WRCチリ事前情報:2019年以来2回目の開催、今季最後のグラベルラリー – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCチリ事前情報:2019年以来2回目の開催、今季最後のグラベルラリー

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WRCは今週、全13戦中の第11戦を南米大陸で迎える。ラリーチリ・ビオビオ(グラベル)は、初開催の2019年以来、2回目となる。チリでの開催は4年ぶりとなるが、今回はルートのほとんどが新しくなったため、試練が加わることになる。

2023シーズンのグラベルラリーは、このWRCチリが最後。さらに、ドライバーズ、コ・ドライバーズ、マニュファクチャラーズ選手権タイトルの争いも佳境を迎えている。WRC2、WRC3もタイトルはまだ決まっていない。

チリのグラベル路はスムーズだが、速度域が高くキャンバーがついているため、ひと筋縄では攻略できない。南米の初春で特に朝早い時間帯は気温が低くなることも懸念要素のひとつだ。ラリーの拠点は、チリの首都サンティアゴから500km南下した港町、コンセプシオンとなるが、ラリーのスタートはコンセプシオンから南東に130km移動したロス・アンヘレスで迎える。

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今夏のWRCチリには、55台がエントリー。ラリー1が10台、ラリー2が21台、ラリー3が2台、ラリー4が18台、ラリー5が3台という内訳になっている。ラリー2マシンのうち、18台がWRC2にノミネートしている。

■ラリー1マシン勢エントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT:ドライバーズ選手権で首位に立つ2022年チャンピオン、カッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンスとともに、勝田貴元がマニュファクチャラーズ選手権のポイント対象としてノミネート。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:ダニ・ソルドと3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドをシェアするテーム・スニネンが、ラリー1マシンでの3度目の参戦に挑戦。2019年のWRCチリでは5位でフィニッシュしている。同年、6位に入ったエサペッカ・ラッピ、ティエリー・ヌービルというラインナップ。

Mスポーツ・フォードWRT:地元チリ出身のアルベルト・ヘラーと、ルクセンブルクのグレゴワール・ミュンステールが、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1で、ラリー1マシンでの初参戦に臨む。オィット・タナック、ピエール-ルイ・ルーベとともに、Mスポーツ・フォードは、今回のチリで4台のラリー1マシンを走らせる。

■サポートカテゴリーエントリー状況
WRC2部門は、選手権首位に立っているアンドレアス・ミケルセンがチリをスキップすることから、ヨアン・ロッセル(PHスポーツ、シトロエンC3ラリー2)、ガス・グリーンスミス、サミ・パヤリ(いずれもトクスポーツWRT、シュコダ・ファビアRSラリー2)がポイント差を詰めることを狙う。またチリからホルヘ・マルチネスなど8人、南米各国から3人がWRC2にエントリーしている。

WRC3では、パラグアイのディエゴ・ドミニゲスとルーペ・コルホネンが首位を争っている。コルホネンは今季、タイトル争いにカウントされる最大数の4戦で勝利をマークしているが、チリには参戦しない。

■ラリールート

TOYOTA

ルートは高速だがテクニカルな16SS・320.98kmとコンパクトな構成。ステージはコンセプシオンの東部、南部、南東部のエリアに設定される。9月28日木曜日に5.75kmのコースでシェイクダウンを行った後、ラリーの一団はこの日夕方にロス・アンヘレスで開催されるセレモニアルスタートに向かう。金曜日は、コンセプシオンでのサービスを挟んで3ステージを2ループ。Rio Claroは23.32kmとループの最長ステージとなる。土曜日も、サービスを挟んでコンセプシオンの南部を走る3SSをリピート。ループの3本目、Maria de las Crucesはラリー最長の28.72kmで、太平洋を眺めながらフィニッシュを迎える。Rio Liaは、2019年から唯一、変更のないステージ。日曜日は、2SSを2ループする4SS。El Ponen(13.86km)の2回目はパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2023年9月28日〜10月1日
サービスパーク設置場所:コンセプシオン
総走行距離:1239.43km
総ステージ走行距離:320.98km(SS比率25.89%)
総SS数:16

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
エルフィン・エバンス(#33)
勝田貴元(#18)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
エサペッカ・ラッピ(#4)
テーム・スニネン(#3)

[Mスポーツ・フォードWRT]
オィット・タナック(#8)
ピエール-ルイ・ルーベ(#7)

■2019年ラリーチリ最終結果
1 O.タナック/M.ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC) 3:15:53.8
2 S.オジエ/J.イングラシア(シトロエンC3 WRC) +23.1
3 S.ローブ/D.エレナ(ヒョンデi20クーペWRC) +30.2

■近年のウイナー
2019年 O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC)



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