全日本ラリー新城:新井が初日のリードを守り連勝、今季6勝目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー新城:新井が初日のリードを守り連勝、今季6勝目

©Jun Uruno

全日本ラリー選手権第10戦新城ラリーは、11月4日にすべての競技日程を終え、前戦でJN6クラスのチャンピオンを決めている新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が、今季6勝目となる優勝を飾った。

ラリー最終日の11月4日(日)は未明に降った雨の影響で難しい路面コンディションとなり、多くのドライバーが手を焼くこととなった。そんななか、JN6クラスの首位を快走する新井はこの日も順調に好タイムを重ねていく。前日3番手につけていた勝田範彦/石田裕一は2番手にポジションアップし、さらにベストタイムを並べるも、新井を捉えることは叶わず。前戦に続く連勝で2018年シーズンを締めくくった新井は、「危ない場面もあったけど、勝てて良かった。来年に向けてオフにはもっとセッティングを詰めていきたい」とコメント。グラベル4連勝、ターマック2連勝と、充実したシーズンとなった。

JN5クラスはシトロエンDS3 R3-MAXの川名賢/保井隆宏が3連勝を達成。2位にはTGR Vitz GRMN Rallyの眞貝知志/安藤裕一、3位にはシトロエンの小濱勇希/馬場雄一が入った。JN5クラスのドライバーチャンピオンは前戦で小濱が決めているが、今回のラリーでコ・ドライバーを務める馬場のチャンピオンも確定した。優勝の川名は、「何度も危ない瞬間があって、だいぶヒヤヒヤしました。なんとか帰ってこられました。今シーズン、前半はクルマが違ったり、グラベルで初めてDS3をドライブしたりと色々あった1年でしたが、とても勉強になりました」と笑顔。小濱は「我慢の仕方を学んだラリーでした。天候に翻弄されて、ダンロップユーザーはタイヤの選択に迷ったと思います。2年連続でタイトルが獲れましたし、グラベルラリーが増えた今シーズンも獲得できたことで、自分たちの実力が上がったことを実感できました」とシーズンを振り返った。

Jun Uruno

混沌としたタイトル争いのJN4クラスは、スズキ・スイフトスポーツの高橋悟志/箕作裕子が今季初優勝を達成した。2位は、高橋に0.4秒届かなかった山本悠太/小林剛(トヨタ86)、3位に西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)という順位。注目のタイトル争いは、4位に入った関根正人/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)が2日目のレグポイント1点を獲得したことが決め手となり、2位の山本と0.7点差という僅差で念願のチャンピオンを獲得した。優勝した高橋は「すごくうれしいです。最後に滑りやすい路面で稼いで、逆転できました。そこは経験が活かせたと思います」とラリーを振り返った。チャンピオンを決めた関根は「今日のデイポイントで逆転できました。開幕戦から出られず途中からの出場でしたが、タイトルが獲得できたのはうれしいです」とコメントした。

Naoki Kobayashi

早々とタイトルを決めた天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”)が貫録の勝利を決めたJN3クラス。2位には大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)、3位は岡田孝一/多比羅二三男(マツダ・デミオ)というオーダーとなった。天野は「すごく狭くてスリッパリーなラリーでしたが、その中でも2WDのベストを獲得できて良かったです。せっかくならば北海道でも勝って、フルポイントを獲りたかったですね。来季は若手が育って来ているので、若いドライバーにステアリングを任せる機会も増やしていこうと思っています」と今季を振り返るとともに、今後の方向性についても言及した。

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JN2クラスは鈴木尚/鈴木裕(スバルBRZ)が第3戦丹後以来となるシーズン2勝目を獲得。2位には長﨑雅志/秋田典昭(トヨタ86)、3位には鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ86)という結果となった。逆転チャンピオンの可能性があった明治慎太郎(トヨタ86)はSS10で冷却系のトラブルにより戦線離脱。これで全日本選手権初挑戦の長崎がJN2クラスのチャンピオンを獲得した。勝利を獲得した鈴木は「初日は本当にタフでしたが、2日目に明治選手の脱落があったので、その後は落ちないように走りました。無事にゴールまで運べて良かったです」とコメント。初戴冠の長﨑は「本当にラリーは何が起こるか分からないということを、1年を通じて実感しました。初の全日本選手権参戦でしたが、こんなにスムーズに獲れていいのかな……と、正直思っています。まだまだ明治選手や鈴木選手にはスピードでは勝てない部分もあります。走りに関しては、今回掴みかけたかな……と思うこともあるので、今後につなげていきたいです」と喜びを語った。

Naoki Kobayashi

伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)がシーズン初優勝となったJN1クラス。2位には小川剛/佐々木裕一(ホンダ・フィットRS)、3位にはチャンピオンの古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)というオーダーとなった。両日ともにトップでまとめ、初のフルポイントを獲得した伊藤は、「マシンの特性として、鬼久保のような高速ステージで勝負するしかないと思っていたんですが、足まわりのアライメントを変更してツイスティなステージでも戦うことができたのが勝因でしょうか」と、ラリーを振り返った。

Naoki Kobayashi

これで2018年シーズンの全日本ラリー選手権はすべての日程を終了。各クラスのチャンピオンはJAFモータースポーツ表彰式で最終的に認定される。

各クラスのランキングトップは以下のとおり。
JN6クラス:新井敏弘/田中直哉
JN5クラス:小濱勇希/馬場雄一
JN4クラス:関根正人/草加浩平
JN3クラス:天野智之/井上裕紀子
JN2クラス:長﨑雅志/秋田典昭
JN1クラス:古川寛/廣田幸子

全日本ラリー選手権第10戦 新城ラリー2018 正式結果
1. 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) 1:33:24.3
2. 勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI) +14.3
3. 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション) +48.1
4. 柳澤宏至/加勢直毅(スバルWRX STI) +2:36.0
5. 村瀬 太/宮部弘陽(三菱ランサーエボリューション) +3:15.0
6. 中平勝也/行徳 聡(スバルWRX STI) +3:19.1
7. 川名 賢/保井隆宏(シトロエンDS3 R3-MAX) +5:05.9
8. 眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN) +5:34.8
9. HYOMA/萠抜浩史(三菱ランサーエボリューション) +5:42.7
10. 鈴木 尚/鈴木 裕(スバルBRZ) +5:58.2

12. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +6:10.8
13. 高橋悟志/箕作裕子(スズキ・スイフトスポーツ) +6:12.8
20. 伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S) +9:05.4



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