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2025年のWRCもほぼ折り返し地点に差しかかるなか、選手権はカレンダーの中でも最も有名で歴史の長いイベントのひとつ、アクロポリス・ラリーギリシャを迎える。トヨタのエルフィン・エバンスはドライバーズ選手権で19ポイントのリードを握っての首位を守り続けており、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権ではヒョンデに69ポイント差をつけている。
WRCが創設された1973年にカレンダーに含まれたギリシャは、長年に渡って選手権の常連開催国となっており、直近では2021年以降、毎年開催されている。カーブレーカーとして知られるアクロポリスの道は、石が散乱しているほか灼熱の暑さも加わり、忍耐が試されるイベント。
2025年は、ラリー1が12台、ラリー2が37台エントリー。うち34台がWRC2部門にノミネートしており、現在のポイントランキングのトップ5が出揃い、直接対決に臨む。WRCアクロポリスは、今季のジュニアWRC第3戦にもあたり、現在テイラー・ギルとミーレ・ヨハンソンがポイントランキングで首位に立っている。
■路面とタイヤ
サファリ・ラリーケニアを除けば、最もタフなチャレンジとして知られるアクロポリスは、前戦のサルディニアから引き続き、夏のラフグラベルイベントとなる。石が多い道とツイスティなコーナーに、40度近い暑さが加わり、過酷で複雑な一戦となる。トップスピードの速度域は高いものの、走行が重なるごとに道が荒れるため、パンクのリスクも高くなる。このため、1回目と2回目の走行では、路面もまったく違うものとなる。また、雨が降れば、ステージはあっという間にダスティな道から泥道に一変する。
ハンコックがこのイベントに供給するタイヤは次のとおり。
RC1
第1:ハード Dynapro R213W WRC3 本数:16〜20本
第2:ソフト Dynapro R213W WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:28本
RC2、RC3
第1:ハード Dynapro R213 WRC3 本数:14〜18本
第2:ソフト Dynapro R213 WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:26本
■ラリーデータ
開催日:2025年6月26日〜29日
サービスパーク設置場所:ラミア
総走行距離:345.76km
総ステージ走行距離:1074.80km(SS比率24.34%)
総SS数:17
アイテナリー:
クリックして77ef78d1-066b-4f9b-adab-dc91da5af9a2_Itinerary%20V4%20-%2021.6.2025.pdfにアクセス
■鍵となるステージ
SS15/17 Tarzan (23.37km)
昨年は競技初日に設定され、今年は日曜日に移動したTarzanは、典型的な「刺客」となるステージ。何もかもが暑い真夏のアクロポリスで、この難関をパワーステージとして走行しなくてはならない。このステージでは、常にリズムが変化し、高速区間にヘアピンやテクニカルなコーナーが散りばめられている。路面の変化も特徴のひとつで、前半は典型的な林道を下っていく。その後、4kmほどスムーズな道が続いた後、 Tarzanで最も有名なセクション、ロボリアリ村とレンティーナ村の間にある石畳が登場する。
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC
■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)
[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#1)
オィット・タナック(#8)
アドリアン・フルモー(#16)
[Mスポーツ・フォードWRT]
グレゴワール・ミュンステール(#13)
ジョッシュ・マカリアン(#55)
[トヨタ・ガズーレーシングWRT2]
サミ・パヤリ(#5)
■2024年WRCサルディニア最終結果
1 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) 3:38:04.2
2 D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:46.8
3 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +2:57.3
過去のWRC開催イベント優勝者
2024 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2023 K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2022 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2021 K.ロバンペラ(トヨタGRヤリスWRC)
2013 J-M.ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2012 S.ローブ(シトロエンDS3WRC)
2011 S.オジエ(シトロエンDS3WRC)
2009 M.ヒルボネン(フォード・フォーカスRS WRC’09)
2008 S.ローブ(シトロエンC4WRC)
2007 M.グロンホルム(フォード・フォーカスRS WRC’06)