WRCニュージーランド:競技3日目を終え、トヨタのロバンペラがオジエと1-2。5番手走行の勝田はリタイア – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCニュージーランド:競技3日目を終え、トヨタのロバンペラがオジエと1-2。5番手走行の勝田はリタイア

©TOYOTA

2022年シーズンWRC第11戦ラリーニュージーランドは、競技3日目のSS13までを終えて、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位。19.0秒差の2番手にチームメイトのセバスチャン・オジエ。前日首位のオイット・タナック(ヒョンデ)が、46.4秒差の3番手につける。5番手を走行していた勝田貴元はSS12でコースオフを喫し、今シーズン初のリタイアを決めている。

2日目終了の段階で、スチュワードはSS1においてヒョンデのオィット・タナックとティエリー・ヌービル、トヨタのカッレ・ロバンペラが規定を超えるハイブリッドブーストを使用していたことを指摘。それぞれのドライバーに5秒のペナルティを課している。この結果、エルフィン・エバンスがタナックに4.8秒差の首位に浮上。6.5秒の3番手にオジエ、7.2秒差の4番手にロバンペラという、僅差の展開で3日目をスタートすることになった。

競技3日目はSS8〜SS13の6SS、SS走行距離は88.28km。オークランド北の3SSをサービスを挟んでループする。この日は朝から雨が降っており、一部のステージでコンディションはウエットに。道が柔らかく、ラリーカーの走行により路面が荒れてくる可能性がある。

オープニングのSS8、前日のコースオフから再出走を果たしたMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンがベストタイムをマーク。上位陣はロバンペラが4.1秒差の2番手タイム、タナックが8.1秒差の3番手、エバンスが10.0秒差の5番手、オジエが13.6秒差の6番手で走行した。この結果、首位エバンスとタナックの総合タイム差は2.9秒に縮まり、ロバンペラが6.1秒差の総合3番手に浮上。オジエは10.1秒差の総合4番手とわずかだが優勝争いから後退してしまった。

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SS9、首位を走行していたエバンスがスピンからクラッシュ。ベストタイムのロバンペラから36.5秒遅れた9番手タイムで走り切ったものの、トヨタGRヤリス・ラリー1はボディ全体に大きなダメージを負ってしまう。この結果、ロバンペラが一気に首位に立ち、タナック、オジエが続く。このクラッシュで、エバンスは首位から30.4秒差の4番手までポジションを落としている。

SS10、6台目にスタートしたMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスがクラッシュ。クルーは無事だったものの、赤旗が出されたため、以降のステージはストップに。このステージを走行していなかったロバンペラ、タナック、オジエ、ヌービルには、ベストタイムのブリーンから+3.0秒のノーショナルタイムが与えられることになった。命拾いをしたのが、前のステージでマシンにダメージを負ったエバンスだ。ステージがキャンセルとなったことで、ベストから+8.0秒のノーショナルタイムでこのステージを走り、サービスへと向かうことになった。

荒れた路面に翻弄された午前中のセクションを終えて、首位はロバンペラ。4.6秒差の総合2番手にタナック、6.5秒差の総合3番手にオジエ、36.2秒差の総合4番手にエバンスというオーダー。ここまで走り切ったエバンスだったが、サービス時間内での修復が不可能と判断され、デイリタイアを決めている。この日もニュージーランド独自の路面に苦戦を強いられた勝田貴元は、2分3秒6差の8番手。「自分でも遅いということは分かっています。とても難しいです。正直、自信を持ってドライブできていませんが、もっとスピードアップできるよう走り続けるしかありません」と、厳しいコメントを残した。

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また、中間サービスの段階で、ヒョンデのタナック、ヌービル、オリバー・ソルベルグの3台が、前日のSS7において規定以上のハイブリッドブーストが使用されていたことが発覚。3人に10秒のペナルティが科されている。オークランドでのサービスを挟んだ午後のセクションは、午前中のルートをリピートする3SS。水飛沫が立つほどのウエットコンディションとなったSS11、一番時計はオジエに5.0秒差をつけたロバンペラ。このステージだけで17.9秒も遅れたタナックは、オジエにかわされて首位から32.5秒差の総合3番手へとポジションを落としている。

ロバンペラはSS12でもベストを刻み、総合2番手につけるオジエとの差は18.1秒に。さらにオジエがSS12のスタートTCに1分遅着したことから10秒のペナルティが課され、その差は28.1秒にまで広がった。このステージでは、5番手を走行していた勝田がスタートから7.8km地点でコースオフを喫して、ストップ。今シーズンここまですべてのラリーを走り切っていた勝田だったが、無念のデイリタイアとなった。

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ロバンペラは、この日を締めくくるSS13もブリーンに続くセカンドベスト。総合2番手オジエとの差を、安全圏とも言える29.0秒に拡大し、最終日に残された31.18kmへと挑む。その後方、46.4秒差の総合3番手にはタナック、1分41秒4差の総合4番手にヌービル、ミスファイアの症状を訴えながらも3分34秒9差の総合6番手で走り切ったソルベルグと、ヒョンデ勢が続いている。

WRCニュージーランド SS13後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:28:26.3
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +29.0
3. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +46.4
4. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:41.4
5. O.ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) +3:34.9
6. H.パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2) +8:51.0
7. L.ベルテッリ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +9:18.3
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +10:55.7
9. S.バン‐ギスベルゲン(シュコダ・ファビアR5) +12:00.4
10. H.ベイツ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +15:23.7



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