全日本ラリー モントレー:新井敏弘、雨のモントレーを連覇 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー モントレー:新井敏弘、雨のモントレーを連覇

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全日本ラリー選手権第6戦「モントレー2016 in 嬬恋」は8月28日(日)に競技最終日となるデイ2の走行が行われ、初日トップの新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が、ベストタイムこそ1本だったが終始安定した好タイムを刻み、今季2勝目を挙げるとともに昨年に続き雨のモントレーを制覇した。この優勝により、シリーズポイントでは福永修/竹原静香(三菱ランサーエボリューションⅩ)を抜き、シリーズ首位の勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)、同2位の奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)に次ぐ3位に浮上した。

30.957km(7SS)が設定された2日目、ラリーの拠点となる「パルコールつま恋リゾートホテル」周辺は、前日に続き終日霧雨が降るウエットコンディションとなったが、この日設定されたMihara Kadokai short(4.023km)とPanorama R(4.023km)、Omae Suzaka UP(5.737km)は、パルコールつま恋リゾートホテル側に近いOmae Suzaka UPのゴール付近以外は雨が上がり、路面の一部が乾くハーフウエットコンディションとなった。

この路面コンディションに対し速さを見せたのが、初日3位の奴田原だ。SSベストタイム2本を含み、この日のデイポイントトップを奪う奴田原は、SS12でフロントサスペンションを痛めてタイムが伸び悩んだ鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)を一気に捉え2位にポジションを上げてくる。
一方、初日トップの新井も、この日オープニングとなるSS10でベストタイムを奪う盤石の態勢。その後もベストタイムこそなかったが、終始安定したペースで走り切り、2位に浮上した奴田原に対し5.5秒差をつけ、今季2勝目を挙げた。
「最終SSはエンジンのアンチラグが掛からなくて危なかったけど、それ以外はマシンもタイヤも安定して良かった」と勝因を語る新井。2位の奴田原は、「初日は攻め切れないところもあったけれど、2日目で2位に上がることができ、次につながった。ラリー北海道はシリーズを考えても大切な一戦なので、頑張ります」と、次戦に向けての抱負を語っている。また鎌田が順位を下げたSS12では、初日4位の勝田も3位に浮上。
「自分自身のドライビングやタイヤ選択がうまくいかず、いろいろと反省点が多い」という苦しい展開のラリーだったが、表彰台の一角をしっかりとつかんだ。

JN5クラスは波乱の展開となった。初日2位の眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)に25.1秒差をつけるトップで初日を終えた新井大輝/伊勢谷巧(シトロエンDS3 R3-MAX)は、この日も3本のSSでベストタイムを奪う快走を見せる。だが、最高速を下げるためのシケインがストレート区間に設置されたSS11で新井は、3本の規制パイロンをヒット。このシケインは、スタート前のドライバーズブリーフィングで“著しくパイロンにあたった場合は、競技長判断でペナルティを与える”とアナウンスされていたこともあり、このSSで新井は30秒のタイムペナルティを科せられることとなった。このペナルティにより、眞貝がトップに浮上。さらに新井と同様に3本のSSでベストタイムを奪う力走を見せ、最終的には1.2秒の僅差で今季2勝目を飾った。

また、3位にはシリーズポイントトップの柳澤宏至/中原祥雅(プジョー 208 R2)が入賞。このラリーを4位で終えた大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)とのポイント差を拡大することに成功した。

JN4クラスは、初日2位の横嶋良/木村裕介(スバルBRZ)が2日目オープニングのSS10からSS13まで4連続ベストタイムをマークし、初日トップの石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)との差を、1.9秒差まで詰めてくる。SS14は石川が横嶋に1.6秒差のベストタイムを奪い、SS15はSS11で起きたアクシデントの影響でキャンセル。3.3秒差で迎えた最終SSは、横嶋がスタートから約2km地点で痛恨のスピンを喫し、「最後までギリギリの戦いでしたが、なんとか逃げ切ることができてホッとしています。横嶋選手と良い戦いができて良かった。タイヤの使い方など、勉強になるラリーでした」と語る石川が逃げ切り、開幕戦以来となる今季2勝目を飾った。

今季、開幕戦から5連勝を挙げている天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)がタイトルに王手をかけているJN3クラスは、初日を3位で折り返した天野が、SS12で内藤学武/小藤桂一(マツダ・デミオ)を捉え2位に浮上し、そのままフィニッシュ。タイトル争いではライバルとなる中西昌人/美野友紀(マツダRX-8)が6位でフィニッシュとなったため、シリーズ最大のヤマ場となる第7戦ラリー北海道を迎えることなく、早々と今シーズンのJN3クラスチャンピオンを決めた。
「SS1の失敗が最後まで影響したが、逆にSS1の失敗があったからこそ、優勝よりもシリーズチャンピオン獲得の方に気持ちを切り替えることができた」と天野。今シーズンの連勝記録は途絶えたが、価値ある2位入賞となった。優勝は、「目まぐるしくコンディションが変わる難しいラリーで、最後まで緊張感を緩めることができなかった」というAki HATANO/鷹巣恵鈴(マツダRX-8)が、初日のトップを守り切り獲得。3位には、「デイ2でプッシュ仕切れなかったことが残念」という内藤が入賞した。

JN2クラスは、初日トップの山本悠太/内田園美(トヨタ86)が、明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)の追撃をかわし逃げ切りに成功。全日本ラリー参戦2戦目で全日本初優勝を獲得する快挙を達成した。「これまで経験したことがない速度域のラリーだったので、優勝はもちろんですけど無事に走り切ることができたことがなによりもうれしいです。いろいろ学ぶことが多いラリーでした。また全日本に出場するチャンスがあったら、優勝争いできるように頑張りたいです」と、今後の抱負を語った。

JN1クラスは、初日トップの鈴木尚/鈴木裕(スズキ・スイフトスポーツ)が、SS11でクラッシュしてしまい戦線離脱するというまさかの展開となった。鈴木の脱落により、初日2位の須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)が今季3勝目を獲得するとともにシリーズポイントでもトップに躍り出るが、チームメイトのアクシデントに「(優勝は)素直に喜ぶことができない……」と複雑な表情をみせた。2位には、今季初登場の伊藤隆晃/大高直大が入賞。3位には、最終SSで伊藤に0.5秒差まで迫った小川剛/佐々木裕一が入賞し、シリーズポイントも2位に浮上した。

順位クラスドライバー/コ・ドライバー車名タイム/差
1JN6-1新井敏弘/田中直哉富士スバルアライモータースポーツWRX41:31.8
2JN6-2奴田原文雄/佐藤忠宜ADVAN-PIAAランサー+5.5
3JN6-3勝田範彦/石田裕一ラックSTI 名古屋スバル DL WRX+14.4
8JN5-1眞貝知志/漆戸あゆみABARTH500RallyR3T DL+2:08.1
13JN4-1石川昌平/石川恭啓ARTAオートバックス86+3:08.5
16JN2-1山本悠太/内田園美SammyルブロスK-oneYH86+3:32.3
27JN3-1Aki HATANO/鷹巣恵鈴HAL SPRINGS RX-8+5:30.9
31JN1-1須藤浩志/新井正和スマッシュBRIGコマツYHスイフト+6:15.6
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