WRCジャパン事前情報:今季最終戦はカレンダー屈指の難関ターマックラリー、選手権2位争いは激戦に – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCジャパン事前情報:今季最終戦はカレンダー屈指の難関ターマックラリー、選手権2位争いは激戦に

©Hyundai Motorsport GmbH

今季のWRCは、今週、愛知県・岐阜県を舞台に開催されるラリージャパン(ターマック)で最終戦を迎える。

今季ここまで激動の12戦を終えて、カッレ・ロバンペラとヨンネ・ハルットゥネンはそれぞれドライバーズ、コ・ドライバーズタイトルを確定させているが、選手権2位争いはまだ激戦が続いている。

最終戦となるフォーラムエイト・ラリージャパンを前に、トヨタのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンがランキング2番手につけている。しかし、同じくオールターマックだった前戦セントラルヨーロピアンを制したヒョンデのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグは、わずか7ポイント差まで詰めてきた。ヌービル/ウィダグは昨年のラリージャパンを制しているが、一方のエバンス/マーティンも最終日でパンクに見舞われ順位を落としたものの、土曜日まではラリーをリードしていた。このことを見ても、選手権2位のバトルは激しくなりそうだ。

計算上では、Mスポーツ・フォードのオィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤも選手権2位は可能だが、エバンス/マーティンがジャパンをノーポイントで終わり、ヌービル/ウィダグが6ポイント以上獲得できない場合と、条件は厳しい。

ハイブリッドシステムのラリー1マシンの2年目となった今シーズンはここまで、5人のイベント勝者を輩出しており、マニュファクチャラー3チームがすべて勝利をマークしている。トヨタは、第11戦ラリーチリでタイトル獲得を決めており、この週末は悲願の母国優勝でシーズンを締めくくることに挑む。

■ラリー1マシン勢エントリー状況
トヨタ・ガズーレシングWRT:前戦セントラルヨーロピアンと同じ、WRC8冠のセバスチャン・オジエが、エバンス、ロバンペラと参戦。オジエのWRC参戦は、今季これが8回目となる。地元愛知県出身の勝田は、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをドライブする。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:ダニ・ソルドが、3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドで、1月のラリーモンテカルロ以来となるターマックに参戦。エサペッカ・ラッピはラリージャパン初参戦。ヌービルは2022年のラリージャパンを制している。

Mスポーツ・フォードWRT:アドリアン・フルモーが、2022年のラリースペイン以来となるラリー1マシンでの参戦をつかんだ。フルモーのジャパン参戦はこれが初めて。昨年のジャパンを2位でフィニッシュしているタナックは、このジャパンを最後に2024年はヒョンデ移籍を発表している。

■サポートカテゴリーエントリー状況
前戦セントラルヨーロピアンで、アンドレアス・ミケルセン(トクスポーツ、シュコダ・ファビアRSラリー2)がタイトルを確定。チームメイトのニコライ・グリアジン、元F1ドライバーで全日本ラリー連覇を果たしたヘイキ・コバライネンもWRC2にエントリーしている。WRC2チャレンジャーは、カエタン・カエタノビッチのみがノミネート。日本からは福永修(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)、今井聡(シトロエンC3ラリー2)がWRC2部門にエントリーしている。

WRC3部門には、カナダのジェイソン・ファーマーがフォード・フィエスタ・ラリー3でエントリー。ファーマーはマスターズカップにもノミネートしている。

■ラリールート

TOYOTA

日本史上初のWRC開催は北海道のグラベルイベントとして行われたが、2022年にカレンダーに復帰した日本ラウンドは、本州で行われるオールターマックラリーとなった。

愛知県・岐阜県周辺のタイトでツイスティな道を使うステージは、今年いくつかの変更が行われた。最も注目を集めているのは、豊田スタジアム内に特設されるスーパーSS。スタジアムの敷地内にはサービスパークも設置される。2台同時に走行する2.10kmのステージは、16日木曜日、17日金曜日、18日土曜日と3回走行する。

金曜日は、ラリー最長となる23.67kmの伊勢神トンネルから始まり、計3本を走行して、豊田スタジアムのサービスに戻る。午後はこの3本を再走した後、豊田スタジアムのスーパーSSを走行する。

土曜日は、早朝から額田と三河湖の2本を走行した後、岡崎中央総合公園に設定される2.84kmのスーパーSSを2連続で走行。その後、額田と三河湖を再走し、1回のみの走行となる新城を走行した後、最後の豊田スタジアムのスーパーSSで締めくくる。この日は日中サービスはなく、岡崎中央総合公園でのタイヤフィッティングゾーンのみとなる。

最終日は、旭高原(7.52km)からスタート。22.92kmの恵那は、明知鉄道の線路脇を走行する新しいスタート位置が設定された。根の上高原を走行した後は、中津川公園にタイヤフィッティングゾーンが設定。その後、恵那、根の上高原をリピートした後、2回目の旭高原がパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2023年11月16日〜19日
サービスパーク設置場所:豊田スタジアム(愛知県豊田市)
総走行距離:958.95km
総ステージ走行距離:304.12km(SS比率31.7%)
総SS数:22

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
エルフィン・エバンス(#33)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
エサペッカ・ラッピ(#4)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
オィット・タナック(#8)
アドリアン・フルモー(#16)

■2022年ラリージャパン最終結果
1. T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) 2:43:52.3
2. O.タナック/M.ヤルベオヤ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:11.1s
3. 勝田貴元/A.ジョンストン(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) +2:11.3

■近年のウイナー
2022年 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2010年 S.オジエ(シトロエンC4WRC)
2008年 M.ヒルボネン(フォード・フォーカスWRC08)
2007年 M.ヒルボネン(フォード・フォーカスWRC07)
2006年 S.ローブ(シトロエン・クサラWRC)



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