世界RXニュル2:ニクラス・グロンホルムがファイナル優勝、ヨハン・クリストファーソンが4度目の戴冠 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

世界RXニュル2:ニクラス・グロンホルムがファイナル優勝、ヨハン・クリストファーソンが4度目の戴冠

©Rallycross Promoter

世界ラリークロス選手権は11月28日、今季最終戦となる第9戦がドイツのニュルブルクリンクで開催され、ニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)が優勝。タイトルを争っていたヨハン・クリストファーソン(アウディS1)とティミー・ハンセン(プジョー208)がそれぞれ3位、4位でフィニッシュした結果、クリストファーソンの4度目の世界RXタイトル獲得が決まった。

第8戦とのダブルヘッダー開催となったニュルでの週末、タイトル決戦はクリストファーソンと2019年王者のティミー・ハンセン(プジョー208)との一騎打ちとなったが、ふたりのデッドヒートはドラマチックな結末を迎えた。

クリストファーソンは今季、滑り出しから苦戦を強いられていた。開幕戦カタルーニャではデータロガーが外れていたことでQ1の結果が残せず、母国で迎えた第2戦のスウェーデン・ヘリェスでは2度のパンクに見舞われ、9月上旬に開催された第3戦フランス・ロエアックではミッショントラブルと悪い流れを経ち切れず、この時点で28ポイントの遅れを取っていた。しかし、その後ダブルヘッダーのラトビア・リガの一戦とベルギー・スパで勝利をマーク。選手権首位のハンセンとの差を17ポイントに詰めて、ドイツに入った。そして前日に行われたニュルの1戦目で今季3勝目をマークした一方で、ハンセンが失格となったことで、両者4ポイント差で決戦のこの日を迎えた。予選ではハンセンは「必死の走り」と自身が語る渾身のアタックを披露すると、クリストファーソンは「彼(ハンセン)よりももう少しだけ必死の走り」と譲らず、予選を終えた時点で両者のポイント差は3ポイントとなった。

セミファイナルでは、クリストファーソンがレース1を制した一方で、ハンセンもレース2をトップフィニッシュしたが、ニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)に接触したことで7秒のペナルティを受け、ポイント争いでのハンセンのアドバンテージはついに1ポイントのみとなってしまった。

ファイナルでは、前日同様、クリストファーソンがポールポジションに陣取る一方で、ハンセンは最後列からと、対照的なスタートとなった。クリストファーソンの隣には、ティミーの弟、ケビン・ハンセン(プジョー208)が並んだ。注目のファイナル、ラップ1ではクリストファーソンとティミーが揃ってジョーカーラップに。ケビンが2周目でジョーカーに入ると、その隙にグロンホルムがトップに立った。グロンホルムが悠々とリードを広げる一方で、ケビンはティミーを援護するべくクリストファーソンを必死にブロックするが、過去3回世界タイトルを獲得したクリストファーソンはティミーの前をキープしたままチェッカーを受けることに成功。これで選手権ポイントはクリストファーソンとティミーが同ポイントとなったが、年間勝利数で上まわったクリストファーソンの4回目のタイトル獲得が決まった。

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2022年からフル電動化のシリーズとなることが決まっている世界ラリークロス選手権。内燃エンジン時代最後の世界RXタイトル獲得を連覇で決めたクリストファーソンは「本当に信じられないような週末だった。とにかくクレイジーだよ!」と興奮気味に語った。
「2021年は厳しい滑り出しで、ドイツ入りした時点で17ポイント差がついていたのに、終わってみれば同ポイント。正直、事態を飲み込むまで時間がかかりそうだよ。新しいチーム、新しいマシンで始めたシーズンにこの選手権を制することができたのは、とにかく最高。本当に大きな意味を持つ」

「シーズンの序盤は少しもがいていたが、リガ以降は本来の力を取り戻してきた。ラリークロスで戦うみんなはすごくハードに取り組んでいるので、その中で勝てたことは、とりわけうれしい。フランスでファイナルをスタートすることができなかった後、チームに戻るとみんなが泣いていた。今日も、みんなきっと涙していると思うが、その理由はもっともっとハッピーなものだ」

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一方、この日のファイナルを制したグロンホルムは、2年前の南アフリカと同様、その勝利は劇的なタイトル争いの中でやや影を潜めることになったが、この週末、度々接触を受ける困難な展開の中で見事な走りを披露した。内燃エンジン時代の最後の世界ラリークロス戦で今季3勝目をマークしたグロンホルムは、ドライバーズ選手権でも3位でシーズンを締めくくった。

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今季から始まったフル電動シリーズのRX2e選手権もタイトル決戦は激しい展開となり、同ポイントで首位に立つベルギーのギヨーム・デ・リダーとフィンランドのエッセ・カリオがファイナルで決戦。ここで今季3勝目をマークしたデ・リダーが、初代RX2e王者となった。

デ・リダーは「自分で絶対に泣かないと決めていたが、感極まって自然に涙がこぼれてきた」と感動のコメントを寄せた。
「この週末は大きなプレッシャーを感じていた。シーズンを通して超速かったエッセは、今日も同じだった。最高のライバルだ。今はとにかく信じられない気持ち。今年成し遂げたことを、まだ実感できていないと思う」

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世界RXニュル・2 ファイナル結果
1 N.グロンホルム(ヒュンダイi20) 3:40.557
2 K.ハンセン(プジョー208) +4.031
3 J.クリストファーソン(アウディS1) +4.259
4 T.ハンセン(プジョー208) +5.480
5 G.シシェリ(ルノー・メガーヌRS) +8.759
6 E.イデ(アウディS1) +16.091

RX2eニュル ファイナル結果
1 G.デ・リダー 3:53.965
2 J.カリオ +2.357
3 P.シュアレス +3.064
4 K.パウウェルズ +3.111
5 I.ショクビスト +5.448
6 P.アルケ +7.250



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