ダカール2023:ステージ7はヤジード・アル‐ラジがトップタイム、ナッサー・アル-アティヤは総合首位を堅守 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ダカール2023:ステージ7はヤジード・アル‐ラジがトップタイム、ナッサー・アル-アティヤは総合首位を堅守

©A.S.O._H.Cabilla

ダカールラリー2023年大会は1月7日、リヤド〜アルデュワディミのビバーク間に設定されたステージ7・333kmを走行。この日はバイクとクワッド部門がキャンセルとなったため、4輪部門がコースオープナーとなった。この日はフィニッシュラインで2時間のアシスタンスを受けることが認められており、コンボイはその後、長い道のりを経てビバークへ向かった。

この日は、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル‐ラジ(トヨタ・ハイラックス)がトップタイムをマーク。総合首位につけるトヨタGRダカールハイラックスのナッサー・アル-アティヤは手堅く14番手タイムでこの日のステージを走り切り、1時間以上のリードを残して総合首位の座を堅守している。
「序盤はかなりプッシュした。今日はずっと先頭走者だったね」とアル-アティヤ。

A.S.O._C.Lopez

トヨタ・ガズーレーシング・ダカールチームのチームメイト、ヘンク・ラテガンも2番手をキープしているほか、ジニエル・ド・ヴィリエールはこの日のステージで4番手タイムをマークして総合順位でもポディウム圏内までの差を約25分にまで詰めてきており、TGR勢のトップ3独占も可能性を帯びてきた。

同じくポディウム圏内を目指して猛追するのは、バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)のセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)。この日は9番手タイムで、総合順位は5番手に上げてきた。

BRX / Florent Gooden / DPPI

「前にバイク部門がいないので、今日は道を見つけるのがすごくトリッキーになることは分かっていた。スタート順が2番手だったが、80km地点でナッサーを抜いたので、ナビゲーションが厄介だったことを思えばいい1日だった。バイクが刻むラインもなく、最初に砂丘に入っていくのはラクではなかった。終盤で少しタイムをロスしたが、総合順位ではひとつ上げられたのでよかった。砂地とグラベルで石のない、速いステージだったこともよかった。もっと同じようなステージが出てくるとうれしいね」とローブ。

BRX / Julien Delfosse / DPPI

一方、チーム・アウディ・スポーツ勢は、前日にはステファン・ペテランセルとカルロス・サインツがポディウムの望みを断たれたばかりだが、この日は3台目のアウディRS Q e-tron E2をドライブするマティアス・エクストロームもメカニカルトラブルに見舞われ、3時間をロスした。
「本当に残念。小さなトラブルを抱えながらも、トップを目指して戦っていた。今回、ダカールで勝てたら華を添えて引退するつもりだった」と、ペテランセルはフル電動パワートレーンのマシンにとって2回目のダカールでの展開に悔しさをにじませたペテランセルは、この日を終えてリタイアを決めている。

A.S.O._C.Lopez

1月8日のステージ8には、バイク、クワッド部門が競技を再開。前半戦最後のステージは、アルデュアディミ〜リヤド間に345kmのステージが設定。その後、9日はリヤドで休息日を迎える。

ダカール2023 暫定結果(ステージ7終了時点)
T1 Car Class
1 N.アル-アティヤ(トヨタGRダカールハイラックス) 27:26:23

2 H.ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス) +1:01:04
3 L.モラエス(トヨタ・ハイラックスオーバードライブ) +1:11:24
4 G.ド・ヴィリエール(トヨタGRダカールハイラックス) +1:36:47
5 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +1:54:17

6 R.デュマ(トヨタ・ハイラックス) +2:12:30
7 B.バラグワナス(センチュリーCR6-T) +2:14:40
8 M.プロコップ(フォード・ラプターRSクロスカントリー) +2:13:30


チームランドクルーザー・トヨタオートボデーからトヨタ・ランドクルーザー300 GR SPORTで参戦する三浦昂は、前日に見舞われたトラブルをスタートギリギリで修復し、1月6日のステージ6をスタート。この日は順調に走行を続け、4輪総合102番手・市販車部門トップのタイムでステージをフィニッシュした。チームメイトのロナルド・バソも、総合120番手・部門2番手のタイムをマークし、累積順位ではバソが総合104番手・部門首位、三浦が総合129番手・部門2番手を守っている。
この日を終えて三浦は「クルマはまったく問題なく、安心したと同時に徹夜で作業してくれたメカニックとチームに感謝しながら走りました。パンクもスタックもなく良い1日でした」と安堵を見せた。

日野600シリーズで参戦している日野チームスガワラの菅原照仁/望月裕司/染宮弘和組は、この日のステージ序盤に水温上昇のトラブルに見舞われ、対応のために約1時間半をロス。しかし、その後は挽回して、トラック部門総合16番手のタイムでステージをフィニッシュし、累積順位での後退はひとつに抑えての14番手としている。
菅原は「走り出して数kmで水温が上がってしまい、そのまま走行できる状況ではないので、止まって水を入れたり対策をしました。その後は普通に走れましたが、エンジン本体に影響が出ていないか、ちょっと心配です」と不安を明かした。



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