WRCスペイン:タナック「ここが腕の見せ所」プレ会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスペイン:タナック「ここが腕の見せ所」プレ会見

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCスペインのシェイクダウン後に行われたプレイベントカンファレンスの内容(抜粋)。激戦のドライバーズタイトル争いが続いているが、このスペインでついに確定のチャンスが浮上したオィット・タナック。セバスチャン・オジエ、ティエリー・ヌービルからの猛プッシュはもとより承知、今こそ本領を発揮する時と、いつも以上にモチベーションを高めているようだ。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
セバスチャン・オジエ=SO(シトロエン・トタルWRT)
ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
エルフィン・エバンス=EE(Mスポーツ・フォードWRT)

Q:オィット、スペインでは初めて、選手権タイトルを決めるチャンスが訪れる。このイベントを勝てば、君がチャンピオンになる。言うのは簡単だが、アプローチが変わることはあるか。どのように考えているか。ナーバスになっているか。
OT: もちろん、ナーバスになる部分はある。そういうシチュエーションだからね。いい走りをしたいというモチベーションが、さらに高まる。張りつめた週末になるよ。セブ(オジエ)とティエリー(ヌービル)は、言うまでもなく必死でハードにプッシュしてくる。自分たちもそれに応戦する。ここが腕の見せ所であることは間違いない。

Q:準備に関して、何か変化はあるか。動画をいつもよりも見たり、いつもと違うことを行ったか。あるいは、全くいつもと同じか。
OT:いつもと違う事をする必要はないと思う。今年はもう、6回勝っている。ここまでやってきた事を続けて行けばいい。戦いになることは間違いない。ウェールズでもそうだった。どのステージでもミークと戦い、ハードにプッシュしなくてはならなかった。そこに何の違いもない。

Q:自身でも語ったように、今年ここまで6勝。素晴らしい流れだった。振り返って、今シーズンの内容や、自分のパフォーマンスには満足しているか。
OT:もちろん、昨年よりはいい。新しいチームでまだ2年目だが、より多くの経験を積んだ。昨年は間違いなく、もっと難しかった。成長を続けたが、信頼性のトラブルが出続けていた。これで流れに乗り切れなかったし、一番厳しい部分だった。それ以外では、パフォーマンスと速さは出ていた。チームからもいいサポートを受けているので、今年はいい仕事をしたという手応えを感じる。

Q:契約にはまだサインをしていないようだ。ドライバーズタイトル争いに集中することで遅れているのか、他に理由があるのか。
OT:夏に言ったのと同じ、今後のことについて、いつもよりも時間をかけている。でも今は、そのことは置いておき選手権に完全集中したい。言うまでもなく、現状、自分にとっての最優先事項だ。まずは仕事を終わらせて、自分が完璧な状態であると確信できたら、考え方もまとまる。他はそれほど重要な事じゃない。

Q:セブ、選手権2位につけているが、大一番になりそうだ。オーストラリアまで選手権争いを持ち越すためには、大量ポイントが必要だ。君は絶対にあきらめない。一か八かのアプローチで行くのか。
SO:ほぼ、そうなるね。今回は、そのアプローチで行かなくてはならないラリーになると思う。オィットは表情に出ないから、オィットの気持ちを少し聞けてよかった。彼は、普通の生活をしている普通の人間だけど、時々、彼には感情はないのかとか、彼はロボットなんじゃないかとか心配になってしまう(笑)。そんな風に見えるからね。今、彼はいい位置につけているし、間違いなく自分のマシンを最大限に活かそうとしてくる。いずれにしても、この週末は、一か八かで攻めていかなくてはならない。

Citroen


Q:選手権争いに関してプレッシャーは感じるか。
SO:分からないね。負けるかもしれないという感じはいつもよりもしている。今、自分が有利な状況にあるとは言えない。ラリーでは、何が起きても不思議ではない。まだ60ポイント獲れる可能性がある。もし自分のチャンスが小さいとしても、まだチャンスはある。つまり、戦い続けるためには全てをやり尽くすしかないということだ。

