ダカール2023:ステージ9でセバスチャン・ローブがステージウイン、ポディウム圏内に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ダカール2023:ステージ9でセバスチャン・ローブがステージウイン、ポディウム圏内に浮上

©BRX / Eric Vargiolu / DPPI

ダカールラリー2023年大会は1月10日に競技が再開。この日は、リヤド〜ハラド間に358kmのステージ9が設定されたが、高い砂丘に加えて、前夜の雨の影響による深い水渡りなど、近年の中でも最もウエットなダカールとなり、スタックする車両も続出した。

後半戦最初のステージで気を吐いたのは、プロドライブ・ハンター勢。バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)のセバスチャン・ローブがステージウインをマークし、総合順位ではついにポディウム圏内に浮上してきた。また、テストニカ・レーシングのバイドタス・ザラ、GCKモータースポーツのゲラン・シシェリも2番手、3番手タイムで続き、このステージはハンター勢がトップ3を独占した。
「本当にいい気分! いいタイムを出すためにステージでは本当にハードに攻めたので、自分が筆頭でプロドライブ・ハンターが1-2-3フィニッシュできたのは最高だ。ナビゲーションがとてもトリッキーな場所があったのでタイムロスが2、3カ所であったが、トラック部門やバイク部門がミスをしていたので誰にとっても難しかったと思う。これからエンプティ・クオーターを迎えるので、ここで総合3番手に浮上できてよかった」とローブ。

BRX / Julien Delfosse / DPPI

同じく総合順位を上げたのは、ダカールのルーキー、オーバードライブ・レーシングのルーカス・モラエス(トヨタ・ハイラックス)だ。総合2番手につけていたヘンク・ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス)がこの日、50分以上の遅れを喫して後退。この日を10番手タイムで走り切ったモラエスが総合2番手に浮上した。
「今日はすごく辛抱の1日だった。長い目で見て、総合順位に集中した」とモラエス。3番手ローブとの差は、約22分となっている。

Marcelo Maragni / Red Bull Content Pool

ダカール連覇に向けて邁進するトヨタ・ガズーレーシング・ダカールチームのナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックス)は、この日は9番手タイムで首位を堅守。依然として1時間以上のリードを残している。
「ルートをリスペクトし、残り5本のステージを全力で乗り越えなければならない。前半の一週間を通して集中力をキープできたからこそ、今のリードがある」とアル-アティヤ。

A.S.O. / C.Lopez

一方、後半戦に入ってもチーム・アウディ・スポーツの不運は続き、カルロス・サインツのアウディRS Q e-tron E2は、ステージのスタートからわずか5kmの砂丘ではじき飛ばされてしまった。サインツは、この日のステージを走り切ることができなかった。

A.S.O. / E.Varglous / DPPI

1月11日のステージ10は、114kmとダカールとしては非常に距離が短いステージ。しかし、そのほとんどがエンプティ・クオーターを走行するもので、1mおきに危険が待ち構える難所だ。

ダカール2023 暫定結果(ステージ9終了時点)
T1 Car Class
1 N.アル-アティヤ(トヨタGRダカールハイラックス) 34:19:20

2 L.モラエス(トヨタ・ハイラックスオーバードライブ) +1:21:57
3 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +1:43:08

4 H.ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス) +1:46:23
5 G.ド・ヴィリエール(トヨタGRダカールハイラックス) +2:04:17
6 R.デュマ(トヨタ・ハイラックス) +2:25:51
7 M.プロコップ(フォード・ラプターRSクロスカントリー) +2:45:36
8 B.バラグワナス(センチュリーCR6-T) +2:48:06


1月9日の休息日、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、好天に恵まれたビバークで今回のダカールに初投入した2台のトヨタ・ランドクルーザー300 GR SPORTを整備。難所が続くと予想される後半戦に向けて備えた。チームはステージ8を終えた時点で累積順位ではロナルド・バソが総合98番手・部門首位、三浦昂が総合124番手・部門2番手と部門1‐2体制を維持している。
チーム監督を務める角谷裕司は「昨晩からメカニックたちが頑張ってくれ、後半戦に向けて車両をリフレッシュすることができました。明日からも今の安定したリズムを保ち、2台揃ってダンマームのゴールに到達したいと思います」と後半戦へ向けての意欲を語った。

今回はハイブリッドシステムを搭載した日野600シリーズで参戦している日野チームスガワラは、ここ数日、水温上昇のトラブルに見舞われており、休息日を活用して点検整備とトラブルの原因究明に注力した。その結果、エンジン本体のトラブルが判明したが現場での修復は難しく、制御面で症状の抑制を図りながら競技を続ける。菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は現在、累積順位ではトラック部門12番手につけている。
菅原は「明日からの後半戦をトップ10入りを目標に頑張っていくつもりです。今年、我々のペースが良くなったのはサスペンションの改善が大きい。以前はトップ勢から1ステージあたり50分くらい離されていたのが今は15〜20分になりました。水温上昇の問題はありますが、本来の走りさえ出来れば達成可能な目標だと思います」と気合いを見せた。

A.S.O. / Gigi Soldano



ラリプラメンバーズ2024募集中!!