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WRCジャパン:逆転王座を狙うセバスチャン・オジエ、「最終戦に向けてポイント計算はしない」

©Takuji Hasegawa

2025年シーズンWRC第13戦ラリージャパン。トヨタから参戦するセバスチャン・オジエは、シーズン開幕当初こそ限定参戦を公言していたが5勝を挙げ、2021年以来となる9度目の王座を狙いラリージャパン、ラリーサウジアラビアの終盤2戦へのエントリーを決めた。SS1を終えて、首位のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)から0.4秒差につけるオジエに、話を聞いた。

──レッキ、シェイクダウンはいかがでしたか?
「いつもどおりって感じかな。『今回は楽だ』なんて思えるようなラリーは、シーズン中にひとつもない。常に何かしらの課題がある。今回のラリージャパンは、新しいステージが最大の難関になるはずだ。ここがラリー最大の難所になるだろうし、週末に予想される天候の変化も、間違いなくラリーを盛り上げることになるだろう。実際、シェイクダウンも、昨夜の小雨で路面コンディションが急速にトリッキーになった。滑りやすくて、本当に厄介だったよ。だから、このラリーではとにかくトラブルを避けられるよう、最善を尽くすつもりだ。過去にはここであまり運がなかったから、今回は流れを変えていきたいね(笑)」

──あなたが言うとおり、ここはミスが許されないラリーです。ほんの小さなミスが致命傷になりかねません。
「ラリージャパンは、言葉どおりミスが一切許されない。特に一部のセクションは道が超狭くて、ステージ内でどのラインをとるかが鍵になる。優勝するには『チャンピオンの運』ってやつが必要になるんだ。キャリアの中でそれは何度も経験してきた。でも同時に、このスポーツは自分がうまくやっていると感じている時でさえ、容赦なく不運が襲いかかってくることも知っている。だからあまり深く考えず、ベストを尽くすだけだ。結果はどうなるか、様子を見るしかない」

──トヨタGRヤリス・ラリー1のフィーリングはどうですか?
「オッケーだ。シェイクダウンは路面がすごく滑りやすかった。午後には少し乾くか、状況が変わるかと思ってたけれど、最初のセクションは油を撒いたようだった。でも、この最初のセクションは、SS1でも走ったけど、ラリー全体を代表するステージじゃない」

──今シーズン、ライバルより多くのポイントを獲らなくてはならないラリーは、今回が初めてなのでは?
「僕らがタイトルを狙うと決めた以上、すべてのラリーでライバルより多くのポイントを獲得して、追い上げるしかない。チリの後、選手権の首位に立ったが、セントラルヨーロッパは、異なる取り組みで挑んだ。全開で行くのではなく、堅実さを心がけたんだ。結果は良くなかったが、違う走り方はできなかったと思う。ペースをコントロールして、無理に攻めなかった。結果は出なかったが、少なくとも結果を残さなければならないことが明確になった。戦略的な走りはせず、ポイントを取り戻さなければならない」

──スタートから攻めることはできそうですか?
「僕は常に攻めることができる。ただ、ラリーによって、やり方が違うだけだ。このラリーではドライだったら、実際に走って楽しい区間もあるんだ。ウエットになると、かなりチャレンジングな場所に変貌する。日曜は雨の可能性があるから、その日の展開は控えめに言っても想像がつかない。それまでにやるべきことが山積みだ。まずは良いポジションを確保してから、日曜に攻める準備を整える。楽しい区間で言えば、特に伊勢神トンネルは特別なセクションだ。ある意味、あそこは道と呼べるものじゃない(笑)。避けるためのスペースがまったくないんだから。だからこの区間は生き残ることに全力をかける」

──ラリージャパン終了時点で、ポイントリーダーはなりたくないでしょう?
「計算はしない。最後のラリーはくじ引きみたいなものだからね。今週末は取れるポイントを取って、あまり深く考えすぎないようにするつもりだ。ポイントをあえて逃すような真似もしないよ。今までしたこともないし、その立場にあるなら、すべきことじゃないと考えている」



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