パイクスピーク:日産リーフで参戦の奴田原、天候悪化でコース短縮のなか好走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

パイクスピーク:日産リーフで参戦の奴田原、天候悪化でコース短縮のなか好走

©SUMURAI SPEED

6月24日に米国で開催された第96回パイクスピーク・インターナショナルヒルクライムには、全日本ラリー選手権でタイトルを競う奴田原文雄が日産リーフで参戦した。奴田原を要するSAMURAI SPEEDは、リコー製2.5Dインクジェットプリンターで製作した浮世絵によるカーデコレーションやFreewire社の移動式EV充電器を持ち込み、ピットでも注目を集めた。

マシンには、前日からフロア下とフロアトンネル内にドライアイスを配置して、バッテリー温度を徹底的に下げることに成功したという。外気温が13℃前後と低いことも助けになって、フルアタック走行時でもセーフモードの介入が避けられ、2016年のタイム更新に期待が高まった。

しかし、4輪トップスタートのフォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピークがコースレコードを更新する一方、天候は徐々に悪化。奴田原のスタート順は47番目だったため、出走時刻は午後2時ごろになると予想していたが、マシントラブルやクラッシュなどでスケジュールは遅延。さらに、午後3時を過ぎるころから天候が急変し、スタート地点で大粒の雹が降ると、レースが一時中断された。

その後、雹は止んだが霧は晴れず、午後4時半過ぎにレースは再開したが、コースコンディションが悪化したことで、主催者はコースの短縮を決断。フィニッシュラインは、コースの中間地点に設定された。奴田原は、ドライ状態のコースでもバッテリー温度に問題なく快走を見せて、途中計測地点で2分9秒877をマーク。ゴール地点付近で濃い霧が発生するとともに路面もウエットに変化していくが、これにうまく対応して、5分11秒974でフィニッシュした。

波乱の進行となったイベントに奴田原は「パイクスピークでは、マシントラブルやクラッシュ、天候の急変でスケジュールが遅れることはよくあるが、今年ほどの激変は初めて」とコメントした。
「しかたのないことだが、コースが短縮され全コースを走り切れなかったのは不完全燃焼。それでも、バッテリーの熱対策も功を奏して、フルアタックで挑むことができたのは良かった。ワンオフのスペシャルマシンではなく、誰でも買える電気自動車をチューニングして走りを楽しむことを追求していくことをコンセプトにしているプロジェクトなので、ファーストステップは踏み出せたのではないか」



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