WRCサルディニア:トヨタのセバスチャン・オジエは首位を堅守して最終日へ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCサルディニア:トヨタのセバスチャン・オジエは首位を堅守して最終日へ

©TGR WRT / McKlein

WRC第6戦ラリーイタリア・サルディニア(グラベル)は6月7日、競技初日、SS7〜SS12を走行し、トヨタGRヤリス・ラリー1勢では、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが首位を守って最終日を迎える。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンも、それぞれ3番手、4番手まで順位を上げた。TGR-WRT2からサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンは総合5番手と健闘を続けている。勝田貴元/アーロン・ジョンストンはこの日も波乱続きの展開となったが、総合7番手の座をキープした。

なお、トヨタGRヤリス・ラリー2でエントリーしているTGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀はRCクラス14番手にポジションアップ。小暮ひかるはこの日を再スタートし、同31番手でこの日を終えた。

(以下、発表リリース)


WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ2
首位オジエが3本のベストタイムでリードを拡大
好調のロバンペラは総合3位に順位を上げる

6月7日(土)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」の競技2日目デイ2が、サルディニア島北東部、オルビアのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が首位を守り、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合4位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合7位につけました。また、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は、総合5位につけています。

TGR WRT / McKlein

ラリー・イタリア サルディニアのデイ2は、オルビアの南西エリアで3本のステージを各2回走行。いずれもこのラリーの定番といえるクラシックステージで、6本のステージの合計距離は121.60km。3日間で最長のステージ距離を走る一日でした。天気は早朝こそ薄曇りでしたが、その後青空が広がり気温、路面温度ともに急上昇。気温は日中30度を越え、選手たちは荒れた路面だけでなく暑さとも戦いながらステージを重ねました。

デイ1の最終ステージ、SS6でベストタイムを記録して首位に立ったオジエは、デイ2オープニングのSS7でもベストタイムを記録。総合2位のライバルとの差を7.4秒に拡げました。続くSS8ではオィット・タナック(ヒョンデ)がベストタイムを記録。オジエは、パンクで大きく遅れた前走車が巻き上げた土煙で視界を奪われ大幅にタイムを失いましたが、その後救済タイムが与えられ首位の座を堅守。ただし、総合2位に順位を上げたタナックとの差は4.5秒とリードはやや目減りしました。しかし、午前中のループ最後のSS9で、オジエは2番手タイムのロバンペラより10秒も速いベストタイムを記録。オジエとタナックの差は15秒に拡がりました。

オルビアでのミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ステージは、午前中よりも路面コンディションが悪化。パンクのリスクとクルマへのダメージをいかに抑えるかも重要な要素となりました。そのような状況下、SS10とSS11でタナックがベストタイムを刻み、オジエはいずれも2番手タイム。ふたりの差は10.7秒に縮まりました。そして迎えたデイ2最終のSS12では、オジエが2番手タイムのタナックと0.4秒差のベストタイムを記録。11.1秒と差を僅かに拡げ、首位の座をしっかりと守り抜きました。

TGR WRT / McKlein

一方、デイ1で総合5位につけたロバンペラは、2番手タイムを2回、3番手タイムを3回記録するなど好調を維持。SS7でパヤリを抜き総合4位に、SS8では総合3位に順位を上げました。オジエとロバンペラがトラブルフリーで一日を終えたのに対し、エバンス、パヤリ、勝田はいずれもステージの途中でタイヤ交換作業を行なうことになりました。SS11ではエバンスとパヤリがクルマを停めダメージを負ったタイヤを交換。その過程でエバンスがパヤリを抜き総合4位に順位を上げ、パヤリは総合5位に後退しました。また、横転を喫しながらもデイ1で総合7位につけた勝田は、SS8で総合6位にポジションアップ。しかし、SS10で右フロントタイヤにダメージを負い、ステージ途中でのタイヤ交換により総合10位に後退しました。その後勝田はSS11で3番手タイムを、SS12で4番手タイムを記録するなどして順位を挽回し、総合7位でデイ2を終えました。

