【速報】WRCスウェーデン:オィット・タナックが今季初優勝。Mスポーツ・フォードは22年モンテカルロ以来の勝利 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCスウェーデン:オィット・タナックが今季初優勝。Mスポーツ・フォードは22年モンテカルロ以来の勝利

©M-SPORT

2023年のWRC第2戦スウェーデンは、すべての競技日程を終えて、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが優勝を飾った。2位にはクレイグ・ブリーン、3位にティエリー・ヌービルとヒョンデ勢が続く。トヨタの最上位はカッレ・ロバンペラの4位となった。

競技最終日に残されたステージは、SS16〜18のわずか3SS。オープニングステージのSS16走行後にサービスを挟み、残る2SSを走行する63.04km。距離は短いが、ここまで多くのドライバーがスノーバンクにヒットするなどタイムロスを喫する場面もあり、最後まで何が起こるかは分からない。競技3日目を終えた段階で、首位のタナックと2番手のブリーンは8.6秒差、3番手のヌービルと4番手のロバンペラは3.8秒差と、予断を許さない状況が続いている。

オープニングのSS16、ここでベストタイムをマークしたのは、前を行くヌービルを捉えたいロバンペラ。ヌービルはこのSSをロバンペラから2.7秒差のSS3番手タイムでフィニッシュしており、ふたりの差は1.1秒に縮まっている。タナックはSS2番手、ブリーンはSS4番手タイムとなり、ふたりの総合タイム差は11.6秒にじわりと拡大した。

サービスを挟んだSS17、ベストタイムをたたき出したのはヌービル。3.8秒差でブリーンがSS2番手タイムをマークしている。上位陣のタイム差は、首位タナックと総合2番手のブリーンが8.5秒、ブリーンと総合3番手のヌービルが9.5秒となっている。総合4番手につけるロバンペラはここでSS3番手とやや遅れてしまったため、ヌービルとのタイム差は7.1秒に拡大している。そしてブリーンはSS17後に設けられたリグループのTC(TC17A)に1分遅着し、10秒のペナルティを受けることに。これで総合2番手に全戦参戦のヌービルを繰り上げる作戦だ。なお、ここまで走行を続けてきた勝田貴元はSS17後にエンジンにトラブルが見つかり最終ステージを前にリタイアを決めている。

HYUNDAI


パワーステージのSS18はWRC2勢の上位6台からスタート。シュコダ・ファビアRSラリー2のオリバー・ソルベルグが地元ラリーでWRC2初優勝を飾った。フィニッシュ地点ではペター・ソルベルグが出迎え、固く抱き合い勝利を喜び合った。ラリー1勢は再出走組のロレンツォ・ベルテッリ(トヨタ)からスタート。ヒョンデのエサペッカ・ラッピが暫定ベストタイムをマークし、各ドライバーともそれをターゲットにアタックを行う。ラッピに続いてコースインしたMスポーツ・フォードのピエール‐ルイ・ルーベはマシントラブルに見舞われて途中でストップ。スロー走行でなんとかフィニッシュラインを越えることに成功、暫定ながら総合6番手の座を守ってみせた。ただしルーベはシートベルトを完全に締める前に走行する姿がインカーカメラで確認されており、なんらかのペナルティが下される可能性もある。

トヨタのエルフィン・エバンスは暫定SS2番手タイムでフィニッシュ、総合5番手以上を確定させて完走を果たした。続くロバンペラは暫定SS3番手タイムをマークして同じく総合4番手以上を固めている。そして上位の3台がスタート。出走順でブリーンに先行するヌービルは、オーバーシュートして雪壁にヒットするシーンもあり、暫定SS4番手タイムでフィニッシュ、総合3番手以上を確定させた。続いてコースインしたブリーンはヌービルのタイムを上まわる暫定SS4番手タイムをマーク。一度は前に出したヌービルを再逆転している。

そして最終走者のタナックは、ステディなドライビングでSS3番手タイムをマークし、今シーズン初優勝を達成。Mスポーツに22年モンテカルロ以来となる勝利をもたらした。タナックにとってはキャリア通算18勝目となる。これで最終SS終了時点での総合順位はタナック、ブリーン、ヌービル、ロバンペラ、エバンス、ルーベというトップ6に。パワーステージは、ラッピ、エバンス、ロバンペラ、タナック、ブリーンというトップ5がボーナスポイントを得ることとなった。仮に最終TCなどでの時間調整でブリーンが10秒のペナルティを受けた場合は、ヌービルは2位に繰り上がるが、同時にロバンペラも3位に繰り上がることとなり、両選手権の面でヒョンデにとって得策とは言えないだろう。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生は、大竹直生が首位から32分18秒差の総合32位、RC4クラスでの勝利を飾っている。小暮ひかるは51分51秒4差の42位、再出走を果たした山本雄紀は、1時間39秒3差の43位となった。

TOYOTA


第2戦までを終えて、ドライバーズランキング(暫定)は首位タナックが41点、ロバンペラが38点、ヌービルが32点、エバンスが29点、オジエが26点というトップ5となっている。マニュファクチャラーズランキングは、トヨタが80点、ヒョンデ66点、Mスポーツ・フォードが51点となった。

次戦は3月16日〜19日に開催される第3戦メキシコ。シーズン初のグラベルラリーであり、標高の高さからエンジンやブレーキに厳しいラリーとして知られている。WRCとしての開催は新型コロナウイルスの影響で短縮日程となった2020年以来。

WRCスウェーデン 暫定結果
1. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) 2:25:54.5
2. C.ブリーン(ヒョンデi20Nラリー1) +18.7
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +20.0
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +25.1
5. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:24.0
6. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +5:59.0
7. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +7:42.4
8. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:48.1
9. O-C.ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +8:30.4
10. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:03.2



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