2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグが、ERC第3戦ロイヤル・ラリーオブスカンジナビア(グラベル)に、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5で参戦することになった。ソルベルグの競技参戦は、2019年のラリーGB以来だが、今年のダカールで総合優勝を飾ったカルロス・サインツに刺激を受けて、今後の参戦活動にも意欲的な姿勢を見せている。
現在49歳のソルベルグは、息子のオリバーが昨シーズンのヨーロッパ選手権で優勝した際に使用したポロGTI R5を使用する。参戦は「タフなものになる」と覚悟しながらも、ソルベルグは自身の評判を落とす危険があるのではとの見方は否定した。それどころか、「夏版ラリースウェーデン」と呼ばれる高速グラベルラリーでの活躍を、より頻繁な競技参戦に復帰するためのきっかけにするつもりのようだ。
「自分は今年50歳になるが、とても楽しい参戦になると思う。ラリーを通して自分の速さがどれほどのものかを知ることができる」とソルベルグは、ERCの公式サイトに語っている。
「今年のダカールでカルロス・サインツが優勝したことを考えれば、正直、自分はまだまだ走れると思うし、将来何をしたいかを考えたら、すぐにでも始めなければならない」
「1本を除いては自分にとって新しいラリーだから、2回のレッキでペースノートを作ってそれを100%信用しなくてはならないのは、大変な部分になるだろう。でも、ドライブしたいと思ったら、すぐにでも乗らなくてはならないってこと。今度は自分の番だ。なんだか、ソワソワするね。ドライビングは問題ないと思うが、ペースノートだね。信じて全開で走れるかだ」
ソルベルグが最後にERCに参戦したのは、1998年5月の南スウェーデンラリーで、トヨタ・セリカGT-FOURで2位フィニッシュを果たしている。この年、ソルベルグは、Mスポーツのマルコム・ウィルソンと、フォードのWRCワークスチームから参戦する契約を結んだ。
「ERCにもとても速いドライバーがたくさんいることは知っている。激戦区のひとつだ。5年前にラリーGBに出て、そこからは何も出ていない。この選手権での速さは信じられないものだし、ただスイッチを入れ直せばいいというものでもない」
ソルベルグは最後に参戦した2019年のラリーGBでは、WRC2部門優勝、総合10位に食い込んでいる。今回の参戦では、WRC2に参戦するガス・グリーンスミスのコ・ドライバーを務めるヨナス・アンダーソンがソルベルグとコンビを組む。
ロイヤル・ラリーオブスカンジナビアは、6月13日〜16日、スウェーデンのカールスタッドを拠点に開催される。
(Graham Lister)