クリオ初の4WDラリーカー、ルノー・クリオ・ラリー3が公の場で初披露 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

クリオ初の4WDラリーカー、ルノー・クリオ・ラリー3が公の場で初披露

©Damien Doumergue / DPPI

ルノーは、開発中のラリー3車両となるルノー・クリオ・ラリー3を1月15日にアンドラのパス・デ・ラ・カサ・サーキットで初披露を行った。このマシンは、フランスのビリー・シャティヨンを拠点とするアルピーヌ・レーシング、マニュファクチュール・アルピーヌ・ディエップ・ジャン・レデレ、英国エンストンにあるBWTアルピーヌF1チームのファクトリーが共同で設計を行った。

5世代目のクリオをベースにFIAが掲げるラリーヒエラルキーの中でも入門編の4WDマシンとして位置づけられるラリー3規定で製作されたラリー3車両は、これまで8クルーがテストに参加してターマック、グラベルで5000km近くの走行を重ねてきた。現在、FIA公認取得の作業を進めており、公認がおりればWRCをはじめERCやAPRCなどの国際格式イベントに参加できるようになる。

Damien Doumergue / DPPI

クリオ・ラリー3は、2020年に登場したクリオ・ラリー5、2021年に登場したクリオ・ラリー4に続いて、ラリーの国際舞台でステップアップをしていくための次の段階となるマシン。クリオ・ラリー3は4気筒16バルブの1.3リットルTCeターボ直噴エンジンを搭載。299のエンジンマップを研究した末に、パワーとトルクは260hp・415Nmにまで引き上げられた。このエンジンには、サデフの5速ギヤボックスとLSDが組み合わされる。

ルノーによれば「ビリー・シャティヨンのチームが培ってきた経験により、性能と信頼性の追求に特に重点を置いてきた。カストロールの専門知識と合わせ、4WDマシンでは特に重要なエンジンとトランスミッションの潤滑を最適化することができた」という。マシンのリヤスポイラーは、BWTアルピーヌF1チームのエンジニアによるもので「シンプルな外観でありながら、高い効果を発揮する」としている。

Damien Doumergue / DPPI

Damien Doumergue / DPPI

また、最新の調整可能なBOSサスペンションダンパーを装備し、ライフレーシングのボックスがエンジンとシャーシのデータ収集システムを統合した電子管理システムで制御している。安全対策でも、多くの点で強化されている。

クリオ・ラリー3のFIA公認については、4月には競技参戦できる状態になると見込まれており、5月5〜6日にスペインで開催されるERC第2戦ラリーイズラス・カナリアス(ターマック)には間に合いそうだ。ここで、現状、唯一のラリー3規定マシンであるMスポーツ・ポーランドが製作したフォード・フィエスタ・ラリー3との対戦が実現するかもしれない。

マシン価格は、ターマック仕様、グラベル仕様、いずれも12万2000ユーロ(税別、約1720万円)となっている。
(Graham Lister)


クリオ・ラリー3 テクニカルデータ(FIA公認待ち)
シャシー
Base – Clio R.S. Line with roll cage
Body/Type – Arc-welded steel monocoque
Safety – Multi-point roll cage
Aerodynamics – Rear wing

エンジン
Type – Renault HR13 4-cylinder, 16-valve
Layout – Front-engined
Displacement – 1,330 cm3
Maximum power – 260 hp
Torque – 415 Nm
Maximum rpm – 7,400
Turbocharger – 31 mm restrictor
Fuel delivery – Direct injection
Cooling – Standard derivative
Electronic management – Life Racing
Fuel – SP98 standard
Lubricants – Castrol

トランスミッション
Type – Integral, four-wheel drive
Gearbox – Sadev ST4-82, 5-speed sequential + reverse
Selector – Gearshift with electric release MAR
Tunnel – Sadev SP02
Differential Front/Rear – ZF Limited slip
Clutch – Sachs dual disc

ギヤ&サスペンション
Axle Front/Rear – Pseudo McPherson
Dampers – Bos Suspension with three-way adjustment and hydraulic stop
Brakes Front Tarmac – Ø 330 x 28 mm, 4-piston callipers PFC Brakes
Brakes Front Gravel – Ø 294 x 28 mm, 4-piston callipers PFC Brakes
Brakes Rear Tarmac/Gravel – Ø 294 x 28 mm, 4-piston callipers PFC Brakes
Hand brake – Hydraulic
Steering – Electrically assisted

タイヤ
Wheels – Aluminium, 6×15’’ (gravel) et 7×17’’ (tarmac)
Tyres – Michelin

寸法/重量/容量
Length/width/height – 4,050 / 1,988 / 1,400 mm
Wheelbase – 2,585 mm
Wheel track Front / Rear – 1,520 / 1,520 mm
Fuel cell – 62 litres, FIA FT3 homologated
Dry weight – 1,210 kg (minimum FIA)



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