WRCジャパン:新井大輝が総合10位、福永修ら日本人ドライバーたちも活躍 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCジャパン:新井大輝が総合10位、福永修ら日本人ドライバーたちも活躍

©Naoki Kobayashi

11月19日にフィニッシュを迎えたWRC最終戦ラリージャパン(ターマック)。日本人勢では、2WDのプジョー208ラリー4で参戦した新井大輝/立久井大輝が、RC4クラス優勝、総合でも10位に食い込む大健闘を見せた。

今季の全日本ラリー選手権に、同じマシンでターマック4戦に参戦。選手権規定上がJN-1クラスに該当することから、4WDマシンとの戦いを続けてきた。ラリージャパンには、最小限のチーム体制と語っていた新井。全日本同様、中日本自動車大学の学生メカニックをチームに加え、育成も兼ねての参戦だった。土曜日の新城では右サイドを広くこする場面もあったが、メカニックたちがしっかり修復。荒れたコンディションを中、ラリーを走り切った。

「本当に疲れました! とにかく完走できたことが何より。自分のミスもありメカニックにとってもチャレンジングなラリーになりましたが、チームとしても成長ができたと思います」と新井は笑顔を見せた。

Jun Uruno

WRC2部門では、シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで参戦した福永修/齊田美早子が、WRC2マスターズカップ部門で、イーモン・ボーランド/MJ(シトロエンC3ラリー2)に4分近くの大差をつけてトップでフィニッシュした。ラリー中は燃料ポンプのトラブルでアクセルが吹けない症状に苦しまされた福永だったが、山ありのレインタイヤで走ったという岡崎のスーパーSSでは、盛大にスモークをあげてドーナツターンを見せて盛り上げるなど、話題も振りまいた。
「難しいコンディションの中で生き残れたことが、まずよかった。トラブルを乗り越えて結果がついてきたことをうれしく思う」と福永。

Jun Uruno

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ルノー・クリオ・ラリー5で参戦した国沢光宏/木原雅彦は、雨の林道に苦戦しながらも、RC5クラストップフィニッシュを果たした。
「雨も雪もあり、まともに走れたのは最終ステージくらい。FFなので絶えずトラクションがかからない状態。踏みすぎると横に逃げてしまうし、FFには最終日はすごく厳しい一日だった。ヒロキ(新井)は別格です!」と今回のラリーの過酷さを表し、総合10位でフィニッシュした新井の活躍を讚えた。

Jun Uruno

FIAの安全規定を順守した上で参加が認められる開催国(JAF)規定のラリー車が対象となるJACar勢では、今季の全日本ラリー選手権JN-1クラスにトヨタ・ガズーレシングWRJが投入したトヨタGRヤリスDATでWRC参戦に挑んだ眞貝知志/安藤裕一が、ラリー開幕木曜日に喫したデイリタイアから、逆転で2500cc以上のJRCar1クラス優勝、JRCar勢でも最上位でのフィニッシュを飾った。

自身初のWRC参戦、豊田スタジアムに設定されたスーパーSSの1回目の走行で、傾斜のきついジャンプスポットで着地の際にラジエターを破損。チームが深夜まで作業に挑み修復したマシンで再スタートした眞貝は、最終日に部門トップに立ち、ラリーフィニッシュを迎えた。
「2度目のリタイアはできないと思いで慎重に走ったが、終わってみればクラス優勝。チームのおかげで、この場に立たせてもらったと思っている」と眞貝。

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1601cc以上2500cc未満のJRCar2クラスでは、今季の全日本ラリー選手権JN-3クラスチャンピオンの山本悠太/立久井和子が、トヨタ86でクラス優勝を飾った。
JRCar勢全体でも3番手でフィニッシュした地元岡崎出身の山本は「厳しいコンディションで4日間を通して我慢のラリーとなったが、最後のステージは気持ちよく走ることができた。すべてを走り切って戻ることができたのが何より」と安堵の表情を見せた。

Jun Uruno

1600cc未満のJRCar3クラスでは、ダイハツ・コペンGRスポーツで参戦した相原泰祐/萩野司が、昨年のラリージャパンに続いて同クラスを制覇した。
コペンユーザーの多い地域での開催、コンパクトなマシンで果敢にWRCの過酷なステージに挑む姿に、ラリー中もたくさんの声援が寄せられた。その様子に相原は「下りが多い三河湖やコーナーの多い豊田スタジアムでは、コペンの長所を見せられたと思う。去年のラリージャパンから、チームみんなで改善してきた。今回も課題が見つかったので、さらに改善してみなさんを笑顔にしたい」とコメントを寄せた。

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