全日本ラリー北海道:競技初日を終えて勝田範彦が首位。2番手新井敏弘と3番手奴田原文雄は0.1秒の僅差 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー北海道:競技初日を終えて勝田範彦が首位。2番手新井敏弘と3番手奴田原文雄は0.1秒の僅差

©Naoki Kobayashi / JN-1クラス首位の勝田範彦/木村裕介

前戦ARKラリー・カムイから約2カ月のインターバルを経たラリー北海道は、2022年シーズンの2戦目、そして最後のグラベルラリーとなる。今回、ラリー北海道としては3年ぶりに有観客での開催を実現。帯広駅前で行われたラリーショーやセレモニアルスタートには多くの観客が集まり、さらに陸別オフロードサーキットをはじめ、SSにも観戦エリアが設けられた。

帯広駅前で行われたラリーショーの様子 / Naoki Kobayashi


ラリーは初日に7SS、2日目に3SSの合計10SSを走行。SS距離は107.26km、得点係数は1.5。林道コースは、WRCラリージャパンでもおなじみだった、ハイスピードステージの「YAM WAKKA」や「NUPRIPAKE」、距離は短いながらもテクニカルで道が荒れやすい「OTOFUKE REVERSE」、ターマック・グラベル・オフロードコースを一気に走破する「RIKUBETSU LONG」など、バラエティに富んだステージが特徴となる。なお、2日目にSS9として行われるPAWSE KAMUY REVERSEは、久しぶりに逆走設定が採用されている。

なお、今季から性能調整が導入されているJN-1クラスの、今大会における最低重量は下記のようになっている。
前戦1位:ヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)1280kg(最低重量+50kg)
前戦2位:新井敏弘(スバルWRX STI)1418kg(最低重量+20kg)
前戦3位:勝田範彦(トヨタGRヤリス)1198kg(最低重量+30kg)

JN-1クラス首位の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) / Naoki Kobayashi


コバライネンのタイトル獲得に注目が集まったJN-1クラス。そのコバライネンが、先頭スタート、そして北海道のグラベル路に苦しむなか、スピードを見せたのは新井敏弘、勝田範彦、奴田原文雄のベテラン勢だった。SS1で奴田原がベストをマークすると、SS2とSS3は新井が連続ベストを刻み、奴田原をかわして首位に立つ。

最初のセクションを終えてトップに立ったのは新井。これに好タイムを並べた勝田が6.9秒差の2番手につける。制御系のトラブルから一部でFFとなっての走行を強いられながらも、奴田原が11.6秒差の3番手。18.1秒差の4番手に鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)、20.8秒差の5番手に福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が続く。コバライネンは30秒差の6番手と、大きく出遅れてしまった。

陸別でのリモートサービスを挟んだ午後のセクション、SS5ヤム・ワッカ2で勝田が今回初のベストタイムをマークし、3番手タイムの新井をかわして首位に浮上。勝田はSS6のリクベツ・ロングこそ6番手だったが、最終のSS7ヌプリパケ2でも再びベストタイムで、2番手の新井との差を12.6秒に広げて、初日を終えた。SS5~SS7まですべてセカンドベストを刻んだ奴田原は、2番手新井から0.1秒差の3番手。なおSS5ではコバライネンが橋の欄干にヒットし、右リヤタイヤをパンク。足まわりにもダメージを負っていて、修理のために20分以上のタイムロス。ポイント圏外となるクラス10番手まで順位を落としている。

首位の勝田は「渾身のアタックではなく、たまたまタイムが良かっただけです(苦笑)。大きくクルマを変えてきたので戸惑いがありましたが、自分のドライビングをアジャストしました。その過程でだんだんとフィーリングをつかめた感じです。ただ、タイトコーナーではまだ課題がありますね」とコメント。2番手の新井は「クルマに関しては、少しパワーのなさを感じています。最高速が出せないことが、高速ステージで勝田選手や奴田原選手との差になっているんでしょう」と、語る。

JN-2クラス首位の小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) / Jun Uruno


JN-2クラスは、前戦でチャンピオンを決めた中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)がスキップし、小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)のみの参戦。小倉はリヤサスペンションが破損しながらも最初のセクションを走破、その後もすべてのステージを走り切った。「トラブルの原因がよく分からない状態で走り続けることになりました。SS2あたりからずっとなので、どこかに引っ掛けたのかもしれません」と、小倉は首を振る。

JN-3クラス首位の長﨑雅志/大矢啓太(トヨタGR86) / Jun Uruno


トヨタ86とスバルBRZのライバル対決が行われるJN-3クラスは、今回からGR86を投入した長﨑雅志/大矢啓太がSS2でベストタイムを記録し、首位に立つと、その後も安定したペースで初日を走り切った。山本悠太/立久井和子はアライメントのトラブルを抱えながらも、長﨑から3.4秒差の2番手。3番手にはスバルBRZを駆る加納武彦/横手聡志、4番手に竹内源樹/木村悟士がつけている。

「予想外の首位ですね。まだ感覚にタイムがついてきていなくて、蓋を開けたらこの位置にいたって感じです。危ない箇所はしっかり抑えることもできていて、踏めるところは踏めています。メリハリのある走りはできていると思います。北海道は最後まで何が起こるか分からないので、順位は二の次で、しっかり走り切りたいです」と、長﨑は慎重なコメント。トラブルを抱えながらも僅差の2番手をキープした山本は「午前中から続くクルマが真っ直ぐ走らないトラブルは陸別のサービスでも直りませんでした。修正もできず、本当に厳しかったです。3秒差で終われて良かったので、明日はトップを狙います」と、最終日の逆転を誓った。3番手の加納は「3位を争っている竹内選手とは、ほとんどタイムが変わりませんでしたね。やっぱり新型は速いです。明日は距離も短いんですが、諦めてくれないと思うので、しっかり走って3位をキープしたいです」と、竹内を警戒する。

