WRCセントラルヨーロピアン:ティエリー・ヌービルが再び首位に浮上。選手権重視のカッレ・ロバンペラが2番手をキープ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCセントラルヨーロピアン:ティエリー・ヌービルが再び首位に浮上。選手権重視のカッレ・ロバンペラが2番手をキープ

©HYUNDAI

2023年シーズンWRC第12戦セントラルヨーロピアン(ターマック)は、10月28日(土)に、3日目の6SSを走行し、ヒョンデのティエリー・ヌービルが首位を走行。26.2秒差の2番手にトヨタのカッレ・ロバンペラ、1分49秒1差の3番手にMスポーツ・フォードのオィット・タナックがつけている。

ラリー3日目は、ドイツ・パッサウのサービスパークを起点にオーストリアの「Schardinger Innviertel(15.72km)」と「Muhltal(27.15km)」、ドイツの「Knaus Tabbert Bayerischer Wald(11.88km)」を走行。昼間サービスを挟んで3SSをループする6SS、109.50kmとなる。コンディションは一部に濡れている箇所があるものの、ほぼドライとなった。

オープニングのSS9は、「昨日はカッレのペースについていけなかった」と振り返ったエルフィン・エバンスがベストタイム。1.3秒差のSS2番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)、トップのカッレ・ロバンペラ(トヨタ)は2.1秒差のSS3番手をマークした。前日のアクシデントで遅れたセバスチャン・オジエ(トヨタ)がSS4番手タイムを刻み、グラベルクルーの報告よりも荒れた路面を警戒し、ペースの上がらなかった勝田貴元(トヨタ)をかわして、総合5番手にポジションを上げた。

TOYOTA


SS10、首位のロバンペラがスリッパリーなセクションでスピンを喫し、20秒近くをロス。このステージでエバンスに3.8秒差の一番時計をたたき出したヌービルが、一気に10.9秒にその差を縮めてきた。「路面のどこにグラベルが乗っているかが分からないんだ。とにかく路面にとどまることを心がけるよ」と、ロバンペラは肩をすくめる。後方では「自分のノートを信じて走ることができていない」と語り、ペースの上がらない総合6番手の勝田に、テーム・スニネン(ヒョンデ)が2.7秒差にまで迫ってきた。

この日、唯一ドイツを走るSS11。総合3番手を走行していたエバンスが6.3km地点でマシンを滑らせ、まさかのクラッシュ。GRヤリス・ラリー1のフロントに大きなダメージを負っており、この時点でのリタイアを決めた。ただ、マシンは修復可能であり、再出走してパワーステージでポイントを獲得すれば、最終戦ラリージャパンまでタイトル獲得の可能性を繋ぎ止めることができる。

ドライバーズ選手権を争うエバンスの脱落を受けて、ロバンペラは無理なアタックはせず、ベストのヌービルから20秒以上も遅れた8番手タイム。首位の座をヌービルへと明け渡すことになった。「エルフィンは本当に残念だ。この状況でプッシュし続けるのは、あまりにも危険だった」と、ロバンペラはチームメイトを気遣った。

M-SPORT


首位ヌービルとロバンペラの差は11.1秒、総合3番手に順位を上げたオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)は1分19秒6差と大きく離れている。総合4番手にオジエが入り、このステージでヌービルに2.3秒差の2番手タイムでまとめたスニネンが、勝田を抜いて総合5番手へと順位を上げた。

パッサウでの昼間サービスを挟んだ午後のセクション。SS12はオジエがヌービルに1.5秒差のベスト。ロバンペラは勝田と同タイム、4.9秒差の4番手タイムで、首位ヌービルとの差は14.5秒に拡大した。グリップ不足に苦しんだスニネンをかわし、勝田が総合5番手のポジションを取り戻している。

SS13はオジエがタナックに0.1秒差のベストタイム。勝田はスニネンを1.9秒上まわるSS4番手タイムをマークし、その差を7.9秒に拡大している。この日を締めくくるSS14は、ロバンペラがヌービルに0.5秒差をつけて、この日初となるベストタイムを獲得。ヌービルは26.2秒というアドバンテージを握って、最終日に挑むことになった。1分49秒1差の総合3番手は、SS14でコースオフを喫しながらも、ポジションを守ったタナック。以下、総合4番手にオジエ、総合5番手に勝田、総合6番手にスニネンというオーダーで3日目を終えた。

TOYOTA


競技4日目はSS15〜SS18の4SS、SS走行距離は67.24km。オープニングのSS15は、日本時間10月28日の15時15分にスタートする。

WRCセントラルヨーロピアン SS14後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 2:18:34.5
2. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +26.2
3. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:49.1
4. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:20.2
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:47.9
6. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー1) +2:58.8
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:52.2
8. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +9:05.8
9. A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2) +9:12.3
10. E.リンドホルム(ヒョンデi20Nラリー2) +9:18.8



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