WRCメキシコ:セバスチャン・オジエ「いつかミュージアムをつくりたい」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCメキシコ:セバスチャン・オジエ「いつかミュージアムをつくりたい」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCラリーメキシコのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。メキシコ勝利最多記録となる7をマークした、トヨタのセバスチャン・オジエ。これまでに受け取った「勝利者ブーツ」のほとんどを保管してあることを明かした。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Toyota Gazoo Racing WRT

1位ドライバー:セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位ドライバー:ティエリー・ヌービル=TN(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
3位ドライバー:エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズーレーシングWRT、チーム代表)

Q:セブ、メキシコでの7勝目、おめでとう。特製のウイナーズブーツをまた手に入れたね。これまでのものは、まだ全部持っているのか
SO: 正直言うと、ほとんどだね。ひとつはコリン(クラーク)にあげたと思うけど、まだみんな持っているよ。もちろん、普段履いたりはしないけど、自分は物を捨てることに抵抗があるんだ。収集することが好きだし、いつか小さなミュージアムを作れるかもと考えている。どうなるか分からないけどね。今回のは、カットが入ってなかったりで、脱ぐのが少しキツイね。これを履けるのはいい気分だよ。

Q:これまで6勝していて、どこでプッシュするか、抑えるかを熟知している。エサペッカ(ラッピ)とバトルになってプッシュを始めた時、ヒヤリとした場面はあったか
SO: 正直、金曜日は自分自身に集中していた。自分の走行順なら、コンペティティブに戦える状況が揃っていると分かっていた。落ち着きを保っていたし、エサペッカのタイムを見て、一番重要なのは自分自身に集中してクリーンにいい一日を過ごすことが重要だと思った。彼の方が速かった。それでも、あの段階ではビンセント(ランダイス、コ・ドライバー)に「まだ先は長いから、自分たちのアプローチを変えるべきではないと思う」と話した。マシンをうまくコントロールしたかった。残念ながら、彼が土曜日の最初のステージでコースオフしてしまった。あの戦いを続けたかったから、楽しくはなかったよ。彼とはチームメイトだった時もあって、いい仲間だったからね。あのようなことが起きたのは残念だが、これもラリーだ。あの段階ではもちろん、自分のアプローチは大きく変わった。より慎重になったが、それでも後続はそれほど離れていなかったし、一瞬でタイムをロスすることもあるから、リズムを維持しなくてはならなかった。うまく対応できたと思うが、イベント前の記者会見で危惧していたのは日曜日。最長ステージがあって週末で一番タフなループになると思っていたからだ。あのステージのフィニッシュラインを越えて、やっと少しリラックスできるようになった。

Q:パワーステージについて。これで選手権首位に立ったが、今季はスポット参戦のプログラムだ。予定以上にMr.オジエがイベントに参戦する可能性はあるのか
SO: その質問が来ると思っていたし、すでに何度も聞かれている。ここのパワーステージは、自分がすごく好きな場所。もう何度かベストタイムを出していると思う。 正直、グラベルで最後尾からスタートするのは、ちょっと有利だ。相応の走りができることは分かっていたし、プッシュすれば相応のポイントが獲れるチャンスがあると思っていた。5ポイント獲る必要はなかったが、次はターマック戦に出ることがわかっていたので、カッレやティエリーよりもスタート順が前になった方がいい。だから、ポイントを獲って次のラリーでいいスタート順を確保してもいいじゃないかと思った。チームのためにもいいと思ったしね。今回は自分自身がエンジョイして楽しむために参戦したが、トヨタのためにできる限りポイントを多く獲ることをも目標だった。

Q:次の参戦はクロアチア。チャレンジングなターマックイベントだが、なぜここを選んだのか
SO:今回はもう少しスムーズになっていて欲しいね。チームで共通の議論をした結果、決まったものだと思う。ターマックでの自分の走りを見てもらってきたし、チームにいい結果をもたらすことができるイベントだと判断した。あそこに参戦するために自分が選択する必要はないが、あそこにいけるのはうれしいよ。いい思い出があるし、またクロアチアを走る機会を与えられたのはいいことだ。

Q:ティエリー、2位争いは最終ステージまでもつれこんだ。エルフィン・エバンスと素晴らしいバトルが展開された。2位フィニッシュした気分は
TN:もちろん最高だよ。誰もが知っている通りエルフィンはあきらめなかったし、必死に戦っていた。大変なバトルになると思っていた。あそこのセクションはすごく難しかったし、すごく速いところもあった。いい速さを出せるところもあれば、キープするのに手こずるところもあった。どちらかがミスをしなければ、最後のステージまでもつれこむとわかっていたし、まさにそうなった。ロングステージに入った時、残り2本しかないことは分かっていたし、自分がよく知っているステージで差をつけるのが難しいことは分かっていた。それでも、エルフィンがトラブルに見舞われたので、自分にもわずかなチャンスがさらに生まれた。あの段階で、自分はパワーステージのためにタイヤをセーブしていたからね。そこに、エルフィンのトラブルがあった。もう攻めるしかない。それがうまくいった。

