全日本ラリー高山:初日、ヘイキ・コバライネンが燃料系のトラブルに見舞われながらも首位快走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー高山:初日、ヘイキ・コバライネンが燃料系のトラブルに見舞われながらも首位快走

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2023年シーズン全日本ラリー選手権第8戦「第50回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2023」の初日は、10月14日(土)に 6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が、勝田範彦/木村裕介(トヨタ・GRヤリスJP4-ラリー2)に、5.2差をつけて初日トップに立った。45.5秒差の3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

北海道を舞台とするグラベル2戦を経て、全日本ラリー選手権はシーズンのフィナーレの舞台、ターマックのハイランドを迎えた。サービスパークは岐阜県高山市の「高山市位山交流広場」に置かれ、ワイドな中高速からツイスティなセクションまで、バラエティに富んだステージ構成が特徴となる。10月半ばの高山は天候が不安定であり、日曜日に雨の予報も出ている。

ラリー初日は「牛牧下り(6.20km)」、「あたがす(9.54km)」、「アルコピア-無数河(6.08km)」の3SSをサービスを挟んでループする6SS、43.64km。ラリーは14日の午前8時に旧「ひだ舟山スノーリゾートアルコピア」でのセレモニアルスタートを実施し、6.20kmを走るSS1へと向かった。

SS1でベストタイムを刻んだのは、グラベル2戦で思うように戦えずフラストレーションを溜めていたコバライネン。2.4秒差の2番手に勝田、12.6秒差の3番手に福永、14.0秒差の4番手に新井敏弘/保井隆宏(スバルWRX S4)、15.0秒差の5番手に新井大輝/金岡基成(プジョー208ラリー4)が続く。

このまま順調にリードを広げるかと思われていたコバライネンだったが、続くSS2でエンジントラブルが発生。ベストの勝田から11.5秒も遅れ、9.7秒差のクラス2番手にポジションを落とすことになった。「燃圧系のトラブルだと思う。エンジンがカットオフして、パワーが出なくなってしまった」とコバライネンは肩を落とした。SS3はエンジンが復活したコバライネンがベストタイムをマーク。午前中のセクションを終えて首位勝田とコバライネンの差は7.3秒となった。3番手につける福永はハンドブレーキにトラブルを抱えたうえ、SS3ではオーバーシュートも喫しており、25.1秒差のクラス3番手と優勝争いから後退している。

サービスでトラブルへの応急措置を施したコバライネンは、午後の3ステージで3連続ベストをたたき出し、SS1以来となる首位に浮上。特にSS6では6.08kmのステージで勝田に6.2秒差をつける圧巻のタイムを刻んだ。「燃料ポンプのトラブルに関しては、多めに燃料を搭載することで回避することができた」と、コバライネンはステージフィニッシュ後に笑顔を見せた。

5.2秒のアドバンテージを握るコバライネンだが、「首位で初日を終えられたけど、ノリさんもクルマもかなり進化していると感じた。テストをしたことで、かなりバランスが良くなったんだと思う。明日は6本タイヤが残っているし、雨が降ったとしても問題ないはずだ」と、勝田の進化を警戒する。

僅差の2番手につける勝田は「午後はプッシュしましたが、差を縮められて、アドバンテージがどんどん削られてしまいましたね。極め付けがSS6で、結構な差をつけられてしまいました。フィーリングは悪くないし、手応えは感じているんですが、もっと速くなる必要がありますね。老体に鞭を打ちますよ(笑)」と、悔しさをのぞかせた。

45.5秒の3番手は、午後も上位ふたりのペースから一歩遅れた福永。新井敏弘をSS4でパスした新井大輝が4番手に順位を上げた。ただ、ふたりの差は1.7秒と、最終日も僅差のバトルが続きそうだ。JN-2クラスは、全SSでベストタイムを刻んだ奴田原文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス)が、横尾芳則/穴井謙志郎(トヨタGRヤリス)に46.5秒の大差をつけて首位を快走している。



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