JN-4クラス首位の岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ) / RALLY PLUS


JN-4クラスはスズキ・スイフトスポーツ勢に加え、前戦カムイに続き、香川秀樹/松浦俊朗のホンダ・シビック・タイプRユーロが登場。序盤からスピードを見せたのは、7つのSS中6SSでベストタイムを並べた、ベテランの岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ)。2番手の香川に約35秒の差をつけてみせた。3番手にはSS2でエンジンの不調に見舞われながらも走り続けた古川寛/吉田賢吾(スズキ・スイフトスポーツ)が続く。

「気合いを入れて走りました。クルマ的には前戦から特になにも変えていません。ドライバーの私が一生懸命走っています(笑)。明日のパウセカムイを逆走で走るのはは初めてですし、ここが鍵になります。サイドブレーキも使えるようになったので、これが効果的でした」と、首位の岡田はしてやったりの表情。大きく差をつけられた香川は「岡田選手が途中から火がついたのか、ものすごく速くなりました。手がつけられませんでしたね。明日は距離がないので、逆転は狙えませんが、何が起こるか分からないので、自分のペースで走ります」とコメント。3番手の古川は「エンジンがまったく吹けなくて、けっこう凹んでいます。色々と制御系をリセットしたので、明日はせめてベストタイムを1本獲りたいです」と、肩を落とした。

JN-5クラス首位の大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS) / Naoki Kobayashi


JN-5クラスは、SS3までラリーをリードしていた小濱勇希/橋本美咲(トヨタ・ヤリス)が、SS4リクベツ・ロング2のウォータースプラッシュ後に続く右コーナーでアウト側の土手にマシンをヒット。ドライブシャフトが折損し、リタイアを決めた。これで首位に立ったのは小濱のチームメイトの渡部哲成/小藤桂一(トヨタ・ヤリスCVT)。ところが渡部はリクベツでのリモートサービスで、TCアウトの時間に遅れ、40秒のペナルティを科されることに。この結果、大倉聡/豊田耕司(GRヤリスRS)が、渡部に9.6秒差をつけて初日をトップで折り返している。3番手はトヨタ・ヴィッツをドライブする笠原彰人/宗片さおりが、ベテランの小川剛/梶山剛(トヨタ・ヴィッツ)や天野智之/井上裕紀子(GRヤリスRS)を抑え順位をキープしている。

「死ぬ気で攻めました。それでも渡部選手にタイムでは負けているところがありました。パウセカムイが逆走なので、読めないですね。せっかく勝利のチャンスがあるので、しっかりプッシュして、様子を見たいです」と、大倉は慎重に語る。一方、スピードを見せながらも、ペナルティに泣いた渡部は「ペナルティは仕方ないです。それでも前戦と比較すると、走りは改善できて、狙ったとおりにドライブできています。ただ、全SSでベストを獲れなかったので、リクベツのような硬い路面やツイスティなセクションで、もう少しクルマを速く走らせたいです」と振り返った。3番手につけた笠原は「丁寧なドライブを心がけすぎたのか、リピートステージでタイムが挙げられませんでした。左のドライブシャフトから異音が聞こえましたが、交換もしましたし、明日は万全の状態で走れます。絶対にこの順位をキープします」と、最終日に表彰台を狙う。

JN-6クラス首位の鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ) / Jun Uruno


JN-6クラスは、前戦カムイで海老原孝敬がタイトルを確定。海老原はマシンをトヨタ・ヴィッツから、来季を見据えてハイブリッドのトヨタ・アクアで参戦。今回、スタートからスピードを見せたのは、海外ラリーでの経験豊富な鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ)。鷲尾は5つのSSでベストタイムを刻み、なかなかペースの上がらない海老原/原田晃一に14.9秒差をつけて首位を確保している。3番は中西昌人/有川美知代(マツダ・デミオ)が続いた。

「午後のSS5ヤム・ワッカ2は、ホコリがすごかったので安全ペースで走ったら、海老原選手に14秒も負けてしまいました。ただ、それ以外は良い走りができたと思います。最終日のオトフケが苦手なんですが、荒れた路面に適したセッティングに変更するつもりです。ただ、このタイム差ならば、安全圏かな……」と、鷲尾は笑顔のコメント。2番手の海老原は「ヤム・ワッカ1で下を打った時に、足まわりを曲げてしまったようです。午後はそれなりにタイムを稼ぐことができました」と、最終日に逆転を狙う。3番手の中西は「これがクルマの限界です。私自身はとにかく完走が目標。なんとか、鷲尾さんを勝たせてあげたいですね」と、同じクルマで戦う鷲尾にエールを送った。

RALLY HOKKAIDO SS7後結果
1 勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) 56:34.5
2 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +12.6
3 奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス) +12.7
4 鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +36.1
5 福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5) +1:02.6
6 石川昌平/竹薮英樹(トヨタGRヤリス) +2:58.2

9 長﨑雅志/大矢啓太(トヨタGR86) +7:09.9
10 大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS) +7:12.2
15 岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ) +8:06.5
22 小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) +9:09.3
32 鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ) +14:54.9



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