WRCアクロポリス:ロバンペラ今季3勝目、僅差の2位争いはエバンスに軍配 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCアクロポリス:ロバンペラ今季3勝目、僅差の2位争いはエバンスに軍配

©TOYOTA

2023年シーズンWRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)は、9月10日(日)に最終日の3SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが今シーズン3勝目を獲得した。接戦となった2位争いはトヨタのエルフィン・エバンスが制し、3位にヒョンデのダニ・ソルドが入った。

競技最終日のルートは、ラミア北西に位置するふたつのステージを使用する3SS、41.37km。「SS13 Tarzan(23.37km)」を走行したあと、「SS14/15 Grammeni(9.00km)」を走行する。首位のロバンペラは、前日の最終SSで僚友セバスチャン・オジエがデイリタイアを喫したことで首位に浮上。総合2番手のソルドに2分04秒4の差をつけてラリー最終日を迎えることとなった。また、ソルドと総合3番手のエバンスとは5.0秒差と、最終日に向けて緊張感の高いバトルが期待された。

HYUNDAI


オープニングステージとなるSS13は、この日最長のSS。ところどころに水たまりはあるものの、おおむねドライコンディションの林道ステージだ。ここではエバンスがベストタイムをマーク。SS2番手のソルドに9.0秒の差をつけて一気に逆転、これでエバンスが総合2番手、ソルドが総合3番手となった。しかしふたりの差は4.0秒と、依然として予断を許さない状況であることに変わりはない。

SS14はソルドがベストタイムをマーク。しかしエバンスも1.3秒差のSS2番手タイムで続き、2.7秒差でからくもリードを守ることに成功。ふたりの差は2.7秒となり、決着は最終SSへと持ち越されることとなった。ラリーリーダーのロバンペラはそれまでのマージンを活かし、リスクを避けた確実な走りでパワーステージに向けた準備を着々と進めている。

そして迎えた最終ステージは、SS14の再走となるSS15。WRC2の上位勢からアタックを実施する。WRC2は首位を行くアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)と、同じくファビアRSラリー2を駆るガス・グリーンスミスの一騎打ちに。7.7秒差を追いかける2番手のグリースミスは暫定SS2番手タイムをマークして、WRC2の2位以上を確定。首位ミケルセンの走行を待つことに。ミケルセンはグリーンスミスのタイムを上まわり、暫定SS2番手タイムを更新。WRC2で今季3勝目を飾った。

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ラリー1勢は、ヒョンデのティエリー・ヌービルからスタート。ヌービルは暫定ベストタイムをマークし、これが上位陣が目指すベンチマークとなる。続いてコースインしたオジエは暫定SS2番手タイム、勝田も暫定SS3番手タイムとなり、これで総合6位以上を確定させた。その後はヒョンデのエサペッカ・ラッピ、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが次々と暫定ベストタイムを更新。注目のソルドはSS暫定2番手タイムをマークして、エバンスの走行を待つことに。そのエバンスは渾身の走りでタナックがマークした暫定ベストタイムを0.1秒上まわり、2位以上を確定。最終的にソルドとの差を4.2秒に広げてフィニッシュした。上位陣最終走者のロバンペラは、エバンスの暫定ベストタイムを2.5秒も上まわる一番時計をたたき出し、今シーズン3勝目、WRC通算11勝目を獲得した。

これで最終SS終了時点での総合順位は、ロバンペラ、エバンス、ソルド、タナック、ラッピ、勝田というトップ6。パワーステージはロバンペラ、エバンス、タナック、ソルド、ラッピがトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得することとなった。この第10戦までを終えて、ドライバーズランキングは首位ロバンペラが200点、エバンスが167点、ヌービルが134点、タナックが119点、オジエが99点というトップ5。マニュファクチャラーズランキングは、トヨタが430点、ヒョンデ339点、Mスポーツ・フォードが220点となった。

TOYOTA


次戦は9月28日〜10月1日に開催される第11戦チリ。中南部のコンセプシオンを拠点として行われるグラベルラリーであり、2019年以来の開催となる。初のWRC開催となった19年はトヨタのオィット・タナックがラリーを制している。

WRCアクロポリス 暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 3:00:16.7
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:31.7
3. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +1:35.9
4. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +4:28.4
5. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +6:22.3
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +7:20.9
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:41.0
8. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:51.3
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +11:07.0
10. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +11:43.4



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