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WRCアルゼンチン:0.7秒差で2位のエバンス「次に優勝争いするのはポルトガルだ」ポスト会見

©REDBULL

WRCアルゼンチンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。最終ステージまでヌービルと優勝争いを繰り広げたエバンス。数々のトラブルや自身のミスを糧に、早くも次戦での優勝争いを宣言した。

REDBULL



●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
1位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツ)
2位:エルフィン・エバンス=EE(MスポーツWRT)
2位:ダニエル・バリット=DB(MスポーツWRT)
3位:オィット・タナック=OT(MスポーツWRT)
3位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(MスポーツWRT)
ミシェル・ナンダン=MN(ヒュンダイ・モータースポーツ、チーム代表)

Hyundai Motorsport GmbH

Q: ティエリー、スリリングな最終ステージ、勝ったのは君だった。リザルトを見た時の気分は。
TN: まずは、本当に張り詰めた週末だったと言いたいね。誰もがトラブルを抱えたり、ミスをしたり、パンクしたり。でも、鍵となったのは、決して再びプッシュするのをあきらめないこと。これこそが、今日、僕らが戦いに勝てた理由だ。難しいことは分かっていたが、でも僕らはやった。最終ステージのフィニッシュに立って、最初のスプリットを聞いた時は僕らは負けていた。エルフィンの方が2秒速かったからね。ミスがなければ十分勝てた。しかし、モニターで次のスプリットを見た時は、僕らから1.3秒遅れていたので、彼がこれを取り戻すのは難しいだろうとこの時点で分かった。僕が速いことは、自分で分かっていたからね。TVを見ると、僕らが0.7秒差で勝ったことが分かった。かなりアメージングだったね。

Q: ストレスを感じていたか、落ち着いていたのか。
TN: 正直、かなり落ち着いていたよ。今年の初めから、マシンにはかなり自信を感じていたからね。ここまでは自分がミスをしたりしていたがマシンには余裕を感じていたし、自分がプッシュし過ぎていたり、プッシュが足りない時にどのように自分のレースをコントロールするのか、その方法を自分では分かっている。今回のようなラリーで鍵となるのは、速く攻めて週末をコントロールすることだ。

Q: これで2連勝、タイトルのチャンスも一気に引き寄せたのでは。
TN: 厳しい週末だった。コンディションはラフだったし、かなりエネルギーを使った。他のラリーと比べれば、自分たちの成果には本当にハッピーだ。エルフィンとは最大で1分の差がついていたが、その差を取り戻すことができた。彼も、素晴らしい走りだったし、タイヤの面でも彼の後押しになっている。

Q:ニコラ、エルフィンのスプリットを見た時、勝てると思っていたか。
>NG:スタートに着いた時はアドレナリンが高まっていたし、エルフィンのタイムについて情報が欲しいと思っていた。情報によれば僕らが3秒遅かったけど、DMACKタイヤの方がソフトであることも僕らは分かっていた。ステージの終わり時点では僕らの方がいい状況になるだろうということも分かっていたし、実際、彼に追いつくことができた。

Q:素晴らしい週末だった。自分の成果にはハッピーか。
>NG:まだ学ばなくてはならないことはある。僕らはヨーロッパ外でのテストが認められていないし、ステージはかなりラフだ。適切な場所でテストをしていなかったので、マシンを守るために初日にセッティングを調整しなくてはならなかった。どのクルーも苦戦していたし、僕らもパンクした。でも、終わってみれば、セッティングを調整すれば大丈夫だった。

Q:エルフィン、今回は大部分でリードに立っていたが、最終ステージでWRC初優勝を逃した。全力を尽くしたと思うが、今の気分は。
EE:正直、いろいろな気持ちが交ざっている。これだけの僅差で優勝を逃したことは残念だ。今回は、お互い様だった。ティエリーは金曜日にトラブルに遇ったが、僕らにとってはいい一日で大きな差を築くことができた。でも次の2日間は、ドライビングはよかったがトラブルもかなり発生した。土曜日の後は、完全にクリーンなステージはなかった。昨日の午前から後は、ストレスが溜まっていたよ。

