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WRCモンテカルロ事前情報:新しいポイントシステム導入のシーズンが開幕

©FIA

2024年のWRCはラリーモンテカルロで開幕。シーズンは、新しいルール、チーム移籍、大胆な新カラーリングと話題の多い幕開けとなる。

ハイブリッドのラリー1マシンにとって3年目の今季、大きなルール変更のひとつがポイントシステムだ。昨年まで、ラリーを終えて上位10台には25-18-15-12-10-8-6-4-2-1の配分でポイントが与えられていたが、今季は土曜日の競技が終わった時点でのトップ10に18-15-13-10-8-6-4-3-2-1の配分でポイントが与えられる。ただし、クルーがラリーの全行程を完走できなかった場合、得点は与えられない。

日曜日には別途、上位7台にポイント(7-6-5-4-3-2-1)が与えられることになる。これは、パワーステージでプッシュすることを狙って最終日にそれまでのステージを抑えて走ることを選択するドライバーの慣習を阻止することを目的としたもの。これまでのパワーステージでの上位5台へのボーナスポイント(5-4-3-2-1)のルールは継続される。

大胆な改革を試みるWRCだが、ラリーモンテカルロの伝説的な地位と挑戦的な評判が変わることはない。1911年に初開催したモンテは、WRCカレンダーの中でも最も過酷な一戦として位置づけられている。雪や氷でグリップレベルが変化したり不安定な中、ナローでツイスティな山道は、さらに試練の連続となる。

■エントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT:WRC8冠のセバスチャン・オジエは、モンテカルロ10勝目に挑む。今季のオジエは、スポット参戦3シーズン目を迎えるが、昨年シリーズ2連覇を果たしたカッレ・ロバンペラも今季は限定参戦を選択しており、モンテカルロはスキップ。2023年シリーズ2位のエルフィン・エバンス、勝田貴元が、オジエとともにトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをドライブする。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:1シーズンをMスポーツ・フォードで過ごしたオィット・タナックが、チームに復帰。ティエリ・ヌービルとともにフル参戦に臨む。ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーは、エサペッカ・ラッピ、アンドレアス・ミケルセン、ダニ・ソルドがシェアすることになり、モンテカルロにはミケルセンがエントリーする。

Mスポーツ・フォードWRT:2022年にラリー1規定マシンでの初めてのWRCで勝利を飾ったチームは今季、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のドライバーに、アドリアン・フルモー、グレゴワール・ミュンステールというフレッシュな顔ぶれを起用する。

■サポートカテゴリー
WRC2には22台がノミネート。リストの筆頭は、シトロエンC3ラリー2のヨアン・ロッセルだ。そのほか、同郷フランスのニコラ・シャミン(ヒョンデi20Nラリー2)、スペインのペペ・ロペス(シュコダ・ファビアRSラリー2)も名を連ねる。今戦で実戦デビューを飾るトヨタGRヤリス・ラリー2は、ステファン・ルフェーブルなど4台がエントリーしているが、サミ・パヤリは、このモンテカルロではオリバー・ソルベルグ(ファビアRSラリー2)同様、WRC2にはノミネートしていない。WRC3には、ヤン・チェルニー(フォード・フィエスタ・ラリー3)、ジュバンニ・ロッシ(ルノー・クリオ・ラリー3)らがエントリーしている。

■ラリールート

TOYOTA

より冬らしい気候を求めて、イベントの拠点はモナコから再びギャップに移動。ルートも大幅に変更されている。ラリーは1月25日木曜日、モナコのカジノ広場で数々のイベントの後にセレモニアルスタートで開幕。その後、Thoard-Saint-Geniez (21.01 kilometres) とBayons-Bréziers (25.19 kilometres) がナイトステージとして行われる。金曜日は、アルプ‐ド‐オート地方とオート‐アルプ地方の3SSを2ループする構成。土曜日は、ギャップの西部を走る3SSを2ループする120.44kmと、イベント最長のステージが設定される。日曜日はモナコまで移動。名物ステージのチュリニ峠を走るLa Bollène-Vésubie / Col de Turiniがパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2024年1月25日〜28日
サービスパーク設置場所:ギャップ
総走行距離:1649.89km
総ステージ走行距離:324.44km(SS比率19.66%)
総SS数:17

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]

エルフィン・エバンス(#33)
セバスチャン・オジエ(#17)
勝田貴元(#18)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
アンドレアス・ミケルセン(#9)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
グレゴワール・ミュンステール(#13)

■2023年ラリーモンテカルロ最終結果
1 S.オジエ/V.ランデ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)3:12:02.0
2 K.ロバンペラ/J.ハルットゥネン(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)+18.8
3 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +44.6

■近年のウイナー
2023年 S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2022年 S.ローブ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1)
2021年 S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)
2020年 T.ヌービル(ヒョンデi20クーペWRC)
2019年 S.オジエ(シトロエンC3 WRC)

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