WRCフィンランド:ロバンペラ「夜のオイッティラは大変なチャレンジ」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCフィンランド:ロバンペラ「夜のオイッティラは大変なチャレンジ」イベント前記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCフィンランド、シェイクダウン前日の木曜日に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。開催70回目にして初めて10月にイベントを実施するラリーフィンランド。今季2勝目をマークして母国ラリーを迎えるカッレ・ロバンペラをはじめ、全ドライバーが秋の夜間走行の難しさを懸念していることを明かした。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
クレイグ・ブリーン=CB(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
ガス・グリーンスミス=GG(Mスポーツ・フォードWRT)
エサペッカ・ラッピ=EP(RTEモータースポーツ)

Q:カッレ、アクロポリスでは圧勝を決めた。この素晴らしい勝利はもう実感できているか。その自信を自分の大一番でも持ち込んでいけるか
KR:もちろん自分たちにとって、本当にいいイベントだった。実感するまでにそれほど時間はかからなかったと思うし、とにかくいい気分だったということだけ。今は、このイベントに専念している。

Q:存在感のあるイベントだし、なんと言っても母国ラリーだ。昨年は新型コロナウイルスのために中止になってしまった。再びあのステージを目の当たりにするのはどうだったか。初めてWRカーで参戦することについて、どのように捉えているか
KR:もちろん、とてもいい気分だ。開催されなかったのは1年だけだが、それ以上に長かったような気分。でも、コンディションも少し違うし、今回は夏の開催ではない。それでもステージはとてもよさそうだし、楽しそうだ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:すべてが秋の彩りになってとても美しく、例年のラリーフィンランドよりもかなり涼しい。路面への影響はどうか。この週末はどんな戦いになりそうか
KR:今のようにドライなら、それほど大きな差は出ない。地面はより締まって、暑くてダストの多い夏よりもルーズグラベルはそれほど多くない。雨が降らなければ、それほど差は開かないんじゃないかな。もちろん、今年は新しいステージが多いので、そういところでは違いが発生するし、このような高速ラリーで新しいノートで走るのはかなり難しい。

Q:近年のラリーフィンランドでは行われてこなかったナイトステージついて。日が暮れてからの走行はどのような感じになりそうか。夜間のテストはどれくらい行ったか
KR:暗闇の中をドライブするのは、これまでとはまったく違う点。ステージを知っていたとしてもかなり違いを感じるし、ここはクレストや高速コーナーの多い速度域の高いラリーなので、暗闇の中でノートを信頼するのは簡単ではない。マシンにどれだけいいライトを装着していたとしても、すべてが見られるわけではないからね。ナイトステージを走行をするのは冬のラリーが多いので、その場合は雪壁に光が反射してかなり明るくなる。でも、雪がまったくないと、完全に暗闇になってしまうんだ。オイッティラは、夜に走るのは本当にチャレンジングなステージだと思う。あそこではミスが許される余地はまったくない。

Q:アクロポリスであの結果を収めた後に母国ラリーを迎えるということで、みんなが優勝の期待を寄せているが、まだラリーは始まってもいない。このプレッシャーを感じているか、それとも気にしていないか
KR:もちろん少しは感じているが、あまり考えすぎてもいない。このラリーも、ほかと同じようにひとつのラリーでしかないからね。そのように考えて、ほかのラリーと同じ仕事をしようと努めている。自分たちは、どのラリーでもできる限りいい仕事をしようと努めている。通常、フィンランド以外のラリーには来ることができない友人や家族がみんな観に来てくれているのは、もちろん後押しになっている部分もある。たくさんのファンが応援してくれているのも、もちろんいい気分だ。

Q:クレイグ、きみもこのイベントではポディウムに上がったこともある。エストニアでも2位に入り、イープルでも大活躍だった。今回はどのようなリザルトを収められるか
CB:そうだね、ここ数カ月はいい走りができていて、この2戦は本当にいい内容だった。正直、このマシンにはそれほど頻繁に乗っていないので、2連戦になったエストニアとイープルの期間は本当によかったし、ポディウムに2回上がれたのもさらによかった。でも、このラリーは楽しみにしている。理由はよく分からないが、自分たちは高速グラベルラリーでいい結果を収める傾向にある。母国(アイルランド)は、ナローなターマック路なんだけれどね。秋の開催なので、いつもとは違ったラリーになる。試練もあるし、間違いなくエキサイティングな週末になるよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:この時期の開催で、どのような試練に向き合うと思うか
CB:夜間にステージを走行するのは、まったく新しい要素。フィンランドのステージが夜になったらどんな感じだろうと、ずっと考えてきた。それが今年、実現する。カッレも言ったように、スウェーデンや今年のアークティックでは夜間のステージを走ってきた。でも、ライトの反射がないとなれば、まったく違ったチャレンジになる。完全にオープンな場所ならライトで照らすことができるが、クレストの頂点に達するとまったく照明が当たらず判断する要素が一切なくなるのは本当にトリッキーだ。林道セクションなら木を参考にできるので多少は楽にできる。金曜日夜の最後のステージは間違いなく暗いだろうし、土曜日の夕方のステージも終盤は暗くなるかもしれない。この点もビッグチャレンジになるし新しいステージもあるので、今年はまったく違う形のラリーだ。

Q:ナイト走行でのテストは行ったか
CB:その選択肢はなかった。どうしてかは分からないが、夜間でのテストはできなかった。

Q:スケジュールも厳しく、ステージ間の間隔が短い。予想以上に厳しそうだったステージはあるか
CB:土曜日夕方の新しいステージ2本だと思う。ほかとは性格がかなり違う。ほとんどは林道ベースでどれも似たような感じに見えるし、これまで経験した人は誰もいないのでこの2SSは鍵になると思う。それから金曜日、特にオイッティラの夜間走行はビッグチャレンジになると思う。1回しか走行しないし、スタートも日が暮れてからだ。1回の走行で決めなくてはならないし、ノートだけが頼り。これは間違いなく鍵となるポイントだ。