M-SPORT / @World

Q:最初の2本では何が起きたのか。
EE:別々の問題が2つ起きた。1つ目は、メカニック達ががんばってくれて、今日の朝、ブレーキ関係のパーツを変えてくれた。でも、自分にはまだペダルが使えない感じが残っていた。何とか改善しようと試みたが、残念ながら思っていたところと原因は別にあったようだ。ブレーキを踏む度に、それが状況を悪くしていた。実はあのステージでは、かなりタイムをロスするかもしれないと覚悟しながらスタートしたんだ。少しはブレーキが使えたが、たぶんリヤのブレーキだと思うが、エルコンドルの前半はほとんでペダルがフロアについたままだったので、あのステージのタイムを見た時は驚いたよ。もっとロスしていたかと思っていたからね。それからミナクラベロでは、最後にスピンをして何も詰めることができなかった。ティエリーは2秒くらい速かったと思う。僕らはここで、さらに6秒ロスした。今回はいい勉強になったという感じだ。この週末は自分にもミスがあったので、ポジティブな点はたくさんあったが、学ぶことも多かった。

Q:最終ステージでは、最初の5kmはティエリーよりも速かったが、その後、あの橋だ。
EE:そうだね。実はステージの滑り出しはあまりよくなかった。ブレーキがまた冷えていたからね。幸いすぐに戻ってきた。たぶん最初の1kmくらいだと思う。本当にラッキーだったよ。そのままだったら、タイムを取り戻すことはできなかった。だからステージの前半は、すごくいいフィーリングだった。マシンにグリップも感じられた。正直、かなりアグレッシブに攻めていたよ。でも終わりに近づくにつれて、リヤのグリップが落ちてきた。かなり辛抱したよ。橋にヒットする前の時点で、かなりタイムをロスしていた。あの橋では、ガマンが足りなかった。ハンドブレーキを使って、スライドし続けた。橋での衝撃は大きくはなかったが、それでも痛いミスだ。その後はマシンはそう悪くなかったので、プッシュを続けた。最後のスプリットは、ティエリーとほぼ同じだった。でも、細かい部分のパーツがダメージを受けていて、ツイスティなセクションでタイムをロスした。だから、一言では語れない話なんだ。

Q:次にエルフィン・エバンスが優勝争いに絡むのを見ることができるのは、いつになるか。
EE:ポルトガルだ。

Q:ポルトガルでも同じ戦いができると考えるか。
EE:分からない。時間が教えてくれるんじゃないかな。僕らは、どんなことも確証を得ることはできない。コンディションがどうなるか分からないし、気温がどうなるかも。雨なのか、ドライなのか、それにどれだけ合うのか。僕らは新しいタイヤを使っているので、まだ常にそれを学んでいるところだ。

Q:ダン、この週末、特に最終ステージでの気分はどうだったか。
DB:ふたりとも、すごくストレスが溜まっていたと思う。最後は、少しガッカリした。自分の見立てでは、ステージのスタートはものすごくよかったと思う。マシンの中に座っていても、いいスピードが出ていたことが感じられた。十分に勝てる速さだったんじゃないかな。僕らは、とにかくポジティブな面だけを見ていかなくてはならない。2位でのフィニッシュは自己ベストだし、2日間はラリーをリードしていた。ベストタイムも、スプリットもマークした。実りの多い週末だった。

Q:今回のようなパフォーマンスは予想していたか。
DB:2人の間では、たくさん話していた。DMACKと力を合わせて、ここでは強く戦えると考えていた。ここでは、僕らは強いタイヤを履いていると信じていた。

Q:オット、3位でラリーを終えて今の気分は。
OT:すごくいいよ。もちろん、いつも計画しているのはポイントを重ねることだからね。アルゼンチンでは、あまりツキがなかったから、自分たちのアプローチを変えなくてはならなかった。安全モードで臨んだ。金曜日は少し安全過ぎたかもしれない。だからかなりタイムをロスしたし、トラブルもあった。でもその後、土曜日の午前からはペースに乗った。上位のふたりはとても速かった。差を詰めることはできなかったが、ポディウムポジションを守り切ることができた。3位に加えて、パワーステージでもポイントを獲得したから、満足だ。

