W2RCアンダルシア:セバスチャン・ローブが初優勝、タイトルはナッサー・アル‐アティヤが獲得 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

W2RCアンダルシア:セバスチャン・ローブが初優勝、タイトルはナッサー・アル‐アティヤが獲得

©TOYOTA

今季から始まった世界ラリーレイド選手権(W2RC)は最終戦アンダルシアラリーが10月19〜23日、スペインで開催され、プロドライブが製作したハンターを駆るバーレン・レイド・エクストリーム(BRX)のセバスチャン・ローブがシーズン初優勝を飾った。選手権争いでは、ナッサー・アル‐アティヤがポイントで上まわり、初代W2RC王者の座を勝ち取った。

FIAワールドカップ・フォー・クロスカントリーラリーでは5回タイトルを獲得しているアル‐アティヤは、新シリーズでも「ラリーレイドの王者」の照合を譲らず、初代世界ラリーレイドチャンピオンとなった。

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開幕戦のダカールで優勝を飾り、さっそくタイトル候補に名乗りを挙げたアル‐アティヤだったが、ここではローブがステージ優勝によるボーナスポイントを大量に獲得し、シーズン最大のイベントでアル‐アティヤに1ポイント差まで詰め寄った。アブダビ・デザートチャレンジではアル‐アティヤが初日にクラッシュし、ローブが選手権首位に浮上。しかし、ラリーデュモロッコではローブがSS4でパワーステアリングにトラブルを抱え、デイリタイア。このイベントを3位でフィニッシュしたアル‐アティヤが、選手権リーダーとしてアンダルシアを迎えた。

決戦のアンダルシアでは、ローブとアル・アティヤが激戦を展開。最後の数kmまで優勝を争い、イベントはローブが制したものの、ポイントで上回ったアル‐アティヤが初代W2RC王者の座を手にした。

ローブにとっては、ラリーレイドでの世界戦初勝利。前戦のモロッコでは、同じくプロドライブ・ハンターをドライブしたGCKモータースポーツのゲラン・シシェリが、同マシン初の勝利を挙げており、ハンター勢がシーズン最後の2戦を連勝した。

BRX / DPPI


BRX / Julien Delfosse / DPPI

「BRXとは2020年から優勝を目指して懸命な取り組みを続けてきたので、世界ラリーレイドでの初勝利をもたらすことができて素晴らしい気持ち」とローブ。
「今シーズンを通してアル‐アティヤとは激しい戦いが続いていたが、とのステージでもハードにプッシュしたし、今回もこのようなトリッキーなステージのラリーで素晴らしい戦いを展開した末に、その差はたった6秒だ」

「プロドライブ・ハンターは、シーズンを通していいパフォーマンスを見せてきた。前回のモロッコは不運だっただけで、速さは十分にあった。ラリーレイドに長く参戦している人たちから学ぶことも多い中で、今回、最終日までタイトルを争ったことは大きな意味を持つし、次のラリーへの準備にもつながる」

一方、初代W2RC王者となったアル‐アティヤは「この世界タイトルを獲得できて、本当にうれしい。とてもタフな一年だったが、ダカールとW2RCを制するという目標を達成できた」と喜びを語った。
「今回はセバスチャンが素晴らしいレースをしていた。自分たちも6秒差まで迫ったが、選手権争いのことも考えていた。これで来季は、ダカールと世界選手権、両方のタイトルを防衛しなくてはならないね」

A.S.O. / J.Delfosse / DPPI

2023年のW2RCは、ダカールで開幕した後、アブダビ・デザートチャレンジ、ソノララリー(メキシコ)、デサフィオ・ルタ40(アルゼンチン)、ラリーデュモロッコの5戦が予定されている。

W2RCアンダルシア 最終結果
1 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) 8:40:35
2 N.アル‐アティヤ(トヨタGR DKRハイラックス) +00:06
3 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) +09:26
4 G.デメビウス(GRALLYTEAM OT3) +0:27:07
5 S.クインテロ(GRALLYTEAM OT3) +0:35:10
6 F.ロペス・コンタルド(カンナム・マーベリック) +9:29:45



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