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Q:あのステージのフィニッシュであなたが話すまで、エルフィンのトラブルのことを知らなかった。ステージレポーターのオーディションを受けてもいいのでは
TN:彼がそれでも全開で走っているのを見て、本当に度胸があるなと思った。アームが破損して、タイラップなどを使って直していた。あまり自信がなさそうにしているのを感じた。でも、もし自分が同じ立場だったら自分の幸運を祈ると思うし、彼もそうして最後まで戦った。自分たちは、この週末の戦いを誇りに思っていい。この週末はセバスチャンを相手に戦った。ダニとエサペッカが、セバスチャンをもっと苦しめられていたらと思う。全体としては楽しい週末だったし、ドライブも満喫した。

Q:これで選手権争いは面白くなってきた。次のクロアチア戦をどれくらい楽しみにしているか
TN:そうだね、楽しみにしているよ。このラリーは2回開催されているけど、どちらも自分はリードしていた。1回目はタイヤチョイス、それからオルタネーターのトラブルがあったので、目標はもちろん優勝だ。でも、ライバルチームのラインナップを見れば簡単にはいかないことは間違いない。本当にエキサイティングなチャレンジになることを楽しみにしているよ。あそこの道は大好きだからね。すごくチャレンジングで、すごく楽しい。今回のように走りやすい感触が得られれば、またいいバトルになるよ。

Q:エルフィン、3位フィニッシュだ。パワーステージでかわされたが、午前中は本当に興味深い走りをしていた。ステアリングアームのトラブルはどこで発生したのか。どこで気付いたか
EE:ロングステージのフィニッシュ手前3kmのブレーキで、衝撃があった。それからステアリングが少しズレていると思ったが、あのようなことになるとはあまり予想していなかった。ちょっと落ち込んだね。あとは、自分たちができることをするしかなかった。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:メカニックとしての腕もいいことは、サービスパークでも有名だ。最後まで持たないと思ったか
EE:その通り、おそるおそるだったね。どっちに転んでもおかしくなかった。とにかく試してみようと思った。パワーステージは全開ではなかった。配慮しなくてはならないことがあった。イヤな深みやジャンプがあるかもしれないから、余計に気をつけなくてはならなかった。できる限り差を詰められないようにしていたが、2位をキープすることと、ノーポイントでは帰れないというせめぎあいだった。最終的に、0.4秒差だったからね!

Q:今回のパフォーマンスをどれくらい評価するか
EE:比較的ハッピーだが、完全に満足はしていない。もちろん、自分たちよりも速いチームメイトがいるので、完全にハッピーになることはできない。そういう意味では、ドライビングやマシンのフィーリングの面では正しい方向に流れが動いているようだ。チームのみんなは、ギリシャ以降、必死に取り組んできた。心から感謝しているよ。もちろん、まだ作業がすべて終わったわけではない。物事は常に改善している。

Q:次はターマックのクロアチア。どのように考えているか
EE:好きなラリーだ。素晴らしいステージもある。間違いなく簡単ではない。特に天候が優しくない時は、グリップ変化が厳しい。これまでいい走りをしてきたイベント。ここでは楽しみたいね。

Q:グラベルで大きなステップアップを果たした。今回の勝利にチームはもちろん喜んでいると思うが、チームの大きな一歩についても喜んでいるのでは
J-ML:もちろんだ。開発エンジニアは素晴らしい仕事をしてくれた。このイベントには懸念を抱えていたからね。昨年のギリシャやサルディニアではパフォーマンスを出せなかった。また、ドライバーたちが優勝争いをするためのマシンを準備することも、大変なことだ。こうしたリザルトを出すために正しい方向で正しいステップを踏んだ。ここにいられることは最高だし、エルフィンの3位フィニッシュも華を添えてくれた。カッレも4位でフィニッシュし、選手権争いとしてはいい結果だ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:これで選手権争いは僅差になった。エキサイティングな展開になっている
J-ML:その通り、3戦を終えてこんなに僅差のタイトル争いは、久しぶりじゃないかな。ドライバーたちが非常にハイレベルであることを示しているし、みんなにとっても非常に面白い状況になっている。

Q:3年ぶりのメキシコ、今回戻ってこられてよかったか
J-ML:もちろん。これまでよりも、少し人は少なかったかもしれない。選手権の常連イベントだったのが、3年空いてしまったからね。このメキシコは情熱的であることを知っている。それに本当にいいイベントだし、雰囲気もよく、ドライバーたちも楽しんでいる。難しいラリーだが、選手権にはこうしたイベントも必要だ。

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