Q:今朝スタートした時、2位に挑める感じはあったか。その差は15秒しかなかった。
OT:もちろん、自分は狙ったし、クリーンでいい走りをした。ティエリーが時々やらかしちゃうってことは、みんな知っているからね(笑)。通常、彼は安全パイでは攻めないので、彼との差を詰めるのは簡単なことではなかった。彼はミスをしなかったし、とてもいい走りをした。自分は、リスクを負わずにベストの走りを目指した。今日は、それが精いっぱいだった。

Q:ここからの展望は。今回、再びポディウムに上がったが、この流れをポルトガルにつなげられるか。
OT:もちろん。ポルトガルはお気に入りのイベントだ。普通のグラベルに戻る。たぶん、みんなの強さを推し量ることのできる、今季最初のイベントだと思う。ここまでは特徴のあるイベントが続いたからね。でも、ヨーロッパに戻るのも、いわゆるグラベルラリーを走るのもうれしい。少なくとも、自分たちはここまでドライバーズ選手権でもマニュファクチャラーズ選手権でも、いいポイントを獲得しているので、ヨーロッパに戻ってからが楽しみだ。

Q:マルティン、アルゼンチンのような象徴的なイベントでポディウムに上がって、ハッピーか。
MJ:もちろんだ。初めてのアルゼンチン参戦だったが、ラリー前はみんなからすごくラフになると聞かされていた。今は、自分の口からもそうであると言える。特に今日のステージはラフだったが、どんな形であれとても楽しめた。

Q:初参戦ということだが、予想通りだったか、それ以上だったか。
MJ:今日は観客がたくさん集まって、本当に最高の雰囲気だった。だから、その面ではよかった。僕らはあまりリスクを負わない計画だったので、それはよかったと思っている。金曜日は押さえ過ぎたかもしれないが、土曜日はスピードも上がってポディウムでフィニッシュしたんだから、そう悪くないよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ミシェル。ティエリーが勝って、かなり安心しただろう。
MN:もちろんだ。フィニッシュするまでは勝負は分からないが、とても張り詰めたラリーだったと思う。もし今後もこういった展開が続けば、本当に素晴らしい選手権になると思う。スタートからフィニッシュまで最高だったし、信じられないほどの観客も集まった。

Q:ダニ(ソルド)とヘイデン(パッドン)は、苦しい展開になった。ヘイデンは、キャリアのどん底の気分だと表現していた。この状況を打開するには。
MN:ダニとヘイデンは、本当に不運だった。金曜日は3台ともいい状況ではなく、ヘイデンのように最初のステージで転倒すると、リカバリーは本当に難しい。土曜日はそう悪くなかったが、今日は残念ながら最終ステージをスタートしてわずか1kmの地点でパワーステアリングにトラブルが発生した。彼がどれだけ落胆したか、その気持ちは分かる。しかし、どんなスポーツにも浮き沈みはある。彼が立ち直って勢いを取り戻すために、我々は支えていく。

Q:ポルトガルに向けての感触は。ヒュンダイのここまでのパフォーマンスには喜んでいるか。
MN:我々のマシンは、路面が変わってもそう悪くはないと思っている。いずれにしても、どのマシンも実力が拮抗しているし、ポルトガルは今季初めての、比較的普通のラリーだから、注目している。このイベントでは、マシン同士の実際のパフォーマンス差を見ることになると思うので、今回のようにエキサイティングになって欲しいね。

記者席からの質問
Q:ティエリー、100馬力上がった新しいマシンでのドライビングの違いは何か。
TN:小さくなっている。あのマシンでシーズンが始まった時は感激したが、今はまたパワーが上がることを望んでいる。そうすればもっと速く走れると感じているからだ。新しいマシンで走り始めてからは、自分としては、走る喜びが格段に上がっている。新しいマシンは、エアロダイナミクスによって特に高速コーナーでの安定感が増しているので、ドライビングが楽しいからね。今回の、超高速区間のあるロス・ジガンテスでは、ものすごいダウンフォースとマシンの安定感を感じることができた。素晴らしいよ。ドライビングがとても楽しいし、もちろんマシンの中で感じるサウンドもね。外観は、観客にとっても、ドライバーにとっても圧巻。最高だよ。

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