【速報】WRCジャパン:エルフィン・エバンスが今季3勝目、トヨタはサファリに続く表彰台独占 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCジャパン:エルフィン・エバンスが今季3勝目、トヨタはサファリに続く表彰台独占

©Toyota

2023年シーズンWRC第13戦ラリージャパン(ターマック)は、11月19日(日)に最終日の6SSを走行し、トヨタのエルフィン・エバンスが優勝を飾った。1分17秒7差の2位にセバスチャン・オジエ、1分46秒5差の3位にカッレ・ロバンペラが入り、トヨタがポディウムを独占。勝田貴元は前日からひとつ順位を上げ、5位入賞を果たしている。

ラリー最終日は、愛知県と岐阜県を舞台とする6SS、84.08km。「Asahi Kougen(7.52km)」、「Ena City(22.92km)」、「Nenoue Kougen(11.60km)」の3SSを、中津川公園のタイヤフィッティングゾーンを挟んでループする。最終のSS22「Asahi Kougen Power Stage」はボーナスポイントが与えられるパワーステージとして実施。最終日ながらも80kmを超える距離が残されており、さらに中間サービスがないため、トラブルやアクシデントは致命傷となる可能性が高い。

依然としてエバンスが首位をキープし、総合2番手につけるオジエは1分15秒0、総合3番手のロバンペラは1分40秒6も離れており、チームオーダーを発しないチームとは言え、トリッキーなSSが多く残されているため、各車安全なペースで走行するとみられている。ただ、総合5番手のオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)と、トヨタの4台目をドライブする勝田は14.9秒差。勝田は「ひとつでも上のポジションを狙っていく」と、アタックを宣言している。

豊田スタジアムのサービスパークは青空が広がったが、ステージが設定された恵那市方面は前日に降雪もあり、濡れた路面が残っている。これを受けて多くのクルーがウエットタイヤを選択。ヒョンデ勢のエサペッカ・ラッピとティエリー・ヌービルのみがウエットにソフトタイヤ2本を組み合わせ、ステージへと向かった。

Hyundai Motorsport GmbH


ドライとウエットが混在するSS17、「今日のステージでは、ここが一番走りやすいと思う」と振り返ったヌービルがベストを刻む。勝田はマシンをスライドさせる局面もあり、ヌービルから2.1秒差の2番手タイム。しかし、ターゲットとするタナックがステージの最終コーナーでオーバーシュートを喫したこともあり、その差は9.6秒に縮まった。

この日最長の22.92kmを走行するSS18は、明知鉄道がスタート脇に列車を止め、地元の小学生が車内から応援するという光景も。路面はほぼウエットとなっており、さらにコーナーには落ち葉が点在している。この危険なコンディションに多くのクルーがペースを抑えるなか、先頭スタートのヌービルが勝田に6.1秒差の連続ベスト。「僕はタカ(勝田)と戦うつもりはない」と語るタナックはベストから16.8秒も遅れた4番手タイム。勝田が一気に0.4秒差にまで迫ってきた。総合4番手のラッピもペースが上がらず、25.9秒差と、こちらもまだ分からない。

昨晩降雪もあったSS19は、主催者が夜を徹して路面を整備したこともあり、ウエットコンディションに。ここでは勝田がヌービルに5.3秒、ラッピに9.7秒差をつけ、この日初のベストタイム。タナックは20.4秒差の6番手タイムに沈み、ついに勝田が総合5番手にポジションアップを果たした。前をいくラッピとの差も16.2秒と、後半のループに逆転の可能性を残した。一方、エバンスはペースをコントロールしながら、オジエとロバンペラを従え、順調に首位を走行している。

Toyota


中津川公園のタイヤフィッティングゾーンでは、1周目のコンディションを踏まえ、ヌービルのみがソフトを5本を選択。それ以外のクルーはソフトとウエットを組み合わせ、午前中のルートへと再び向かった。

SS20、1周目の走行によりさらに滑りやすくなった路面に多くのクルーが苦しむなか、ヌービルがまたもベスト。3.0秒差にラッピが入り、ヒョンデの2台が素晴らしい走りを披露する。ラッピに迫りつつあった勝田だったが、ここでは10.4秒も離され、その差は26.6秒に拡大。「グリップがまったくなくて、プッシュできませんでした」と肩を落とした。

SS21は勝田がヌービルに4.6秒差をつけるベストタイム。ただ、ラッピも6.8秒差とまずまずのタイムでまとめており、最終ステージを前にラッピと勝田の差は19.8秒と、逆転は厳しいか。最終のSS22を前に、首位エバンスと総合2番手のオジエが1分23秒7差、総合3番手のロバンペラの1分49秒9差。トヨタのトップ3独占は盤石な状態だ。

SS22は晴天が広がり、コンディションはほぼドライ、観戦エリアには昨年を超える観客が集まった。パワーステージはリバースオーダーでのスタートとなり、全日本ラリー選手権でおなじみの福永修(シュコダ)からコースイン。ベストタイムはこの日好調のヌービルが手にした。ラリー1勢最後に登場したエバンスは、安全なペースで7km強のステージを走り切り、シーズン3勝目。トヨタはオジエが2位、ロバンペラが3位に入り、第7戦サファリ以来となるシーズン二度目の表彰台独占を達成している。

フィニッシュしたエバンスは、GRヤリス・ラリー1のルーフにコ・ドライバーのスコット・マーティンと駆け上がると、力強く拳を突き上げた。「難しいコンディションだったし、厳しい週末だったね。でも、マシンは好調だったし、トヨタの母国イベントで1-2-3フィニッシュを飾れるなんて最高だよ!」と、エバンスは笑顔で振り返った。

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3台のトヨタに続く4位は、後半のセクションでスピードアップを果たしたラッピ。勝田は2日目に5分近くのタイムロスを強いられながらも、自身最多となる10度のベストタイム(SS9の修正タイムを含む)をマークし、5位でホームイベントを走り切った。今回がMスポーツ・フォードで最後のラリーとなるタナックが6位。7位にはすでにWRC2タイトルを決めているアンドレアス・ミケルセン(シュコダ)が入っている。シーズン13戦すべてを終えて、ドライバーズランキング上位は首位ロバンペラが250点、エバンスが216点、ヌービルが189点、タナックが174点となった。マニュファクチャラーズランキングは、トヨタが548点、ヒョンデ432点、Mスポーツ・フォードが287点。

次戦は2024年1月25日〜28日に開催されるラリーモンテカルロ。23年はトヨタのセバスチャン・オジエとカッレ・ロバンペラが1-2フィニッシュを達成している。伝統の一戦を制するのはどのチーム、どのドライバーなのか。

WRCラリージャパン 暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 3:32:08.8
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:17.7
3. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:46.5
4. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +2:50.3
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:10.3
6. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:28.3
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:33.7
8. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:49.6
9. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +19:25.9
10. 新井大輝(プジョー208ラリー4) +22:22.7



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