WRCジャパン:タイヤサプライヤーのピレリは天気を注視 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCジャパン:タイヤサプライヤーのピレリは天気を注視

©PIRELLI

WRC単独タイヤサプライヤーのピレリは、今週開催されるWRC最終戦ラリージャパン(ターマック)に、第1選択肢としてP ZEROハードを供給する。現時点で金曜日には雨が予報されており、予想以上に湿度が高くなれば、タイヤ戦略に大きな影響を与えることになりそうだ。

前戦セントラルヨーロピアンまでに、マニュファクチャラーズ選手権はトヨタが、ドライバーズ、コ・ドライバーズはカッレ・ロバンペラとヨンネ・ハルットゥネンがそれぞれタイトル獲得を決めているが、トヨタにとっては母国ラリーでの優勝という確固たる目標が残っている。

開催2度目となる愛知県・岐阜県を舞台としたラリージャパンは、昨年とフォーマットが一部変更。新設の豊田スタジアムでの3回のスーパーSSを含め合計22本のステージは、基本的にチャレンジングで特に早朝はスリッパリーになることもあり、山間部は特に注意が必要だ。カットによって道路に掃き出される土、石、葉がもたらす危険性を過小評価するべきではないと、ピレリは分析している。さらに注視しているのが、天気。現状では金曜日に雨が降り、土曜日以降は晴れると予報されているが、特に早朝など気温が低くなり、ウエット路面になれば、タイヤの選択肢が複数に増える。金曜日はウエットタイヤを選ぶ確率が高くなると予想される一方で、残りの2日間はハードかソフト、あるいはそれらを組み合わせるなど、タイヤ戦略に頭を悩ませることになりそうだ。 P Zeroハード(プライム=第一選択肢)は、シーズンを通して完全に乾いていない舗装でも信頼性を発揮し、優れた汎用性を示している。P Zeroソフト(オプション=第に選択肢)は、ウエットコンディションで予想以上にグリップが不足した場合に適している。

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テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「タイトル争いは決着がつき、ジャパンでは全ドライバーが全力で挑んでくることが予想され、テクニカル的な視点からも非常に興味深い。日本の道と天候はチャレンジングであり、決して甘く見てはならず、特にレッキの段階から、わずかな判断ミスで大きな代償を払うことにもなりかねない。タイヤサプライヤーとしては、我々の製品の今後の開発のために、より多彩なデータを収集する機会になる。どんな競技であっても、我々は常に何かを学ぶ機会を得るもの。今季は、常にチャレンジングで、目を見張るようなラリー展開も多い激しいシーズンとなっている」

ラリージャパンで使用されるタイヤ
摩耗の激しいドライな路面や長いステージ向けのハードコンパウンド仕様、P Zero RA WRC HA(ハード)は28本、スリッパリーなドライターマックに向いているP Zero RA WRC SA(ソフト)は18本、ウエット用のCinturato RWBは12本を供給。規定によりラリー1マシンの各ドライバーが今回のラリー中に使用できるタイヤの本数は28本までで、これはシェイクダウン用の4本(コンパウンドはクルーが選択)を含む数。

WRC2部門の各マシンが使用できるタイヤの本数は、1台につきシェイクダウンを含み最大26本。配分は次の通り

P Zero RA5A:26本
P Zero RA7+B:18本
Cinturato RWB:12本

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