WRCスペイン:タナックが総合3位に浮上、ドライバーズタイトル獲得に近づく – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスペイン:タナックが総合3位に浮上、ドライバーズタイトル獲得に近づく

©TOYOTA

10月26日(土)、2019年WRC第13戦ラリースペインのデイ2がスペイン北東部のサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が総合3位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組が総合5位に順位を上げた。デイ2の序盤総合3位につけていたクリス・ミーク/セブ・マーシャル組は、デイリタイアとなった。
(以下、チームリリース抜粋)


ラリー・スペインの競技2日目デイ2は、サービスパークが置かれるサロウの北東エリアで3本のステージを各2回走行、1日の最後にはサロウの海岸近くでショートステージが行われました。デイ2の路面は全てターマック(舗装路)で、昨晩の最終サービスでグラベル(未舗装路)仕様からターマック仕様に変更されたクルマで、選手は7本計121.72kmのSSに臨みました。

デイ1で総合4位、5位、6位という順位につけた3人のドライバーは、上位のライバルにプレッシャーをかけるべく午前中のステージから攻めの走りを実践。ミークはオープニングステージのSS7で2番手タイムを記録し、総合4位から総合3位に順位を上げました。しかし、続くSS8でクルマのコントロールを失いバリアに激突。走行を続けることができずデイリタイアとなりました。チームはその後サービスでミーク車を修理。ラリー2規定に基づき、明日のデイ3で再出走を予定しています。

タナックは午前中最後のSS9でベストタイムを記録。午後もSS10からSS12にかけて連続でベストタイムを刻み、1日の最後にサロウで行われたSS13では、総合2位と3.1秒差の総合3位に順位を上げました。明日の最終日、このまま最後まで順位を守れば、ボーナスポイントの獲得が可能な明日のパワーステージの結果次第で、ドライバーズタイトルが決まる可能性があります。

ラトバラも1日を通して良い走りを続け、SS8とSS11ではセカンドベストタイムを記録。総合5位でデイ2を終え、総合6位のライバルに20秒差をつけています。なお、今回がヤリスWRCでの2度目のWRC出場となる、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元/ダニエル・バリット組は、油圧系のトラブルで午前中はスロー走行を強いられ大きくタイムを失いました。しかし、サービスで問題を解決して臨んだ午後のステージでは良好なタイムを記録。総合44位でデイ2を終えました。

トミ・マキネン(チーム代表)
「ターマックでのパフォーマンスには自信を持っていましたが、今日のステージではそれが証明されたと思います。一晩で路面がグラベルからターマックに変わるこのラリーでは、最初から限界まで攻めるのは簡単ではありません。しかしオィットは午後のステージで彼本来のスピードで自信を持って走り、非常に良い位置につけています。ライバルとの差は僅かですが、明日はきっと仕事をやり遂げてくれるはずです。クリスのデイリタイアは、調子が良さそうだっただけに残念です。しかし彼は我々のライバルにプレッシャーをかけていましたし、小さなミスがこのような結果となってしまうのは起こり得ることです。ヤリ-マティも全体的に速さがありましたので、明日は貴重なポイントを獲得してくれるでしょう」

オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
「今日の展開には満足しています。今朝は苦戦し、まったく良いリズムを掴められませんでした。クルマのフィーリングはとても良かったのですが、限界まで攻め切れませんでした。このようなプレッシャーがかかる状況に、慣れていないことも理由のひとつだったかもしれません。しかし午後は気持ちをリセットし、リズムを改善することができました。明日も難しいステージがあり、長い1日ですので、この重要な仕事を最後までやり遂げなければなりません」

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ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
「全体的には良い1日でした。路面がグラベルからターマックに変わったことで、朝最初のステージではブレーキのフィーリングに少し戸惑いました。しかし、2本目のステージ以降はクルマに良いフィーリングを感じることができました。午後のセクションではとても良いスタートを切りましたが、アル・ムンメイのコーナーでワイドに膨らみ、何かに当たってステアリングアームを破損し、少しタイムを失いました。それでも、ポジティブな1日だったといえるでしょう。明日は上位のライバルにプレッシャーをかけ、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思います」

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クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
「このラリーではグラベルからターマックに移行する際、クルマのフィーリングがどのように変わるのか、いつも悩みます。しかし今朝は走りのリズムがとても良く、クルマは素晴らしいフィーリングでした。2本目のステージを走り始めてすぐ、先がきつくなっている高速の左コーナーに向けて減速をしました。熟知しているコーナーだったのですが、突然後輪がロックして旋回に入れませんでした。クルマのリヤがバリアに当たり、止まるしかありませんでした。とてもフラストレーションが溜まりました。マニュファクチャラー選手権を戦うライバルとの間に割って入らなくてはならず、それができるだけのスピードはあったはずなのに、小さなミスで大きな代償を払うことになってしまいました」

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ラリー・スペイン デイ2の結果
1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h25m15.8s
2 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +21.5s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +24.6s
4 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +25.2s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +46.8s
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +1m09.2s
7 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +1m24.5s
8 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +4m09.9s
9 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 R5) +6m35.2
10 エリック・カミリ/ベンジャミン・ベイラス (シトロエン C3 R5) +6m38.2s
39 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +42m38.7s
(現地時間10月26日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
ラリー・スペイン競技3日目のデイ3は、サービスパークの北側エリアで2本のターマックステージを、サービスをはさんで各2回走ります。そのうち、SS15の再走ステージとなるSS17は、トップ5タイムを記録したドライバーとコ・ドライバーに選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のSSの合計距離は74.14kmと3日間で最短、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は236.61kmとなります。

注目のステージ:SS15/17 ラ・ムサラ 全長20.72km
ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)

このステージに関して、十分な経験を持っているドライバーはいないと思います。最初の6kmは2016年以来初めて使われ、残りの区間は今年のステージと同じ進行方向では長らく使われていませんでした。スタート直後はツイスティなセクションが続きますが、丘の頂上付近に到達すると非常に高速で全開で走るような道に変わります。その後、フィニッシュにかけての下り区間では再び低速のコーナーが続きます。

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