全日本ラリー久万高原:僅差のバトルを制し、ヘイキ・コバライネンが今季初勝利。新井大輝は6.3秒差の2位 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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全日本ラリー久万高原:僅差のバトルを制し、ヘイキ・コバライネンが今季初勝利。新井大輝は6.3秒差の2位

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2025年シーズン全日本ラリー選手権第7戦「久万高原ラリー」は、10月5日(日)に 4カ所のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスはヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)が、新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)に6.3秒差をつけてシーズン初勝利。2分14秒1差の3位には、勝田範彦/保井隆宏(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)が入った。

ラリー2日目は、前日の逆走となる「大川嶺リバース(13.57km)」、「大谷リバース(14.00km)」の2ステージを午前と午後でリピートする4SS、55.14km。トップのコバライネンと2番手につける新井大輝の差はわずか2.2秒。首位のコバライネンはドライとウエットタイヤを組み合わせ、新井大輝はウエット4本を選び、午前中のセクションへと向かった。

夜半に降雨があったものの、朝の段階では曇り、午後からは太陽がさす予報も出ている。SS5、ウエットが残る路面で新井大輝が鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)に8.0秒差のベストタイム。コバライネンは8.8秒差の3番手タイムに留まり、コバライネンに6.6秒差をつけて、新井大輝が首位に浮上した。1分31秒2差の3番手には勝田、1分37秒3差の4番手に鎌田という順位が続き。このステージを13.4秒差の4番手タイムで走った福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、5番手につける奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)との差を2.9秒差に縮めている。

SS6のスタートから5km地点、トップの新井大輝はマシンを滑らせてコースオフ。初日のクラッシュでオイルが出た場所に撒かれた石灰が夜間の雨で水を吸い、想定以上に滑りやすくなっていたことが原因だった。新井大輝はバックギヤを入れてステージに復帰したものの、コバライネンはこのステージだけで新井大輝に12.8秒差をつけ、再逆転。コバライネンは新井大輝に6.2秒のアドバンテージを握って、午前中のセクションを終えた。

その後方では、4番手につけていた鎌田が新井大輝と同じ場所でコースオフ。マシン前部にダメージを受けており、ラリー続行を断念した。この結果、SS6で大きくタイムを落とした奴田原を福永がかわし、総合4番手に順位を上げている。

サービスを挟んだ午後のセクション、晴れ間がのぞきつつあり、路面コンディションはほぼドライ。SS7は新井大輝がコバライネンに2.0秒差のベストタイムをマークし、その差を4.2秒に縮めて最終SSへと向かう。迎えた最終のSS8、コバライネンは新井大輝を2.1秒引き離す連続ベストを刻み、トップフィニッシュ。7戦目にしてシーズン初勝利を手にした。

「ラリーでようやく満足できる結果を出せて、本当に本当にうれしいよ。長く厳しいシーズンだったからね。今シーズンは、いつも何かがうまくいかなかった。ミスもしたし、技術的な問題もあった。あらためてチームには本当に感謝している。あと1戦残っているし、全力で頑張るよ」と、コバライネンは喜びを噛み締めた。

SS6でのコースオフもあり、新井大輝が6.3秒差の2位。「ヘイキさんとは戦略的にタイヤをどう使うかが鍵になりましたね。天候にも翻弄されました。結果的にオイルに乗ってコースオフしたことで、優勝は逃しましたが、こうやって僅差でバトルできたことが本当に楽しかったです。負けましたが、良い戦いができました」と、清々しい笑顔を見せた。

2分14秒1差の3位に勝田、3分8秒0差の4位に福永、3分19秒0差の5位に奴田原、4分41秒7差の6位に新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX VBH)が入った。



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