WRCセントラルヨーロッパ事前情報:4月以来のターマックラリーは3年目の三カ国開催 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCセントラルヨーロッパ事前情報:4月以来のターマックラリーは3年目の三カ国開催

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCは今週開催される第12戦セントラルヨーロピアンラリー(CER)から、舞台を再び舗装路面に戻す。ターマックラリーは、4月のラリーカナリア諸島以来。

ドイツのパッサウを拠点とするCERは、シリーズ唯一の三カ国開催。ドイツ、オーストリア、チェコにステージが設定される。このため、舗装路面といっても多彩で、グリップや性格もそれぞれに異なる。高速でリズミカルな郊外の道から、すぐに木々の下にある狭くテクニカルな区間に変わることも。コーナーには泥や砂利が散らばっていることが多く、グリップレベルの判断が重要となる。百戦錬磨のトップドライバーたちでも、純粋なアスファルト路面というよりむしろ未舗装路ラリーのような感覚を覚え、適切なタイヤ選択、サスペンション設定、そして総合的なアプローチを確保するため、全スキルを駆使することが求められる。

ドライバーズ選手権では、WRC8冠のセバスチャン・オジエが首位に浮上。トヨタのチームメイト、エルフィン・エバンスがわずか2ポイント差で続き、同じくトヨタのカッレ・ロバンペラはオジエに21ポイント差の3番手で続く。

フォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクで争われるジュニアWRCは、このCERが今季最終戦。ダブルポイントが与えられることから、5人にタイトルの可能性が残されている。テイラー・ギルが100ポイントで首位、2番手のミーレ・ヨハンソンは86ポイントとなっている。

■路面とタイヤ
CERは一見、オールターマックラリーのようだが、今季、これまでにWRCのクルーたちが挑んだ唯一のターマックイベント、ラリーカナリア諸島とはほとんど共通点がない。 北半球の秋に開催されるCERのステージは通常、気温が低くて湿っており、常にグリップレベルが変化する。主催者は多くのコーナーにカット防止のためのガードを置いているが、泥やルーズな石が前走車によってラインに掻き出されるのは避けられない。路面コンディションは変化しやすく、ドライバーが視覚だけで正確にグリップを判断することは難しい。セーフティノートクルーは、競技車両よりも数時間早くステージを通過し、ステージの状況をリアルタイムで報告する。この修正情報の正確さが、ステージウイン、ペースの遅れ、あるいはコースアウトの分かれ目となる。

ハンコックがこのイベントに供給するタイヤは次のとおり。
RC1
ソフト Ventus Z215 WRC7 本数:28本
ハード Ventus Z215 WRC3 本数:18本
ウエット Ventus Z210 WRC5 本数:12本

RC2、RC3
ソフト Ventus Z215 WRC7 本数:26本
ハード Ventus Z215 WRC3 本数:18本
ウエット Ventus Z210 WRC5 本数:12本

■ラリーデータ
開催日:2025年10月16日〜19日
サービスパーク設置場所:パッサウ、
総走行距離:1457.55km
総ステージ走行距離:306.08m(SS比率21.0%)
総SS数:18

アイテナリー
https://app-cdn.sportity.com/1b696dae-bfe3-492d-a957-c944ac1feb5c/bfb14966-eb82-4133-970e-ec2220dd20c1_Itinerary%20V3.pdf

■鍵となるステージ
SS16/18 Mühltal (26.52km)
昨年は設定されなかったミュールタールが、今年は再びパワーステージとして戻ってくる。2023年に設定された時には、泥や石がラインに掻き出されてグリップレベルが不安定になるため、ドライバーが正確にグリップを把握することが難しい状況となっていた。今年も、日曜日に最大ポイントを獲得するためには、セーフティノートクルーからの情報が肝となる。このステージで使われるほとんどの道は、ワイドでオープン。ドライなら基本的にはグリップレベルは高いが、ウエットになればラインを外したりタイヤを路肩に落としてダメージを受けないよう注意が必要となる。レーシングタイヤで走行するため、湿った芝生ではグリップはほとんど得られないと見られる。2023年に設定された際の中盤セクションは削除され、前身イベントの3ステイツラリーで使用されていたペイルステインのステージの一部が追加されている。

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#1)
アドリアン・フルモー(#16)

[Mスポーツ・フォードWRT]
グレゴワール・ミュンステール(#13)
ジョッシュ・マカリアン(#55)

[トヨタ・ガズーレーシングWRT2]
サミ・パヤリ(#5)

■過去のWRCセントラルヨーロッパ優勝者
2024年 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1)
2023年 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)



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