Q:前回のターマック戦では、思うような戦いができなかった。C3のターマックでのパフォーマンスは前進したと信じているか。
SO:もちろん。ターマックに関して、必死に取り組んできた。ドイツでは、手出しできなかった。それは明らか。自分たちは前進したと言えることがうれしいよ。ようやく、このマシンで戦える。もっと速く走れるようになるよ。それを確信するためには土曜日まで待たなくてはならないが、その前に明日は重要な一日が待っている。例年、ここで大きく差がつくからね。トップリザルトを狙わなくてはならない。それが可能かどうかは分からないが、可能にできるための方法を見つけなくてはならない。

Q:きみが来年、どこで乗るのかが決まるのを待っている間は、かなりプレッシャーをかけているが、個人的にもオィットとは知り合いである立場から、来年、彼はどこに行くと思うか。
SO:僕の口から言わせたいの? この質問に僕が答えることなんて、できないよ。みんなと同じように、自分も決断にこれだけ時間がかかっていることに驚いているが、大切な理由があるはず。そのうち、答えが分かるだろう。2020年はもうすぐだ。

Q:ダニ、来季もヒュンダイから参戦することになったのは朗報だ。2020年も参戦できることになって、安心できるのでは。
DS:もちろん。もう1年、この選手権でこの仲間たちとラリーを続けられることになってうれしいよ。このチームが本当に好きなんだ。マシンにもハッピー。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:久しぶりにマシンに乗っても、すぐに好タイムを出せるようだ。
DS:今年は、走行順もいいので、いいパフォーマンスが出せる手応えを感じている。

Q:マニュファクチャラーズ選手権は、ヒュンダイとトヨタがわずか8ポイント差と、エキサイティングな展開になっている。今回のラリーでトップ争いをしなくてはならないというプレッシャーを余計に感じているか。
DS:No、と言いたいところだけど、Yesだね! マニュファクチャラーズタイトルをつかむために、みんながいい仕事をしたいと思っている。僕らにとって、とても重要な戦い。ベストを尽くすよ。自分たちは、とても強いチームだと思う。今は僕らが上にいるからね。

Q:エルフィン、ウェールズで戦線に復帰し、すぐにコンペティティブな戦いをしていた。まず、自分のドライビングが“錆びて”いなかったことには驚いたか。今回は、どんなリザルトを狙えると感じているか。

EE:少し、ビックリだったね。シェイクダウンのスタートでは、いつもの感じではなかったと言える。ウェールズでのフィーリングには満足しているが、残念ながら自分たちのミスでトップリザルトを狙う事はできなかった。でも、ペースが戻ってきた事はよかったよ。

M-Sport


Q:昨年は路面が分かれたイベントでいいリザルトを出していた。グラベルからターマックへ、かなり迅速にスイッチできていたようだ。今回、ポディウムは狙っているか。
EE:いつも目指しているよ。マシンは、どちらの路面でもいい動きをしている。自分がどこまで行けるか、楽しみにしている。

Q:今季は、欠場はあったがいい内容になっている。欠場前までは、選手権4位につけていた。来年、またMスポーツ・フォードから参戦するという自信はあるか。
EE:どうなるか、まだ分からない。全ては決まっていない。今は、ベストの仕事ができるよう集中しているよ。

以下、記者席からの質問

Q:オィット、火曜日は激しい雨が降ったが、ネガティブまたはポジティブな影響はあるか。
OT:ステージを走った後、セーフティクルーから最新情報をもらったところ。ほとんどはドライのようだ。少し湿っていてくれたら良かったが、ドライらしい。

Q:今回が、WRCでの最後のミックス路面となる。このフォーマットは好きか。選手権に、ミックス路面が一戦は必要だと思うか。
OT:いいと思うよ。このラリーは独特だ。ミックス路面というアイディアは、自分は1年に1回あるのは悪くないと思う。シーズンの中でも、ベストの一戦だ。
SO:同感。このチャレンジは大好きだ。選手権にこのようなラリーが一戦あるのは、面白い。戻ってきて欲しいね。スペインは誰にとっても大きなマーケットだと思うし、たくさんのファンが観戦に来てくれる。
DS:主催者は選手権に戻ってくると決めたはずだと思う。来年は、このラリーはホリデー。そして戻ってくる。
EE:自分はいつも、選手権の他のグラベル戦と同じような感じだと言っている。でも、ターマックは自分にはかなり独特に感じる。要望があるなら、オールターマック戦でもいいかもしれない。今のフォーマットも面白いよ。



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