プジョー、ワークス体制で世界ラリークロスに参戦 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

プジョー、ワークス体制で世界ラリークロスに参戦

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1月に開催されたダカールで3連覇を果たしたチーム・プジョー・トタルは、今後の目標として新たに、世界ラリークロス選手権で頂点を目指すことを発表した。2018年は初めて、フルファクトリー体制でエントリーする。プジョー・スポールは、2014年のデビュー以来、類い稀なるポテンシャルを発揮し続けてきたプジョー208WRXの、2018年仕様マシンのプリペアに入っている。

チーム・プジョー・トタルがワークスドライバーとして起用し、全12戦にエントリーするのは3人。WRC9連覇のセバスチャン・ローブ、新進気鋭のラリークロスドライバー、ティミー・ハンセン、弟のケビン・ハンセンだ。スウェーデン出身のハンセン兄弟は、ラリークロス一家で育った次世代ドライバーとして、百戦錬磨のローブからドライビングの技術と経験を学ぶ。

2018シーズンに向けて準備が進められている新しいプジョー208 WRXは、シーズンを通して、ステップバイステップでアップデートを行っていくという。目標はシンプル。シーズンの序盤からできる限りポイントを獲得して、今後、ドライバーズ選手権とチームズ選手権のタイトル獲得につなげ、プジョーが誇るオフロードモータースポーツの歴史に新たな1ページを刻むことだ。

ローブとティミー・ハンセンは、新スペックの2018年マシンを、ケビン・ハンセンは2017年に使用したマシンの改良型を継続してドライブする。 最新世代の560馬力のプジョー208 WRXに施される開発は、よりパワフルに、ドライビングしやすいことを目指して設計されている。より速く、軽いだけでなく、より反応力を高めトルクを向上させる。

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プジョー・スポールのエンジニアリングチームは、パフォーマンスを高めるためにエアロダイナミクスに大幅な作業を行っており、マシンにはシーズン開幕から、新型ウィングと新型リヤバンパーが取り付けられる。メカニカル面では、エンジン改良のほか、フロントサスペンション、ダンパーを改良したほか、ホイールも大型化。さらにギヤシフトが早くなり、ロールケージも新しくなっている。

プジョー・スポールのディレクター、ブルーノ・ファミンは「世界ラリークロス選手権は、プジョーにとってワークス体制で取り組む中心的なモータースポーツ活動となる。ライバルも環境も新しくなり、エキサイティングな年の始まりとして、新型マシンを発表した」とコメント。
「しかし、プジョー・ハンセンチームを通じて培ったこれまでの知識があるとは言え、ライバルは非常に経験豊富なので、現実を見なくてはならない。我々は、新しい取り組みに向けて、ゼロからチームを育て上げなくてはならない。大きなチャレンジだが、今季は何戦かでは優勝も目指し、以降のシーズンではさらに上を目指して行く」

「我々が世界ラリークロスへの参戦を決めたのは、将来性を確信しているからだ。競技のフォーマットはコンパクトで緊張感に満ちあふれ、エキサイティングだ。他のカテゴリーよりも若い層の観客が集まっており、増加を続けている。さらに、選手権の電気自動車導入も行われていくものと考えている。このため、我々は新世代のパワートレーンの準備も進めているが、今は現在のプジョー208や前行型のプロモーションという明確な目標とともに挑んで行く」

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2018年もカーナンバー9で挑むセバスチャン・ローブは「今年は、高い期待を抱いている。プジョーがワークスとして参戦することが、次のレベルに進み、タイトルを目指して戦うために必要としていたことだった」とコメント。
「過去にはかなり近づいたが、あと一歩というところで逃してしまった。これで、プジョーのオフィシャル活動として取り組むことができる。今年は、全ての改良が投入されるわけではなく、最初からタイトル争いに絡むのは難しいが、やってみなくては分からない。どれだけ早く、開発を進められるか次第だ。ドライバーとしては、ラリークロスは最も緊張感の高い経験ができるカテゴリー。レースは短いが、衝撃は信じられないほどだ。マシンは、600馬力と巨大なWRカーのようなものなので、とにかく楽しい。今季を楽しみにしている」



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