
©TOYOTA
WRC第11戦ラリーチリ(グラベル)で、WRC2タイトル確定のチャンスを握っているオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2)。ソルベルグが優勝すればシンプルにタイトルが決まるが、選手権ライバルが相次いでリタイアを喫し、状況は一気にソルベルグ有利となっている。
ランキング2番手でチリを迎えたヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)は、SS5での激しい着地の影響でステージフィニッシュ後にオイル漏れが発生。リエゾンで必死に修復に努めたが、続行を断念した。
「メカニカルトラブルでリタイアなんて、この5年なかったのに。これでタイトルは終わった」とロッセルは肩を落とした。
また、このSS5では、ランキング5番手のガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2)も、エンジントラブルによりリタイアを喫している。
ロッセルは自身のタイトルチャンスを残すためには、このチリでソルベルグを11ポイント上回る結果を残さなくてはならず、グリーンスミスは優勝が必須だったが、いずれも望みが断たれてしまった。
これで、ソルベルグのタイトル確定を阻止できるのは、ニコライ・グリアジン(ファビアRSラリー2)のみとなったが、優勝以外に望みはない。そのグリアジンは、SS3でスピンを喫し、この日は部門トップに立ったソルベルグに10.4秒差の2番手で折り返している。
タイトルに大きく前進したソルベルグは「午後最初のステージはタイヤの摩耗が激しかったので、負荷を与えないように走った。この日最後も同じ。まだ、グリアジンがいるし、彼は今日すごく速かった。走行順もいいから油断はできない」とソルベルグは振り返った。