Q:来年について、たくさんの噂がある。来年のシートは得られそうか
CB:イープルの段階からそれほど変わっていない。交渉はもちろん進んでいる。トンネル出口の光が見え始めたというところだと思う。この先……いずれにしても数カ月まではいかないと思うが、この数日中にというわけでもない。でも、この数週間のうちにはもう少し明らかになると思う。感触はポジティブだし、それが一番重要なことだ。

Q:ガス、今年は変更が多く、お気に入りのパイヤラは今回は逆走での設定だ。それでもいいステージになりそうか
GG:それほどリズミカルではないので、あまりいいとは言えないが、この方向になると格段に速くなるのは間違いない。2016年のクリス(ミーク)の走行動画を何度も見た。自分のコ・ドライバーのクリス(パターソン)が、ペースノートを書き換えて少し参考になった。素晴らしい感じだったよ。その後、ほかのステージでも同じことをたくさんやった。

M-SPORT

Q:今回は70回目の開催だ。全体的なルートについてどう思うか
GG:忙しい。トリッキー、特に土曜日午後の2本は、誰にとってもまったく新しいステージだ。それに、このラリーのフィニッシュは、この世代のWRカーのグラベルでの最後のステージなる。それにふさわしいステージだ。

Q:現行型WRカーが終わりを告げるのはどのような感じか。悲しさもあるのか
GG:悲しさが大きい。とてもいいマシンだったし、かなり特別。新規定のマシンもエキサイティングだが、ドライバーとしては、僕らが今ドライブしているマシンよりも格段に良くなるとは思っていない。

Q:フィンランドではいい経験を積んでおり、自分自身も成長を続けている。今回はどんな内容にできそうか
GG:語るのが難しいね。このイベントに向けてのテストを行っていないので、鍵となるのは、どれだけすぐに速さを上げていけるで決まると思う。タイム差がコンマ秒レベルで、1秒のロスでも影響が大きいのでグランプリラリーと呼ばれているイベントだから、すぐにペースを上げていけなければ厳しいラリーになってしまう。できる限りのことを尽くしていくよ。

Q:エサペッカ、今回はWRカーで参戦する姿を見られてうれしいよ。このマシンに乗るのは1年近くぶりだが、このマシンにまた乗ること、母国ラリーを迎えることはどんな気分か
EP:最高の気分。自分は、彼らのように悲しい気分にはなっていないよ! 最後のグラベルラリーになるが、この世代のマシンをまたドライブできることに、とにかくワクワクしている。

Q:ラリーフィンランドではポディウムの頂点に上がったこともある。久しぶりのWRカーでの参戦、今回はどんな結果になると予想しているか
EP:自分は現実的になるべきだと考えている。金曜日は少しタイムをロスすると思う。新しい道、ペースノートの速さに慣れる必要がある。自分が知っている道でのテストでは、速度を上げるのは簡単だ。でも、競技ステージでの速さにつなげるのは単純な話ではない。金曜日はそんな感じになると思うし、ひと晩寝る間に、どのようにすればいいのかもっと理解できるようになれば、土曜日はいい走りができたらいいなと思う。

Q:ヤリ‐マティ・ラトバラはすでに、プレッシャーはかけたくないと語っている。自分自身でプレッシャーはかけているか。ヘルメットを被れば、変わるのでは
EP:いつもの自分なら、そうなるね。でも、今はもうちょっと大人になろうと思う。落ち着くというのが正しい言い方かもしれない。無茶はしない。そんな感じかな。

Q:今回のルートについてどう思うか。ラリーフィンランドが提供するべきものは何だと思うか
EP:みんながすでに言った以上のことを言うのは、難しいね。日曜日はこれまでと同じ。土曜日は新しいステージがあって、ここはテクニカルでルーズグラベルも多い。今回はナローな道を使っている。これは興味深いところだし、夜の走行は湿っていて林道は暗いので、夜の森と湿った道が光を吸い取ってしまうような感じだろう。カッレも言ったように視界はあまりよくないが、それでもものすごい速さで走らなくてはならないからね! それが組み合わされるのは楽しそうには聞こえないが、もちろん楽しめるようにはしたい。いいショーになるのは間違いないと思うよ。

Q:来年について、噂がたくさん流れている。トヨタでセバスチャン・オジエとシートをシェアするのではという話も聞こえてくるが、話せることはあるか
EP:何もないね。

Q:来年はどうしたいか
EP:もちろん、ラリー1マシンで走りたいね。

Q:フル参戦か、あるいはスポット参戦が合っているのか
EP:そこは別に気にしない。シーズンの半分でも、7戦でも、9戦でも、フル参戦でも。0戦のシーズンを経験したのだから、少なくとも1戦参戦できればかなりうれしい。参戦が決まれば、ハッピーだよ。

Q:最後に、今日が終わればカッレが21歳になる。彼へのプレゼントは用意してあるよね
CB:21歳、マジか。10歳も年上なのか……
EP:この中ではキミが一番、オヤジだよ。
CB:そっちの方が上だよ。何年生まれ?
EP:1991年。

Q:クレイグは何歳?
CB:31歳。聞かれないようにコッソリ言ったほうがいいね。

*注
クレイグ・ブリーン:1990年2月2日生まれ
エサペッカ・ラッピ:1991年1月7日生まれ
ガス・グリーンスミス:1996年12月26日生まれ
カッレ・ロバンペラ:2000年10月1日生まれ



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