WRC第11戦フランス ローブ、最後のタイトル – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRC第11戦フランス ローブ、最後のタイトル

 

 ラリー・ド・フランスの最終日はストラスブールの北側に設けられた3本のコースを各2回走行する計6SS。そのうち3本目のアグノーはSS19と最終のSS22で、市街地でのスーパーSS。パワーステージは今回SS20に設定された。

 ここまで盤石のトップをひた走ってきたセバスチャン・ローブ。地元アグノーでの9連覇とシトロエンのマニュファクチャラータイトルを決める公算が高い。しかし前日夜からの雨で路面はヘビーウエット。ローブをして「何度もハイドロプレーニングでマシンがコントロール不能になった」というほどの難しいコンディションだ。

 午前中の3本のSSをすべて制したのはティエリー・ヌービルだ。ヌービルは前日タイムコントロール遅着で20秒のペナルティを受けたが、スピードはトップレベル。まずSS17でダニ・ソルドをかわして5位にポジションを上げ、続くSS18ではマッズ・オストベルグをとらえ4位に浮上した。オストベルグはペースが上がらず6位に落ち、ソルドが5位に。しかしソルドのマシンにはSS19でパワーステアリングにトラブルが発生。デイサービスがないことから修理ができず、SS19を走りきったところでリタイアする道を選んだ。

 パワーステージのSS20では、トップ3の選手たちは完走を重視してハードなアタックは行なわず、オット・タナクがトップタイムで3ポイントを獲得。3連続ベストを刻んでいたヌービルは2番手タイムに終わったが、SS21、そしてSS22とこの日6本のSSのうち5カ所でベストを刻んでみせ、4位でフィニッシュ。前日のペナルティさえなければ3位も狙えただけに、心からの笑顔は見せなかった。5位はオストベルグ、そして6位にはタナクが入った。

 ラリーをリードするローブは、2位ラトバラのスプリットタイムを確認しながらペースをコントロール。30秒近くあったマージンを有効に活用していく。パワーステージのSS20でも、これ以上ポイントを追加する必要はない。最終ステージではさらにペースを落とし、コースサイドに集結したファンに見守られながら優雅にビクトリーランを楽しみながら8番手タイムでフィニッシュ。この瞬間、WRC9連覇という壮大なパズルの、最後の1ピースが予定どおり“カチリ”とはまった。

「自分の地元で9年連続のドライバーズタイトルと、マニュファクチャラーズタイトルの両方が決まるなんて、最高の気分だ。コースサイドやリエゾンには信じられないほど多くのファンがいて応援してくれた。彼らの期待に応えることができて嬉しいよ」と、偉業達成にも大はしゃぎすることなくローブは冷静にラリーをふり返った。「これからの残る2戦はプレッシャーを感じることなくリラックスしてラリーを楽しむことができる」

 2位はドイツに続きターマックラリー最高位のラトバラ。3位ヒルボネンはラトバラと28.6秒差だった。フロント部分を大破しながらも復帰したエフゲニー・ノビコフは7位、WRCチームMINIポルトガルから参戦のクリス・アトキンソンは8位。以下、マルティン・プロコップが9位、10位には初めてシトロエンDS3 WRCで参戦したセバスチャン・シャルドネが10位に入る大健闘を見せた。なお、デイ3でコースオフしたペター・ソルベルグは26位に終わった。

●SWRC
 併催されたSWRCは、ヘイデン・パッドンがデイ3までラリーをリードしたが、デイ4でまさかのコースオフ。さらにすぐ後ろにつけていたヤジード・アル-ラジがスピンを喫し、クレイグ・ブリーンが首位に浮上。GBに続いて今季4勝目を挙げ、ポイントランキング首位に立った。

 一方、ここまでポイント首位だったパー-ガンナー・アンダーソンはペースが上がらず4位で最終SSをフィニッシュしたが、プロトンからスポット参戦し、3位でフィニッシュしたアンドレアス・アイグナーがTC早着のペナルティで後退しアンダーソンが3位に浮上。ポイントランキング2位にとどまった。

●WRCアカデミー
 WRCアカデミーはエルフィン・エバンス、アラステア・フィッシャー、ブレンダン・リーブスのランキング上位のドライバーたちの争いとなるが、エバンス以外が早々に脱落。アクロポリスいらい連勝でエバンスが最終戦を待たずにチャンピオンを確定。

 今季のアカデミーの優勝者には、2013年のWRCで、WRCアカデミーにフィエスタR2で13戦もしくはフィエスタS2000で5戦に参戦する権利が与えられる。図らずも昨年のWRCアカデミーチャンピオンであるクレイグ・ブリーンの優勝と、今年のWRCアカデミーのタイトル決定がともにフランスとなった。コ・ドライバーのギャレス・ロバーツの死を乗り越え、大きく成長したブリーンとエバンス、ふたりのWRCアカデミー出身者が、フランスの地で固い握手をかわした。



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