フィンランドを振り返るリンドストローム「あの週末はチームの全員が完璧だと感じていた」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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フィンランドを振り返るリンドストローム「あの週末はチームの全員が完璧だと感じていた」

©Martin Holmes Rallying

WRCフィンランドで、TOYOTA GAZOO Racing WRTが好リザルトを収めたことは、それほどの驚きではなかった。チームはフィンランドを連覇、今回はオィット・タナックが優勝を飾り、ヤリ‐マティ・ラトバラも僅差で2位を逃した。

ユバスキラを拠点とするチームにとって、母国戦と言えるこのイベントで、チームが一丸となって戦った。これがWRC4勝目となるが、非常に重要な勝利だったとスポーティングディレクターのカイ・リンドストロームは語る。
「もちろん、最高の気分だった。昨年の優勝を、再び成し遂げたのだからね。豊田さんが来ていた時にそれができたのだから、格別だ。チームのみんなが、完璧な週末だったと感じていたと思う。言うまでもなく、2人のフィンランド人ドライバーを抱え、彼らにとってはどのラリーよりも経験があるラリーだと思うし、オットが速いことはみんなが知っていたので、我々にアドバンテージがあったのは確かだ。過去の情報からも、マシンがどのような走りを見せるかも分かっていた。それでも、あのリザルトには正直、驚いた」

「他のチームも、あそこでは強いことは分かっていた。しかし、シトロエンのパフォーマンスは、大きなサプライズだった。フィンランドの前に聞かれた時には、もし勝てたらうれしいと答えていたが、実現できるかは分からなかったので、フィンランドを拠点としているチームだから有利だという点があったとは、思っていない。他のラリーと同じように、信じられないほど接戦になることもある。自分たちが上位になるかもしれないし、ヒュンダイが上になるかもしれない、あるいはシトロエンやフォードかもしれない。だから、新しい規定のマシンが導入されて、決まったチームが毎回勝つようなことがないというのは、いいことだよ」

ユバスキラのサービスパークでは、いくつかの疑問が湧いていた。トヨタにはこのイベントで、アドバンテージはあったのか。とりわけ、FIAが認めるパーマネントのテストエリアとして、拠点であるユバスキラ近郊の近くが指定されていたのは、チームにとってアドバンテージになっていたのだろうか。テストエリアに近いことは、後押しになったのだろうか。プーポラからフリーテストのエリアはどれくらい離れているのか。リンドストロームは、このテストエリアは、他のチームよりも少し大きいかも知れないが、アドバンテージに直結はしないと説明する。
「FIA公認のパーマネントテストゾーンを持っているが、公道も含まれており沿道には居住者もいる。このため、手間がかかることも多い。この道を使えるのは、年間で最大2回。いつでも使えるような私道はないし、もし常に同じ道でテストをしていたら、道が荒れてしまう。テストを行いたい時には、地元当局に道路の使用許可をもらわなくてはならないし、許可を取るには毎回時間がかかる。一年中、使える訳でもない。冬と春は使える道はわずかしかないが、エリアにある道のいくつかは、ラリーで使うような道とそっくりだ。2本は、2016年にルートに入っていた。ユバスキラ周辺にそのエリアがあり、ユバスキラの北部と南部に道がある。ゾーンとはエリアのことで、特定の道のことではない。そのエリアがどれくらいの広さなのか、私は正確には知らない。できれば週に5日、毎週テストを行いたいが、それはできない。レギュレーションが変わればいいけれどね。今後、何らかの変更が行われると思う。おそらく、エリア以外でテストが行える日数についてではないだろうか」

現在のドライバーズラインナップについて、トヨタの3人をどう評価するか。
「オットは才能があり、とても速いドライバー。彼については、非情に自信を持っている。彼の走りは、長年見てきた。WRC2では、同じチームで走っていた。彼は、修業の段階を終えたと思う。今は道に残り続けているし、速くて信頼性がある。
ヤリ‐マティは、ここのところの不運を払拭できたようで、ユバスキラの高速ステージでの走りに注目していた。精神面では、彼には非常にタフな一年となっている。ラリーフィンランドのパワーステージでのフィニッシュで(マッズ・オストベルグと2位争いをしていた最中)、彼には2位だろうが3位だろうが構わないと伝えた。彼にとっては、ようやくクリーンな走りができて、素晴らしいラリーになったのではないかと思う。
エサペッカに関しては、とてもいい仕事をしてきている。去年のポルトガルからWRカーに乗り始めたばかりで、今年はまだ2年目だ。とても勝利にどん欲だが、そう早くは実現しない。彼のメンタルや取り組みは、とてもプロフェッショナルなアプローチだ。トミ(マキネン)を見ているようだよ。彼は、将来、チャンピオンになると見ている」
(Martin Holmes)



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