サンレモでクラス4位完走の新井大輝「終始自信を持って走ることができた」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

サンレモでクラス4位完走の新井大輝「終始自信を持って走ることができた」

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにて欧州でトレーニング中の勝田貴元、新井大輝が、3月31日-4月1日に開催されたイタリアラリー選手権第2戦、Rallye Sanremoにフォード・フィエスタR2で参戦。新井/グレン・マクニール組はクラス4位、総合13位で完走、勝田/マルコ・サルミネン組は、デイ1のナイトステージで岩に車をヒットしデイリタイアとなったが、再出走したデイ2はクラス上位タイムを複数回記録する好走を見せた。

風光明媚な山々に囲まれた地中海沿岸都市のサンレモを拠点して開催されるRallye Sanremoは、1973年WRC設立時より2003年までWRCイタリアラウンドとして開催されていた伝統あるラリー。イタリアラリー選手権の1戦に組み込まれてからも、当時と同じステージを多く含み、選手、観客から高い人気を誇る。道幅が狭く、凹凸のある曲がりくねった山道が多く、最高で標高1460mからのダウンヒルなど、選手たちにとって非常にチャレンジングなコース設定である。今年のRally Sanremoは、スペシャルステージ(SS)11本、総SS距離175.77kmの競技区間を含む、全500.41kmの行程を52台が競い合った。

前戦のRally Il Cioccoに続き、勝田、新井にとって欧州でのターマックラリー2戦目となった本戦、車両の特徴を徐々に掴み始めた両選手にとって、前戦から約2週間と間を置かずに参戦することは、とても有意義な取り組みであった。勝田はセクション1(SS1-4)から終始安定した走行を見せ、タイヤと道とのフィーリングを確かめた。新井はパンクに細心の注意を払いつつ、自分の走行に徹した。続くセクション2(SS5-6)は、セクション1から6時間のリグループを挟んで行われ、スタートは23時を過ぎ、気温は日中の20℃前後から6℃に下がった中での走行となった。 両選手ともタイヤ選択に悩みつつも、インストラクターやメカニックと相談し、最適と思われるタイヤを選択した。

セクション2の1本目、33.6kmで本ラリー最長のSS5は、暗い夜間走行で狭い道がより狭く見える中、デイリタイアの車両が9台も発生する難しいステージとなった。勝田も左前を岩にヒットしてロアアームを折り、その1台となった。一方、集中を切らさず丁寧な走りを続けた新井は、SS5を無事にクリア、続くSS6ではクラス2位のタイムを出した。翌日のデイ2最終セクションは雨が降る中での戦いとなったが、新井は最後まで安定したペースでこのラリーを走り切った。またスーパーラリールールにより、深夜のサービス後に再出走が可能となった勝田は、前日の悔しさから気持ちを切り替え、会心の走行でクラス上位のタイムを連取した。

勝田貴元

TOYOTA

「今回も舗装路だったため、前回の反省を踏まえて挑みました。レッキはマルコの協力もあり、今回の難しいツイスティーなコースを自分なりにうまく捉えることができました。デイ1の前半は気持ちに余裕もあり、無理なく走行できていました。しかしナイトステージではいろいろな視界が遮られ、ペースノートはとてもうまくいっていたのですが、思わぬ砂で滑ってしまいました。とても悔しい結果となりましたが、ペースノートの精度の向上は自分で実感できたラリーだったので、次に繋げていくことができると思います」

新井大輝

TOYOTA

「WRCでも使われていた伝統的なこのサンレモを走り切れたことを嬉しく思います。ツイスティーでナローな道であることは知っていましたが、本当にライン1本分しかないような狭い道が多いことに驚きました。一番難しかったのはグリップレベルの判断です。雨のステージでは氷の上を走っているようでした。このような難しい状況の中でも自分なりにペースを掴んで走り切れたのは、ペースノート、タイヤ、車のセッティングが自分の考えとうまく合ったからだと思います。終始自信を持って走ることができ、成長を感じることができたラリーでした」

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「今回のラリーは、舗装路でのナイトステージ、完全に濡れた舗装路面など、ふたりにとって初めてのことが多く、今後に役立つ多くの経験を得ることができました。ふたりは車にも慣れてきて、それぞれ自分のドライビングスタイルと車のセッティングが見出せるようになってきました。道を熟知する経験豊富な地元ドライバーと互角に戦えるようになってきていることを嬉しく思います。新井は様々な事を考慮し、戦術を組み立てる事に大きく成長を感じました。勝田は舗装路面に対し独特なドライビングスタイルを持っています。まだラリー経験が乏しいですが、このプログラムを通じて多くの経験をし、自分のスタイルを活かして欲しいと考えています。次戦はフランスに移動しますが、舗装路で同じ車両を使うので、良いリズムで戦えると思います」

勝田と新井の次戦は4月20-22日に開催されるフランスラリー選手権第2戦Rallye Lyon-Charbonnières – Rhône(ターマック)に出場する。このラリーは道が広く、ハイスピードコースで知られる。引き続きR2車両で参戦し、タイプの異なる舗装路での走り方、ペースノートの作り方によって、さらにラリーの理解を深める。

R2クラス結果
1 Marco Pollara/Giuseppe Princiotto (Peugeot 208 R2) 2h07m19.8s
2 Luca Bottarelli/Manuel Fenoli (Peugeot 208 R2) +50.1s
3 Andrea Mazzocchi/Silvia Gallotti (Peugeot 208 R2) +1m02.2s
4 Hiroki Arai/Glenn Macneall (Ford Fiesta R2) +1m11.5s
5 Tobia Gheno/Giuseppe Zamboni (Peugeot 208 R2) +2m06.7s
9 Takamoto Katsuta/Marko Salminen (Ford Fiesta R2) +13m11.6s

(TOYOTA GAZOO Racing)

RALLY PLUS