WRCスウェーデン:競技2日目を終えてヒョンデのブリーンが首位に浮上、勝田はコースオフしリタイア – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:競技2日目を終えてヒョンデのブリーンが首位に浮上、勝田はコースオフしリタイア

©HYUNDAI

2023年シーズンWRC第2戦ラリースウェーデンは、2月10日(金)にラリー2日目の7SSを走行し、ヒョンデのクレイグ・ブリーンが、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックに2.6秒差をつけて首位に立った。11.2秒差の3番手にはヒョンデのエサペッカ・ラッピ、26.5秒差の4番手にはトヨタのエルフィン・エバンスが続いている。

金曜日のルートは、サービスが置かれたウメオの西部と北部にまたがる3SSをループする。25.81kmを走る新ステージの「Botsmark(SS4/SS7)」を含む3SSをサービスを挟んで再び走行し、初日にも使った「Umea Sprint」で締めくくる7SS、106.76km。

10.76kmを走行するSS1、路面上にはルーズスノーが残っており、先頭スタートのカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が失速。このステージでベストタイムを刻んだブリーンからキロ1秒以上も遅い、12.5秒差の8番手タイムに沈む。「ものすごく滑りやすかった。なんとかいいタイムで走れるよう頑張ったけれど、これ以上は無理だ」と、ロバンペラは肩を落とした。ヒョンデ復帰初戦のブリーンは8番手スタートを活かしてベストタイム。3.8秒差の2番手タイムにタナック、5.4秒差の3番手タイムにラッピが続く。今回が初のワークスエントリーとなった勝田貴元は、トヨタ勢最上位となる7.9秒差の4番手タイムをマークした。

Red Bull


この結果、首位にタナックが浮上。1.3秒差の2番手にブリーン、3.9秒差の3番手にラッピと、それぞれ順位を上げた一方、ロバンペラは7.1秒差の4番手に順位を落とした。さらに、5番手のエルフィン・エバンス(トヨタ)、6番手のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)、7番手の勝田が1秒差以内にひしめいている。

路面が凍結していたSS3(14.23 km)は、新雪の影響が少なくロバンペラがラッピに1.0秒差の一番時計。このステージで3番手タイムの勝田が、アンダーステアに苦しむヌービルとエバンスをかわし、総合5番手に順位を上げた。首位のタナックは2.2秒差のSS4番手タイム、ブリーンは2.8秒差のSS5番手タイムでまとめている。

この日最長距離の25.81kmを走るSS4、「とにかくハイスピードでしたが、スムーズな走行を心がけました」と振り返った勝田が、ジャンクションでタイムロスしたロバンペラに0.3秒差をつけて、今回初のベストタイムをたたき出した。午前中のセクションを終えた総合順位は首位にタナック、2番手ブリーン、3番手ラッピ、4番手ロバンペラ、5番手勝田のオーダーは変わらないものの、タナックと勝田までが7.1秒差と、僅差の展開が続いている。

サービスを挟んだ午後のセクション。1ループ目の走行で荒れたSSは、ブリーンが今回初のベストタイムを奪取する。タナックに9.8秒差をつけたことで、ついにブリーンがトップに躍り出た。総合4番手のロバンペラは、2周目の走行で深く刻まれた轍により大幅にタイムロス。このステージだけでベストタイムから21.3秒も遅れてしまう。このSSでは、総合5番手につけていた勝田がスタートから8.7km地点でスノーバンクに引っかかり横転。なんとかステージを走り切るが、マシンの冷却デバイスに大きなダメージを負っており、続くSS6の途中でリタイアを決めている。この結果、エバンスがトヨタ勢最上位の 総合4番手に浮上。以下ロバンペラが5番手、勝田のリタイアによりヌービルが6番手、ピエール-ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)が7番手と、ひとつずつ順位を上げた。

TOYOTA


SS6も首位のブリーンが連続ベストをマークし、このステージで細かいミスを繰り返した総合2番手のタナックとの差を10.5秒に拡大。しかし、続くSS7はタナックがベストを獲り返し、総合タイム差を6.4秒に縮めている。

この日を締めくくるのは、前日も行われた林道とスタジアムを組み合わせたSS8「Umea Sprint 2」。トラブルや走行順に苦しんだロバンペラが、SS3以来のベストタイムを手にした。タナックが0.5秒差のセカンドベストをマークした一方、ブリーンは4.3秒差のSS6番手タイム。これでブリーンとタナックの差は2.6秒と、一気に短縮された。それでも「間違いなく、今日はこれまでのスウェーデンで一番調子が良かったよ」と、ブリーンは久々の首位に笑顔を見せた。

ブリーンと11.2秒差の総合3番手は「さらに良くなる気がする」と振り返ったラッピ。厳しい1日となったトヨタ勢は、4番手にエバンス、5番手にロバンペラ。好調ヒョンデ勢で唯一苦しんだヌービルは、首位から36.8秒差の6番手につけている。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生は、大竹直生が首位から12分37秒9差の35番手、山本雄紀が12分49秒2差の36番手、小暮ひかるが17分49秒4差の41番手と、それぞれポジションを上げて2日目を走り切った。

競技2日目はSS9〜SS15の6SS、SS走行距離は126.22km。オープニングのSS9は日本時間2月11日の16時05分にスタートする。

WRCスウェーデン SS8後暫定結果
1. C.ブリーン(ヒョンデi20Nラリー1) 57:05.5
2. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2.6
3. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +11.2
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +26.5
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +31.1
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +36.8
7. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:16.2
8. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:56.8
9. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:09.8
10. J.フッツネン(シュコダ・ファビアR5) +3:31.9



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