WRCサファリ:オジエ「逆境の時こそ勝利を思い切り楽しめる」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:オジエ「逆境の時こそ勝利を思い切り楽しめる」イベント後記者会見

©@World / Red Bull Content Pool

WRCサファリ・ラリーケニアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。どのドライバーにとっても波乱の連続となった難関サファリ。信じられないほどの苦難に見舞われる中で、チームがトップ4フィニッシュを達成したことの価値を笑顔で語った。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Toyota Gazoo Racing WRT

1位ドライバー:セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
1位コ・ドライバー:バンサン・ランデ=VL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位ドライバー:カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位ドライバー:エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズーレーシングWRT、チーム代表)

Q:まずは勝者のセバスチャン・オジエ。毎回、冒険だが、今回は浮き沈みも多くまさにアドベンチャーだった。ラリーを総括してもらえるか
SO:もちろん、ものすごい週末だったと思うが、これこそサファリラリーとも言えるし、みんなが求めていた素晴らしいショーになったと思う。この信じられないようなリザルトに対して、たくさんの人を祝福したい。トヨタが再び1-2-3-4フィニッシュできたのは素晴らしいことだし、たくさん人たちの努力に支えられての結果だ。シーズンで最も過酷なラリーだし、そこで2年連続でトップ4を独占するのは本当に信じられないことなので、みんなの努力には脱帽だ。チームメイト、そしてもちろん自分のために素晴らしい仕事をしてくれたバンサン(ランデ、コ・ドライバー)に感謝したい。カッレ(ロバンペラ)とヨンネ(ハルットゥネン)は僅差の2位だったが、正直、この週末はずっと彼らからのプレッシャーを感じていたし、これぞ新しい世界チャンピオン、だからこそいつもトップリザルトを収めているのだ、ということをあらためて見せてくれた。そして、もちろんエルフィン(エバンス)もポディウムに上がった。この勝利を味わいたいと思うし、このラリーで起きたすべてのことで疲労困憊なので、実感するまで時間がかかるかもしれない。でも、逆境の時こそ、勝利をおおいに楽しむことができる。この1勝は間違いなく特別なものだし、内容にふさわしい勝利。今日は、自分はとても幸せだよ。

Q:逆境に立たされることが度々あったが、一番印象的だったことは
SO:いい面はたくさんあった。ペースは素晴らしかったと思うし、プッシュして差をつけたい時には、それができる状態にあった。でも、毎日、トラブルに見舞われた。デイ1はハイブリッド、デイ2はパンクが3回、最終日にはほんのちょっとの衝撃でテールゲートがなくなってしまった。あまりラッキーではなかったと思う。木にヒットしたのは自分のミスだが、一番大変だったのは、ラリーの最後から2本目のフェシュフェシュ区間。正直、お手上げ状態の中で走り抜けなくてはならなかった。それからひどいオーバーヒートのトラブルが始まったが、ステージはまだ距離がかなり残っていた。幸い、自分たちのエンジンは強く作られているので、終盤やパワーステージでは少しパワーが落ちたかもしれないが、それでも戻ってこられた。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:バンサン・ランデ、モンテカルロとメキシコで優勝し、今回はサファリでも勝った。どんな気分か
VD: ここまで、素晴らしいシーズンになっている。自分には信じられないよ。人生で3回ポディウムに上がったが、その3回が優勝なんだから、今はなんの文句もないね。本当にうれしいし、自分的にはモンテカルロとメキシコとこのサファリは、どれも一番重要なラリーなんだ。

Q:ドライバー陣からはこのラリーの厳しさを聞いているが、コ・ドライバーのシートではどんな感じか
VD:自分にとってもかなり大きなチャレンジだ。どこのラリーとも道が全然違うからね。ヘルメットの中で頭が揺さぶられて、道が見えなくてペースノートが読めない時もあった。だから、しっかりチェックしてペースノートを確認する時間が必要だった。ノートが動きすぎて、見えなかったからね。まさに試練だったよ。

Q:カッレ、選手権争いではポイント差を広げた。選手権争いが何より大切だと言い続けていたが、セブには特に日曜日の午前中はプレッシャーをかけ続けていた
KR:いい週末だったし、予定どおりに進んだ。週末を通して、ステディなペースを出せていた。無茶なリスクは負わなかったし、正直パンクもマシントラブルもなかったので、プランとしては速く走ることだった。それにもちろん、順位の前後に誰かがいればプレッシャーをかけ続けなくてはならないもの。だから、少しプレッシャーをかけてどうなるかを見ていた。

Q:最終日の午前、ステージタイムとスプリットでは、君に流れがあった。あれだけ差をつけられたことに驚いたか、それともセブが慎重だったのか、フランス人コンビを脅かそうというのがプランだったのか
KR:かなりラフなステージ(SS14)だったと思うが、ショートだしトラブルを避け切れればタイム差をつけられると思っていた。ラフコンディションでは、誰でも少し慎重になる。特別なことではないが、かなりいいタイムで少し差を詰めることができた。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:エルフィン、色々あったが、3位でフィニッシュし、選手権争いでも大きく前進した。満足しているか
EE:チームメイトに3分遅れでのフィニッシュだから、満足とは言い難いね。でも、自分たちはここに座っていて、選手権争いでもまずまずのポイントを獲れたのも事実。カッレはリードを広げたが、チームとしては素晴らしいリザルトだし、その役目を担えたのはもちろんうれしい。ハッピーになるのは難しいが、サファリラリーではもっと悪い結果も想定できたからね。

Q:この週末はどれだけ厳しかったか。ダメージもあったし、土曜日の午後にはストレートにブッシュに突っ込んだ場面もあった
EE:そうだね、マディな轍に何度かつかまったし、そこでクラッシュしそうにもなった。ウォータースプラッシュでもトラブルを抱え、デイ2はパンクにも見舞われた。色々なことが起きたが、最終的にここにいられてハッピーだよ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:ヤリ‐マティ、目の前にマニュファクチャラーズのトロフィーがある。今回もトヨタがサファリで1-2-3-4達成、どんな意味を持つか
JM-L:昨年、1-2-3-4を達成した時、何十年に一度かの勝利だと思っていたが、それが1年後にまた起きた。素晴らしいスタッフ、信頼性がある強いマシン、そしてクレバーな走りで、このイベントの歴史を理解して速さとラフな場所では抑えるメリハリのついたドライビングで耐え抜いたドライバーが揃ったチームだと言える。みんなに感謝しなくてはならない。

Q:前回のサルディニアを終えた時、トヨタは混乱していて色々なドラマがあったと言われていたが、今回は勢いを取り戻した。その間、本当に違うことは一切していなかったのか
JM-L:サルディニアは難しいコンディションだったし、ウォータースプラッシュがたくさんあって通常とは違っていたし、そうだね、改善の必要がある部分はあった。でも、もちろん、あそこのコンディションはひどかったと思うが、ケニアに向けてやウォータースプラッシュへのアプローチを学んだし、サルディニアでの唯一の問題はそれだけでマシンは強いことは分かっていたので、今回はそれを見せることができた。

Toyota Gazoo Racing WRT



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