WRCメキシコ:競技3日目を終えてトヨタのセバスチャン・オジエが首位を独走、前日首位のエサペッカ・ラッピはクラッシュ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCメキシコ:競技3日目を終えてトヨタのセバスチャン・オジエが首位を独走、前日首位のエサペッカ・ラッピはクラッシュ

©TOYOTA

2023年シーズンWRC第3戦ラリーメキシコは、3月18日(土)にラリー3日目の9SSを走行し、トヨタのセバスチャン・オジエが首位に浮上。35.8秒差の2番手にはトヨタのエルフィン・エバンス、40.1秒差の3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービルがつけている。前日コースオフからリタイアしたトヨタの勝田貴元はマシンを修復し、再出走を果たしている。

土曜日は、セレモニアルスタートが行われたグアナファト近郊にある、シエラ・デ・ロボス山脈周辺のステージが舞台。山岳ステージ3本と前日走った「Las Dunas Superspecial(SS9:3.70km)」を、レオンのサービスを挟んでループし、最後にサービスに隣接する「Rock & Rally SSS(SS19:1.30km)」で締めくくる9SS、126.52km。この日はラリー最長の1日となる。

金曜日を終えた段階で、首位に立ったヒョンデのエサペッカ・ラッピと、2番手につけるオジエの差は5.3秒。トップ2台から少し離れた30.1秒差の3番手にはエバンスがつけている。前日、リタイアしていたトヨタの勝田貴元、Mスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベとジョルダン・セルデリディスは、マシンを修復し再出走に回った。

SS11、この日もオープニングステージでドラマが起こった。スタートから10.01km地点、首位のラッピがマシンのバランスを崩して、コース脇の電柱に激突してしまう。ラッピのヒョンデi20Nラリー1はステージを塞ぐ形で大破。この時点で赤旗が出され、以降のクルーにはノーショナルタイムが与えられることになった。

このステージをベストでまとめたオジエは、エバンスを27.3秒差の2番手に従えて首位に浮上。38.9秒差の3番手にヌービル、1分1秒64差の番手にトヨタのカッレ・ロバンペラ、1分35秒1差の5番手にヒョンデのダニ・ソルドで続く。

HYUNDAI


前のステージにおけるアクシデントでの影響により、WRC2以降のクルーはSS12とSS13もキャンセルに。ラリー1勢のみの走行となったSS12とSS13は、ヌービルが連続ベストタイムを刻む。ヌービルは総合2番手を走行するエバンスにジリジリと迫り、その差を10.4秒とした。ラッピの脱落で十分なアドバンテージを得たオジエは、SS12が3番手タイム、SS13も2番手タイムとペースを落とすなくトップをキープしている。

3.53kmのSS14もヌービルが制して、3連続ベスト。サービスを前にエバンスとの差を8.7秒に縮めてみせた。一方、オジエは4.6秒差の10番手タイムと無理をせず、午前中のステージを終えて「エサペッカのアクシデントは本当に残念だ。昨日の彼は素晴らしいスピードを見せていた」と、ライバルの脱落を気遣っている。

主催者はラッピのアクシデントにより、電柱が転倒したSS15のキャンセルを決定。クルーはレオンのサービスを終えた後、SS16へと向かった。SS16「タイヤのことを考えて、スムーズな走行を心がけた」と語るオジエが、ヌービルに8.1秒差、エバンスに8.3秒差をつける圧巻の一番時計。総合2番手エバンスとの差を32.4秒と、大幅に拡大。SS17はヌービルが獲り、エバンスとの差は5.9秒と、いよいよその背中が見えてきた。

レオン近郊を走るショートステージのSS18、サービスパークに隣接するSS19は、前日のターボトラブルで大きく遅れたMスポーツ・フォードのオィット・タナックが連続ベスト。総合11番手まで順位を戻し、ポイント圏内に迫る。

M-SPORT


首位のオジエは、2番手エバンスに35.8秒のアドバンテージを確保したが、「今日は最初のステージでエサペッカがコースオフしたこともあって、少し違ったアプローチで臨んだ。あまりリスクを冒さず走ったけど、それでもいくつかのいいタイムを記録して、リードを広げることができた。明日はまだ長いから、気を抜くことはできない」と最終日に向けて慎重なコメント。

総合3番手のヌービルは、前を走るエバンスとの差を4.3秒差とし、最終日に2番手浮上を狙う。以下、1分33秒4差の4番手にロバンペラ、2分20秒7差の5番手にソルドがつけている。再出走にまわった勝田は、メキシコでの経験値を積むことに集中。「予想していたとおり難しい1日になりました。ステージはかなり厳しく、グリップもかなり低いので、正直あまり楽しむことはできませんでしたが……。それでも、とてもいい経験になりました」と、長い1日を振り返った。

TOYOTA


競技4日目はSS20〜SS23の4SS、SS走行距離は61.36km。オープニングのSS20は、日本時間3月19日の23時05分にスタートする。

WRCメキシコ SS19後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:35:37.6
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +35.8
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +40.1
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:34.0
5. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +2:21.2
6. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +10:33.4
7. A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2) +11:05.0
8. E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +11:11.0
9. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:52.2
10. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +12:54.3



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