WRCカレンダー空席の第9戦にチェコが浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCカレンダー空席の第9戦にチェコが浮上

©FIAERC / Jorge Cunha / DPPI

今季全13戦が予定されているWRCカレンダーだが、第9戦は8月18〜21日の会期のみが確定して開催国は未定のままとなっている。英国ラウンドとしての開催が濃厚とみられていたラリー北アイルランドは、資金調達を確保し切れずに今季の開催を断念した。WRCプロモーター側としてはスケジュール調整の関係で会期を動かすことはできず、このことも北アイルランドにとっては開催断念の要因となったようだ。

現状、北アイルランド以外では、コルシカ、ベルギーのイープル、イタリアのモンツァがカレンダー入り候補に挙がっているが、もうひとつの案としてチェコラリー・ズリンが浮上している。家族経営の主催者が運営している同イベントはここ数シーズンは資金不足の問題に直面しているが、今季もERC第7戦としてカレンダーに入っている。8月26〜28日に開催予定となっているが、主催者はこの会期は「暫定」としている。これは事務的な理由によるものである可能性もあるが、第51回目の開催となるこのオールターマックラリーがWRCカレンダーに入る気運は高まっている。

この件について主催者側から公式なコメントはないが、昨年8月に開催されたチェコラリー・ズリンでは、この年の末にFIA総裁に就任したモハメド・ビン・スライエムが総裁選活動中に訪れており、チェコの自動車連盟総裁のヤン・ストビチェクが帯同。ストビチェクはその後、ビン・スライエムが初めて開催したワールドモータースポーツカウンシルに出席している。

チェコラリー・ズリンは、2005年にもWRC候補イベントとして開催するなど、歴史ある名イベントとして知られており、昨年の夏もストビチェクは、地元メディアからの質問に、WRCへの意欲を隠さなかった。この時、情報筋は「FIAはクロアチアやエストニアのような国がWRCに入ることを模索しており、より大きなマーケットであることを意識している。ビン・スライエムは1989年にラリー・ズリンに参加する予定だったが出場は実現しておらず、いつか来たいといつも言っていた。しかし今回の訪問はそのためだけではないと思う」と話している。
(Graham Lister)

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