WRCスウェーデン:ロバンペラ「21年前の父のようにここで勝ててうれしい」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:ロバンペラ「21年前の父のようにここで勝ててうれしい」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCラリースウェーデンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。初日、先頭スタートながら週末を通して激戦の首位争いを戦い抜き、GRヤリス・ラリー1に初勝利をもたらしたカッレ・ロバンペラ。かつて、父ハリ・ロバンペラが勝利を収めたラリーを、自身でも制したことを感慨深く語った。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Toyota Gazoo Racing WRT


1位:カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
2位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒョンデ・シェル・モビスWRT、ヒョンデi20 Nラリー1)
3位:エサペッカ・ラッピ=EP(トヨタ・ガズーレーシングWRT、トヨタGRヤリス・ラリー1)
ヤリマティ・ラトバラ=J-LM(トヨタ・ガズーレーシングWRT、チーム代表)

Q:カッレ、この週末の素晴らしい戦いぶり、お見事だった。これでWRC3勝目、シーズンの滑り出しはいい形になっている。このイベントについてと、ここで勝ったことについて話してほしい
KR:ことさら特別なことはないと思うが、もちろんこの週末は絶対にいい戦いをしたいと思っていたし、金曜日に走行順が一番手だったことで、金曜日をどのようなかたちで終えられるか予想できなかったが、かなりいい流れで乗り切れたようだし、首位ともそれほど離れていなかった。その後は、本格的に首位争いができたし、思うような走りができた。全体として本当にいいイベントになったし、21年前の父のようにここで勝利をマークできてうれしいよ。

Q:2001年のことだね。今回の勝利についてお父さんはなんと言っていたか
KR:父は喜んでいたよ。ほとんどのステージを観ていた。父がイベントに来る時は、ラリー中はいつもハラハラしているが、この戦いを楽しんでもいたし、このリザルトを喜んでいる。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:今回は拠点が新たにウメオとなったが、今回のステージについてどう思うか
KR:基本的には、少なくとも自分にとってはかなり楽しめるイベントだった。もちろん、ウインターラリーでしっかりとしたスノーコンディションなのはいいことなので、(これまでのバームランドから)北上したことはよかったと思う。全体として本当に速度域の高いステージで、速すぎるんじゃないかと思うようなセクションもあった。あまり速すぎるとつまらないが、それ以外はいいステージだったし、難しいラリーだった。

Q:この週末は速さが注目されたが、リスク面ではどうか。金曜日は何度も首位が入れ替わり、土曜日は信じられないほどの接戦になった。自分はどれくらいリスクを負っていたか。限界ギリギリまで攻めていたのか
KR:そうだった場所もあるが、驚くのは、週末を通してかなりいいペースだったこと。限界を超えたプッシュをする必要はなく、無茶をしなくてはならないと感じた場所は一切なかったので、自分でもそれはちょっと驚いた部分。それ以外は、わずかに限界を超えてしまい、ちょっとヒヤリとすることがあちこちあった。でも、この週末全体としては大きなミスはなかったので、それは満足している。

Q:ティエリー、金曜日の夜を首位で折り返して土曜日を迎えていたし、週末を通じて素晴らしいペースだった。ラリーモンテカルロでの苦戦から、流れを変えた。ラリースウェーデンで快走を見せられた気分は
TN:みんなが本当に安心したと思うし、ラリースウェーデンで初日に首位に立つことができるなんて、予想できなかった。まず、パフォーマンスの点ではまだ何かが足りないだろうと思っていたし、走行順のことも考えれば初日からトップに立てるとは思ってもいなかった。でも、なんとか初日にいい走りをすることができ、すべてがうまく機能して、マシンの強さもしっかり感じられた。2日目と3日目は少し苦戦したが、最終的にはいい仕事ができたと言えるので、みんなハッピーだ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:誰もが全力で攻めていたし、エサペッカ・ラッピも必死で迫ってきた。最終日はどれくらいプッシュしていたか
TN:どうだろう、それを感じるのは実は難しいことなんだ。エンジニアに同じことを聞かれたけど、“分からない、気持ちに余裕がないからこれ以上速く走れないと感じる時もある”と言った。その後も、思うようにプッシュできなかった。後半2日間の一番の不満だ。ブレーキを遅らせたり、コーナーの進入速度を上げたりできるようないいフィーリングは一度も感じなかったので、常に自分のドライビングも厳しくなった。でも、特に土曜日はそれ以上はできないと分かっていたから、現状に対応して自分の走りを合わせるしかなかった。残念ながら2回のミスでタイムをロスしたが、いずれにしても最終的にはリザルトには影響しなかったと思う。

Q:拠点が新しくなった今回のラリーについてどう思うか
TN:どのドライバーも、ウインターコンディション、スノーコンディションの点では、北に移ったことはとてもよかったと感じていると思う。ステージの性格という面では、これまでのステージの方が豪快だったんじゃないかと思うし、自分も前の方が楽しめたが、ヘルメットを被って全開で走れば、たとえ退屈なステージでも面白くできる。最終的にいい週末になったし、走りも楽しんだ。ここで勝者となるためには、どこを強化しなければならないか分かっている。

Q:それは何か教えてもらえる?
TN:絶対No!

