ERCズリン:ヤン・コペッキーが首位、タイトル王手のヘイデン・パッドンは5番手発進 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCズリン:ヤン・コペッキーが首位、タイトル王手のヘイデン・パッドンは5番手発進

©@World / Red Bull Content Pool

ERC第7戦チェコラリー・ズリン(ターマック)は8月18日にチェコのズリンで開幕。この日は、ズリンで9.57kmのスーパーSSを走行した後、19日は3SSを2ループする6SS・98.46kmの走行が行われ、何度も首位が入れ替わる混戦の中、地元チェコの強豪ヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアRSラリー2)がトップに立った。

序盤は、エリック・カイス(ファビアRSラリー2)が首位に立ったが、SS5の前に、短いにわか雨が降ったことがカイスに不利に働いた。
「先頭走行による不利があるとすれば、この時だった」とSS5を終えて語ったカイスも、チェコ出身。
「前半は完全にウエットで、後半は完全にドライだった。外の気温は35度でどんどん乾いたので、自分たちよりも後に走ったクルーは、道にほぼ水がない状態で走れたと思う」

2013年にERCタイトルを獲得しズリンでは10回の勝利を誇るコペッキーは、12.73kmのこのステージをドライコンディションで走れたことで、ここで4.3秒差をつけての首位に立った。
「少し湿ってマディな場所が2、3ヶ所あったので、自分よりも前に走った車両は、もっと湿っていたと思う。でも、自分は今、プッシュをかけているし、マシンの動きもいい。自分が思っていたほどではないが、それ以外は完璧だ」とコペッキー

カイスの流れはここから悪化し、午前の1回目に右コーナーでワイドに滑りバンクにヒットしていた次のステージでは、スタートから1.5kmの高速左コーナーでグラベルに覆われた場所でワイドに膨らみ、左フロントタイヤを破損。1分半近くの遅れを喫して、この日を終えることとなった。
「自分のミスだ」とカイスは認める。
「コーナーにたくさんグラベルがのっていて、速度が高すぎた。でも、これもレースだし、自分たちは今日は攻めたかった。チームには申し訳ない」

コペッキーもこのステージの3km地点の右コーナーで「リヤエンドが完全にディッチにはまった」と伝えており、ズリンに使用されたのは1994年以来というこのステージを「非常にトリッキー」と表した。しかし、カイスが優勝争いから脱落したことで、コペッキーのアクシデントは大きな痛手にはならず、このSS6ではトップタイムを叩き出してリードを12.1秒に広げた。ここで2番手に浮上したミコロス・チョモス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)も、ステージフィニッシュ付近で軽いスピンを喫している。ハンガリーのチョモスは、SS3でベストタイムをマークし、ここで首位に立つなど健闘を見せており、自身初のERC戦でのポディウム圏内につけてこの日を終えている。

金曜日のスーパーSSでトップタイムをマークしたサイモン・ワグナー(ファビアRSラリー2)が3番手、地元のアダム・ブレジック(ファビア・ラリー2 Evo)が4番手に続いている。

このズリンでタイトル確定のチャンスを迎えているヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)は、初参戦のズリンのステージでリスクを避けた走りを見せ、総合5番手につけて最終日を迎える。パッドンは、このままポジションを守り切って5位でフィニッシュできれば、最終戦を待たずに今季のERCタイトル獲得が決まる。
「現状、とてもポジティブなようだが、決まるまでは何も確証はされていない。自分にとってはとてもチャレンジングなラリーで、自分はバンピーとウエットというコンディションが嫌い。このズリンでタイトルを決めるための走りを目指す」とパッドン。

@World / Red Bull Content Pool

競技最終日となるレグ2は、3SSを2ループする92.40kmが設定されている。

ERCズリン暫定結果(レグ1終了時点)
1 J.コペッキー(シュコダ・ファビアRSラリー2) 1:02:39.1
2 M.チョモス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +14.9
3 S.ワグナー (シュコダ・ファビアRSラリー2) +28.7
4 A.ブレジック(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +41.2
5 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +42.8s
6 F.マレス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +46.9



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