド、ラッピ。ソルドはウエット1本をスペアで積んでの走行だ。一時上がっていた雨は再び降り始め、コースを濡らしていく。

上位陣の走行に先駆けて、サブカテゴリートップ選手の走行が行われた。この結果、WRC2のチャンピオンはシトロエンC3 R5を駆るマッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン。WRC3はヒュンダイi20 R5のヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ、ジュニアWRCはトム・クリステンソン/ヨアキム・ショーベルグがチャンピオンを決めている。

M-SPORT


WRカー上位陣先頭走者のエバンスは、SS15でのタイムを大きく上まわる11分7秒9を記録。続いて走行した勝田はこのタイムを更新、ランキングボードのトップにその名を記した。その後も勝田のタイムを上まわるドライバーは現れず、いよいよトップ3へ。トップ3の走行順は、タナック、ソルド、オジエ。タナックは大きなトラブルなく走り切り、暫定SS2番手タイムで総合3番手以上を確定。続いてソルドは暫定SS5番手でフィニッシュ。総合順位ではタナックと順位を入れ替える格好となったが、これでヒュンダイのマニュファクチャラーズタイトルが確定した。最後にスタートしたオジエはリスクを避けた走りに徹し、暫定SS7番手タイムでフィニッシュ。これで第7戦での勝利を確実なものとし、コ・ドライバーのジュリアン・イングラシアとともに7度目のワールドタイトルを手中に収めた。総合2位はタナック、3位にソルドとヒュンダイ勢が続き、4位にはラッピ、5位ロバンペラという順位となった。

勝田はこれでSS16のベストタイムを獲得。競技初日に悔しいリタイアを喫しながらも、2日目以降はSS2番手タイムなど光る走りを見せ、難しいコンディションのラリーを成長しながら走り切ってみせた。

TOYOTA


この第7戦ラリーモンツァをもって、2020年シーズンのWRCはすべての競技を終えることとなった。ドライバーズランキングは1位オジエ(122点)、2位エバンス(114点)、3位タナック(105点)。マニュファクチャラーズランキングはヒュンダイ(241点)が連覇を果たし、2位トヨタ(236点)、3位Mスポーツ・フォード(129点)。

2021年のWRCは、1月21日〜24日のラリーモンテカルロを開幕戦として、最終戦のラリージャパンまで全11戦が組まれている。新型コロナウイルスの影響拡大が未だ止まらない状況ではあるが、収束を願って2021年シーズンを楽しみにしたいところだ。

WRCモンツァ 暫定結果
1. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)2:15:51.0
3. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) +13.9
2. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +15.3
4. E.ラッピ(フォード・フィエスタWRC) +45.7
5. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +1:11.1
6. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +3:56.2
7. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +4:12.1
8. J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +5:15.4
9. M.オストベルグ(シトロエンC3 R5) +5:27.4
10. P.ティデマンド(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +5:53.0
20. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +11:50.3



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