WRCアクロポリス:トヨタ勢はカッレ・ロバンペラが首位発進 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCアクロポリス:トヨタ勢はカッレ・ロバンペラが首位発進

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャは9月7日、首都アテネで開幕ステージのスーパーSSが行われ、トヨタ勢は選手権リーダーのカッレ・ロバンペラがトップタイムをマーク。今季6度目の参戦となったセバスチャン・オジエは6番手、前戦フィンランドでの優勝で選手権2番手に浮上したエルフィン・エバンスは11番手のタイムだった。今回は4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをドライブする勝田貴元は、オジエと同タイムの6番手でこの日を終えている。

(以下、チームリリース)


WRC 第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ1
伝統のアクロポリス・ラリーが首都アテネで開幕
ロバンペラがオープニングステージを制し首位に立つ

9月7日(木)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」が開幕。ギリシャの首都アテネで1本のスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合1位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合6位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合11位につけました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、オジエと同タイムを記録してデイ1を走破しました。

TOYOTA

WRCの一戦に復帰して今年で3年目を迎えるアクロポリス・ラリー・ギリシャは、1951年に初開催された長い伝統を誇るイベントです。アクロポリス・ラリーは山岳地帯の荒れたグラベル(未舗装路)ステージが主舞台となり、通常この時期は気温が高くドライコンディションでの戦いになります。今年も8月下旬は雨が降らず非常に暑い日が続いていましたが、ラリーウィークに入ると天気は一変。サービスパークが置かれるラミアの周辺は大雨に見舞われ、選手達は豪雨で路面が泥状になり、大きな水溜まりができたステージでレッキ(ステージの事前下見走行)を行なうことになりました。雨の影響はラリー全体のスケジュールにも大きな影響を及ぼし、7日(木)の午前中に予定されていたシェイクダウンは天候の悪化により中止に。また、日曜日に走行するSS14/15「グラムメニ」は、ステージの走行距離が19.77kmから9kmに短縮され、全SSの合計走行距離は当初の307.89kmから、286.35kmへと20km以上短くなりました。

シェイクダウンでクルマのフィーリングを確認することなくラリーをスタートした選手達は、ラミアから南に約200km離れた、アテネのアクロポリスでセレモニアルスタートに参加。その後、ウォーターフロントに設けられた市街地ステージで夜7時過ぎからSS1として最初の走行を行い、全長1.48kmのスーパーSSで2021年大会の勝者ロバンペラがベストタイムを記録し、首位に。1.3秒差の6番手タイムを、オジエと勝田が分け合いました。また、エバンスは2.8秒差の総合11位につけ、GR YARIS Rally1 HYBRIDは全車が本格的なグラベルステージが待ち受ける明日のデイ2へと駒を進めました。

Toyota Gazoo Racing WRT

カイ・リンドストローム (スポーティングディレクター)
今晩、アテネでラリーの開幕を迎えることができたことを嬉しく思います。雰囲気はとても良く、ステージも上手くオーガナイズされていました。そして、やはりステージ優勝でラリーをスタートできたのはポジティブなことです。今は、明日からの本格的な戦いに向けて準備を進める必要があります。今週は、チームが前週にギリシャでテストを行った時とはコンディションが大きく異なっています。難しい状況ではありますが、主催者は上手く対処してくれていますし、天候も回復傾向にあるので安心しています。ドライバーたちは、いつも以上にコンディションに上手く順応し、レッキで作成したペースノートを信頼すると同時に、自分たちの目でステージの状況を確認して走らなければなりません。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
アテネのファンの皆さんの前で走り、ラリーをスタートすることができて嬉しいです。ステージはトリッキーでしたが、楽しんで走ろうとしましたし、いいタイムを出すこともできました。もし、明日以降の路面コンディションがドライだとしたら、このラリーは自分にとってベストなものにはならないと思いますが、今現在コンディションは少し良くなっているようです。それでも、少なくともレッキの時よりは路面が少しでも乾いてくれることを願っています。ここ数日は雨が多く降り大変でした。路面がこれほどぬかるんでいて、コーナーもよく見えない状況でペースノートを作るのは、簡単ではありませんでした。

Toyota Gazoo Racing WRT

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
今晩のようなスーパーSSはコースがタイトでツイスティなので、完全に集中して臨む必要がありましたが、ラリーを無事スタートすることができて良かったです。レッキ期間中はほぼ雨が降り続き、ステージはかなりぬかるんでいたので大変でした。しかし、過去数年を振り返ると路面はすぐに乾くので、どのような情報をペースノートに記すかは、コンディションがどのように変化するのかを見極める作業になります。きっと難しいラリーになると思いますが、それは誰にとっても同じことなので、できる限りベストを尽くすしかありません。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ここギリシャに戻ってくることができてハッピーですし、首都で行なわれた最初のステージでファンの皆さんに走る姿をお見せすることができて良かったです。今週は信じられないような天気により難しいスタートになりましたが、明日からのステージが普通のコンディションで行われることを願っています。過去の経験があるので多くのセクションは知っていましたが、それでも正しくペースノートを作るのは大変でしたし、天候が路面コンディションに大きく影響するため、ラリー本番では多くのサプライズに直面すると思います。ラリードライバーとしては、常に新しい状況に上手く適応しなければなりませんが、今回に関しては何が起こるか予測するのは困難です。

アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ1の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1m32.9s
2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.3s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.4s
4 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.5s
5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +0.7s
6 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.3s
= 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.3s
8 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +1.7s
9 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +2.1s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia Rally2 evo) +2.5s
11 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.8s
(現地時間9月7日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技2日目となる9月8日(金)のデイ2は、アテネの西側に位置する人気のビーチリゾート「ルートラキ」を起点に、5本合のステージを走行します。デイ2は昨年大会と同じく日中のミッドデイサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および、簡易的な整備作業のみで全ステージを走行します。また、5本のうち同じステージを2回走行するのはSS2/4「ルートラキ」のみとなります。選手達は5本のステージを走りながら北上し、ラミアに設けられたサービスパークでデイ2を終えます。5本のステージの合計距離は101.98km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は388.08kmとなります。



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