TGR WRT / McKlein

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
今日の結果には満足しています。厳しいコンディションでの戦いの中、今日も多くのドラマがあり、我々も数名のドライバーがステージの途中でクルマを止めざるを得ませんでしたが、幸いにも私たちの順位にはそれほど大きな影響はありませんでした。今日のセブのパフォーマンスはとても素晴らしく、非常にうまくリードをコントロールしていました。ただし、まだ何も決まってはいません。日曜日は新しいステージがありますし、各ステージとも1回目の走行が結果に大きく影響する可能性があるため非常に重要です。カッレは3位まで順調に順位を上げ、エルフィンもそのすぐ後ろにつけています。2人は明日、できるだけ多くのエクストラポイントを獲得するために頑張ることでしょう。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今日は、いつものサルディニアのようにタフなコンディションでした。私たちは良いフィーリングを感じながら、良いペースで走り、トラブルを避けようとしていました。今日の午後のパンクは望んでいたものではありませんでした。岩が多く転がっている場所を避けようとしたのですが、そのせいで状況をさらに悪化させてしまいました。しかし、サミが私たちよりも多くタイムを失ったため、順位を1つ上げることができました。4位は決して悪い順位ではありませんが、明日はさらに多くのポイントを獲得することに集中します。前を走るドライバーたちのペースはかなり速いので、きっと簡単ではないと思いますが、頑張ります。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
昨日の午後から感じていた良いフィーリングが今日も続き、より良い出走順と組み合わさったことで、ステージの1回目の走行から大きな違いが生まれました。驚くべきことに路面は午前中から既に荒れていたので、午後も厳しい展開になるだろうと予想していましたが、まさにその通りでした。多くのサプライズがあったので、問題なく一日を終えることができて良かったです。明日の新しいステージはきっと簡単ではないでしょうし、再びコンディションが荒れる可能性もありますが、できる限り頑張ります。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)

TGR WRT / McKlein

今日の自分たちの戦いかたには満足しています。昨日よりも荒れているセクションが多く、とくに午後はそうだったので、長く苛酷な一日でした。リードは決して大きくはありませんが、必ず守り抜きます。オィットとの戦いはいつだって楽しいですし、彼が常に全力でプッシュすることは分かっているので、明日勝つためには最大限の力を発揮しなければなりません。明日は新しく難しいステージが待ち構える長い一日です。きっと激戦になると思うので、可能な限りしっかりと準備をして臨む必要があります。ポイントを獲得するために全員がハードにプッシュすると思うので、きっと見応えのある戦いが繰り広げられるでしょう。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
今日はクルマに良いフィーリングを感じることと、異なるセッティングをいくつか試すことに集中しました。残念ながら午後の最初のステージでクルマを停めてタイヤを交換しなければなりませんでしたが、その後はペースがかなり良く、クルマに自信を持って運転することができました。今日の自分の出走順から、あのようなタイムを出せるとは思っていませんでした。明日のステージは今日とは少し異なるため、セッティングとドライビングの適切なバランスを見つける必要があります。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
今朝はカッレとトップ3の選手たちが激しくプッシュするだろうと予想していました。自分自身のフィーリングは悪くなかったのですが、少し安全方向に寄せ過ぎたと思うので、もう少し速く走れたかもしれません。それでも午後は良いペースで走ることができていたのですが、パンクを喫してしまいました。最初は慎重に走り続けようと試みたのですが、次第に異音が大きくなっていったので、クルマにダメージを与えないようにタイヤを交換することにしました。とはいえそれほど悪い結果にはならず、エルフィンと順位が入れ替わっただけです。最後のステージは注意深く走りましたが、明日は再び良い流れに乗れることを願っています。

TGR WRT / McKlein

ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h32m38.9s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +11.1s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +55.5s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +4m33.3s
5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +4m56.3s
6 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m59.6s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +6m11.4s
8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m19.5s
9 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +6m36.6s
10 ラウリ・ヨーナ/サム・ヴァーレリ (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m48.1s
(現地時間6月7日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
ラリー最終日となる8日(日)のデイ3は、サービスパークの北側および南側エリアで、2本のステージを各2回走行。そのうち、オルビアでの最終サービスを経て行われる最終ステージのSS16「ポルト・サン・パオロ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが付与される「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は77.78kmと3日間で最短。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は265.27kmとなります。



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