WRCフィンランド:トヨタ、チーム本拠地で選手権リード拡大を目指す – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCフィンランド:トヨタ、チーム本拠地で選手権リード拡大を目指す

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月1日(金)から3日(日)にかけてフィンランド中部のユバスキラを拠点に開催されるWRC第10戦「ラリーフィンランド」(グラベル)に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンの、3台のヤリスWRCで参戦する。また、TGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、負傷で治療中のダニエル・バリットに代わりコ・ドライバーにアーロン・ジョンストンを迎えて参戦するほか、元トヨタのワークスドライバー、エサペッカ・ラッピがプライベーターとしてヤリスWRCで参戦する。

(以下チームリリース)


2年ぶりの開催となるチームのホームイベントで
シーズン8勝目と選手権のリード拡大を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月1日(金)から3日(日)にかけてフィンランドのユバスキュラを中心に開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「ラリー・フィンランド」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。チームの本拠地であり、ヤリスWRC誕生の地でもあるフィンランドで、今シーズン8回目の優勝と、ドライバー/コ・ドライバー選手権およびマニュファクチャラー選手権のさらなるリード拡大を目指します。

WRCを代表する超高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・フィンランドは、新型コロナウイルスの影響により昨年の大会が中止となり、2年ぶりの開催となります。今年の大会に関してはもともと夏季に予定されていましたが、有観客試合を実現するため、新型コロナウイルスの感染状況が好転する可能性が高い秋季の10月に移されました。ラリーの中心となるサービスパークは、以前と変わらずチームの本部から近距離にあるユバスキュラの中心部に置かれます。

フィンランドの道で開発されたヤリスWRCは、デビューイヤーの2017年から2019年にかけて、3年連続でラリー・フィンランドを制しており、このラリーでの無敗記録を維持しています。今年は2年ぶりの開催となるため、全選手にとってヤリスWRCで初めて臨む一戦となります。また、例外的に秋季の開催となるため、例年よりも気温がかなり低くなる可能性が高く、降雨によって路面が湿ったりぬかるんだりすることも予想されます。そのため、チームにとってはホームイベントながら、新たなるチャレンジとなります。

ドライバー選手権では現在、オジエが2位のエバンスに44ポイント差をつけて首位に立っており、前戦のアクロポリス・ラリー・ギリシャでシーズン2勝目を飾ったロバンペラは、エバンスと7ポイント差の選手権4位につけています。また、前戦を欠場したTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回新たにアイルランド人のアーロン・ジョンストンをコ・ドライバーに迎えて出場します。さらに、2017年大会でヤリスWRCを駆りキャリア初優勝を飾ったエサペッカ・ラッピが、プライベーターとしてヤリスWRCでエントリーしており、合計5台のヤリスWRCが秋のフィンランドの道に挑みます。

誕生70周年という、記念すべき大会となる今年のラリー・フィンランドは、コンパクトなフォーマットが採用されました。10月1日金曜日の朝にシェイクダウンを行い、その後ユバスキュラの市街地で、グラベルとターマック(舗装路)がミックスした名物ステージ「ハルユ」が行われ、競技がスタート。その後、森林地帯でのグラベルステージが5本続き、初日は6本合計89.42kmのステージが行われます。なお、1日の最後のSS6「オィッティラ」は、日没後のナイトステージになります。競技2日目の2日土曜日は、ユバスキュラから南に離れたヤムサの周辺で伝統的な4本のステージを各2回走行します。そして、前日に続き市街地ステージのハルユでナイトステージが行われ1日が終了。9本のステージの合計距離は151.95kmと、ラリー最長の1日になります。最終日3日の日曜日は、例年通りユバスキュラの東側に設定される「ラウカー」と「リイヒマキ」のステージを各2回走行。最終ステージとなるルイヒマキの2本目、SS19はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で19本、合計距離は287.11km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1059.64kmとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
私自身のホームイベントであるラリー・フィンランドに、今年チームを率いて臨むのは、もちろんこれまでとは違う感覚です。フィンランドは素晴らしい雰囲気のラリーですので、とても楽しみです。このラリーが10月に開催されたことは過去にありません。路面のグリップは例年よりも低いでしょうし、天気が悪ければさらに滑りやすくなると思います。また、ラリー・フィンランドでは1990年代以降行われていなかった、暗闇の中でのナイトステージも興味深い試みです。我々のクルマはフィンランドの道で開発されてきたので、今回もきっと強さを示してくれると思いますが、チャンピオンシップにとって重要な局面において油断は禁物です。カッレにとってはホームイベントですし、最近の2回の優勝がきっと追い風になるでしょう。もちろん、カッレだけでなく我々のチームの全ドライバーが上位争いをできると思っています。

セバスチャン・オジエ
ラリー・フィンランドは運転が楽しいと感じられるラリーのひとつです。ただし、1年のこの時期の開催となる今回については、これまでとは違うチャレンジになるでしょうし、少し難しくなるかもしれません。ラリー直前に行なうテストでは、きっとより多くのことが見えてくるでしょう。寒くなることはまず間違いありませんし、出走順1番手という我々の不利な走行条件が、路面が少し湿ることによって好転することを期待しています。フィンランドの道で生まれたヤリスWRCですから、今回もきっと高いパフォーマンスを発揮すると思いますが、それでもチームメイトを含むライバルとの厳しい戦いになるでしょう。チャンピオンシップに関してはまだ何も決まっていないので、今回のラリーをどのようなアプローチで戦うべきか思案中です。いずれにせよ、このクルマでフィンランドの道を走るのがとても楽しみです。

エルフィン・エバンス
フィンランドは、シリーズの中でもお気に入りのラリーのひとつですし、ドライブによって得られる素晴らしいフィーリングをいつも楽しんでいます。私は2019年の大会を欠場しているので、今回は3年ぶりの出場となります。ですので、フィンランドのステージを再び走れることを嬉しく思います。この時期は、天候の違いやナイトステージの導入など、新しいチャレンジがいくつかあるので、きっと面白い戦いになるでしょう。ハイスピードな道に慣れるためにも、クルマのセットアップを決めるためにも、ラリー直前のテストがとても重要になります。ドライバー選手権争いについては難しい状況になってしまったと感じていますが、それでもラリーに対するアプローチは何も変わらないですし、いつも通りベストを尽くして臨みます。

カッレ・ロバンペラ
WRカーでラリー・フィンランドのステージを走るのは、自分のキャリアにおいて最高にクールな出来事のひとつになるでしょう。やはり、ホームラリーは他とは違いますし、ラリー・フィンランドは自分にとって特別な存在です。本当に素晴らしく、雰囲気もとてもいいイベントだと思います。ただし、今年は開催時期が例年よりも遅いため、降雨によって道がぬかるむと、かなり難しい路面コンディションになる可能性があります。それによって状況が少し変わるかもしれませんが、それでも今年はステージで応援してくれるお客さんの姿を見ることができそうなので嬉しいですし、とても楽しみです。直近の3つのラリーでいい結果を残した後にラリー・フィンランドを迎えられるのはいいことですが、それでも非常に厳しい戦いになると思います。私たちにとって、良い週末になることを期待しています。



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