第12戦スペイン:明暗を分けたダスト – RALLYPLUS.NET ラリープラス

第12戦スペイン:明暗を分けたダスト

 

 ラリースペイン、デイ1は3本のステージをループする全6ステージで、その合計距離は160.36kmと非常に長い。SS2/5、SS3/6がミックスサーフェイスとなる。
 天気予報は雨の可能性を告げていたが、空に雲は少なく路面はドライ。本来ならば1番手走者であるローブにとって不利な走行条件であるが、彼のシトロエンDS3 WRCが巻き上げたダストは3分の間隔を経てもまったくおさまらず、2番手スターターであるミッコ・ヒルボネン以下の選手はまるで濃霧のような視界不良の中で走ることになってしまったのだ。

 SS1でトップタイムを刻んだのは唯一クリアな視界を満喫したローブ。フォードのふたりは「ダストでまったく前が見えず攻められなかった」と失望感を露にしたが、彼らの後方ではペター・ソルベルグ、ケン・ブロック、SWRCのオィット・タナックといった選手たちが早々にリタイアしてしまった。

 デイ1最終のSS6は日没後のスタート。夜になって風が止み、コース上に停滞するダストにライトが当たると視界はほとんどゼロとなる。最も良いコンディションで走行したローブが首位に返り咲き、2位ラトバラに30.6秒差を築いた。3位ヒルボネンは1位ローブから54.2秒遅れ、4位に浮上したオジエは1分45秒3遅れ、そしてステージ中でエンジンストールをきっし5位に落ちたソルドは2分00秒7遅れと初日にして挽回不能なほどの大差をつけられてしまった。

 長くつらい1日を終えた選手たちは午後10時前後にようやくサロウのサービスへと帰還。メカニックたちはそこからマシンをターマック仕様へとコンバートする75分の整備作業にとりかかり、サービスパークの灯は日付が22日(土)に切り替わってもしばらくの間は煌々と輝き続けた。



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