WRCスペイン事前情報:シーズン佳境の山場イベントはオールターマックに一新 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスペイン事前情報:シーズン佳境の山場イベントはオールターマックに一新

©Hyundai Motorsport GmbH

2021年のWRCも残すところ、あと2戦。その1戦目となるラリースペインでは今回、クルーは3日間ともスムーズなターマックのステージに挑むことになる。

2010〜2019年の10シーズン、WRCスペインはバルセロナ南部のサロウを拠点に、シリーズ唯一のグラベル&ターマックのミックス路面イベントとして開催されてきた。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催を断念、2年ぶりの開催となる今年は、コスタ・ドラーダの丘陵地帯を走る高速ターマック路面のみのイベントとなった。

このスペインでは、トヨタに今季のマニュファクチャラーズタイトルを確定させるチャンスが浮上している。選手権2番手につけるヒュンダイは、最終戦までタイトル争いを持ち込むためにはライバルとの61ポイント差を詰めなくてはならない。またドライバーズ、コ・ドライバーズタイトルも確定される可能性が続いているが、首位に立つトヨタのセバスチャン・オジエは、選手権2番手につけるチームメイトで前戦フィンランドで優勝を飾ったエルフィン・エバンスとの差をさらに24ポイント広げる必要がある。トヨタはカッレ・ロバンペラにもマニュファクチャラーズポイント獲得の期待を寄せることもできるほか、マニュファクチャラーズポイント対象外ではあるが勝田貴元も4台目のヤリスWRCでの参戦を続ける。

ヒュンダイのティエリー・ヌービルは、前戦フィンランドでリタイアを喫したことでドライバーズタイトルのチャンスは消滅。しかし、2019年、前回開催されたWRCスペインを制しているヌービルには、ドライバーズ選手権でのトップ3争いに食い込むためのバトルが続いており、ロバンペラがわずか1ポイント差、チームメイトのオィット・タナックも2ポイント差で追っている。ヒュンダイからは、地元スペインのダニ・ソルドがi20クーペWRCのサードカーで登場。このソルドと2022年はラリー1マシンをシェアしての参戦が発表されたオリバー・ソルベルグは、このスペインでは2Cコンペティションからi20クーペWRCでの今季3度目の参戦に臨む。チームメイトには、負傷したピエール・ルイ・ルーベに代わり、急遽ニル・ソランスがWRカーデビュー。コ・ドライバーはマルク・マルティが務める。

Mスポーツ・フォードは、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーの布陣で2台のフォード・フィエスタWRCをエントリーさせる。

WRC2部門では、選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセンが前戦フィンランドに続いて不参戦のため、今回もTRT WRTのマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)は選手権争いでの差を詰めるチャンス。選手権3番手のマルコ・ブラシアは、トクスポーツからシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで参戦するが選手権ポイント対象にはノミネートしていない。ヒュンダイ・モータースポーツNには、ヤリ・フッツネンに加えて、前戦フィンランドでこの部門を制したテーム・スニネンが加入。モビスポーツのニコライ・グリアジンとALMモータースポーツのゲオルグ・リンナマエは、いずれもフォルクスワーゲン・ポロGTI R5で参戦するが、グリアジンはすでに7戦を消化しているため、選手権ポイントの対象にはならない。そのほか、シーン・ジョンストン(サンロック・ジュニアチーム)、エリック・カミリ(スポーツ&ユー)はC3ラリー2で参戦する。今季のERCで急成長を見せたひとり、チェコの若手、エリック・カイスは、モビスポーツからフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIでWRCデビューを飾る。

WRC3部門は、14台がエントリー。カエタン・カエタノビッチは、選手権リーダーでスペイン戦は不在となるヨアン・ロッセルとの15ポイント差を詰めることを目指す。スペインのペペ・ロペスとヤン・ソランスは、地元の利を活かしての活躍が期待される。フィンランドで勝利を飾ったエミル・リンドホルムも参戦するが、選手権ポイントの対象外。フィンランドのミッコ・ヘイッキラは、初めてのターマック参戦に挑む。

このスペインでは、フォード・フィエスタ・ラリー4のワンメイクシリーズ、ジュニアWRCが今季最終戦となる5戦目を迎える。現在首位に立っているのはフィンランドのサミ・パヤリだが、英国のジョン・アームストロングとの差はわずか3ポイント。さらに3番手につけるラトビアのマルティン・セスクもさらに11ポイント差で追っている。

FIA R-GTカップも、このスペインが今季最終戦。いずれもアルピーヌA110のエマニュエル・ギグー、ピエール・ラグ、フィリッペ・バフォンがタイトルを争う。

■ラリールート

TOYOTA

今年のラリースペインには、17SS・280.37kmが設定される。初日は路面がグラベルからターマックに変わったことで雰囲気が変わり、新ステージ、La Granadellaも加わる。Vilaplanaは2014年以来の設定だが、La Mussaraは2019年のパワーステージで逆走で使用。Riba-rojaは、2012年以来の設定となる。この3本を、サロウでの日中サービスを挟んでリピートする。土曜日は前回開催と似た構成で、サロウ北東の3SSを2ループした後、サロウでの市街地ステージでこの日を締めくくる。日曜日の開幕ステージには、Santa Marinaが復帰。夜明け前に走行が始まる。その後のRiudecanyesは、スペイン最終日ではおなじみの組み合わせだ。この2本を2ループし、2回目のRiudecanyesがパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2021年10月14-17日
サービスパーク設置場所:サロウ
総走行距離:1133.17km
総ステージ走行距離:280.37km(SS比率19.83%)
総SS数:17

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
セバスチャン・オジエ (#1)
エルフィン・エバンス (#33)
カッレ・ロバンペラ (#69)

[ヒュンダイ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル (#11)
オィット・タナック (#8)
ダニ・ソルド (#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
ガス・グリーンスミス (#44)
アドリアン・フルモー (#16)

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