Q:エサペッカ、復帰初戦が新しいラリー1マシンとなったが、この週末は素晴らしいペースでポディウムに上がった。フィニッシュでの反応がすべてを物語っていると思うが、楽しい週末になったのでは
EP:そうだね、素晴らしい週末だったし、復帰して最初のステージからすぐにペースをつかめた。正直、ちょっと驚いたし、週末を通じてそのペースをほぼ維持できたのには、もっと驚いた。2日目、3日目はみんながペースを上げて、自分はそれができなかったんだと思う。どちらにしても、全体的にはいい週末になった。

Q:この先もラリーで会えるのはうれしい。何戦で会えるのかまだ聞いていないが、次はどこになるだろうか
EP:あぁ、クロアチアだね。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:すぐにペースをつかめたことに驚いたと言ったが、ドライバーとして、自分はまだイケるという感じだったか
EP:そんな感じだね。でも、調子に乗りすぎてはいけない。ステージを1本走るだけならいいが、週末を通して維持するのは、これだけ間が空いていると難しいものだ。だから、自分が今回見せられたパフォーマンスに、自分自身が驚いている。でも、ラリーはもちろん簡単なスポーツではないので宿題がたくさんあるから、クロアチアまでに日にちが空いていてよかったよ。

Q:ラリー1マシンや新しい技術についてどう思ったか。この週末、ハイブリッドブーストを感じることはあったか
EP:このコンディションでは、ブーストのアドバンテージはハッキリとは得られないと思う。グリップがすごく低いので、ブーストするとたくさんホイールスピンをしてしまう。だから、ターマックの方が素晴らしさを感じられると思っている。でも、基本的にこのマシンはこれまでのマシンやラリー2マシンよりも重く感じるので、そこが違いだと思う。特に機敏に方向を変える時には少し遅く感じる。それでも、ドライブできるけどね。

Q:ラリーの開催エリアが変わったことについてはどう思うか、新しいステージは
EP:TVの映像を観れば、アークティックとかなり似ているように見えたと思う。大きな雪壁があり、グラベルがあちこちにあった。でも、街は美しく、ステージはみんなが説明したとおり。だいたいはOKだが、ちょっと退屈なところもあったかもしれない。でも、ティエリーがいったように、速さが乗れば面白くもできる。自分としては、(フィンランドから)フェリーですぐに来れるので、この先もここで開催されるのはうれしいね。

Q:ヤリ‐マティ・ラトバラ、チームにとって素晴らしいリザルトを収めた。今回は何度もステージに出かけて、直にマシンの走りを見ていたが、この週末についてどう思うか
J-ML:すでにみんなが言ったとおり、開催エリアは正直、とてもいいと思う。ステージはウメオの街のサービスパークからとても近いし、30分くらいでステージに行ける。それに、街自体もとても雰囲気がいい。雪は豊富で、ものすごく速いステージもある。将来的には、もっとテクニカルなセクションも増えると思う。このラリーのベストのステージは、キャンセルになったSS9だと聞いているからね。素晴らしい運営をしてくれた主催者に感謝している。今後もここで開催するのはいいと思う。

Q:チームのパフォーマンスについてはどう思うか。まずはカッレから
J-ML:素晴らしかったね。昨年のアークティックラリーでは、自分たちにとって重要なイベントだったのに強い戦いができなかったので残念だった。今回はコンペティティブに戦えることを願って必死に頑張ってきたが、金曜日から速さを感じられたしマシンの挙動もよかった。轍での動きがよかったことは見て分かったが、カッレは先頭スタートの金曜日でも見事な走りをして、2ループ目にナローな轍ができていても冷静に対応した。一切ミスがなく、ティエリーとの差を僅差に維持して土曜日にアタックし、ほかを引き離した。本当に素晴らしいパフォーマンスだが、エサペッカも1年ラリーから離れて大変だったと思うのに、速さは出ていた。エサペッカが速いことは知っているが、なかなかレギュラーで参戦できなかった。サッカー選手やアイスホッケーの選手は、ルーティンを維持するためにほとんど毎日練習しているんだ。それを考えれば、彼の仕事は完璧だった。それに、4位でフィニッシュしたタカについても非常に満足している。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:エルフィン・エバンスについて、最終日の午前は2番手につけていたが、タイミング悪く雪壁のアクシデントがあった。ステージはクリアしていたように見えたが、何があったのか
J-ML:その前にまず、土曜日の10秒のペナルティは少し事実と違うことを伝えたい。タイムでアドバンテージを得ていたと指摘されたが、実際にはロスしていた。確かに、ストップコントロールまでの道順をたどらなかったのは確かで、その点については間違いない。でもスプリットタイムとエビデンスを見れば、実際にはタイムがアップしたのではなくロスしたんだ。しかし、いずれにしても審査委員会が判断したことだ。それでも、彼はティエリーと争っていたし、攻めるしかなかった。このプレッシャーの中で、最終日の午前はハイブリッドがうまく機能していなかった。ハイブリッドなしで攻めなくてはならなかった。だから、最終日はいい形で滑り出せず、そんな中で小さなミスをしてしまった。最終的に雪壁にフロントをヒットしてしまい、その雪でラジエターを破損して水漏れしてしまった。彼はメカニックとしても優秀なので、自分でラジエターを修復することはできたが、残念ながら時間切れとなってしまった。



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