全日本ラリー北海道:トヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介が今季2勝目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー北海道:トヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介が今季2勝目

©JN1クラス優勝の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) / TOYOTA

北海道帯広市を拠点として開催された全日本ラリー選手権第9戦「RALLY HOKKAIDO」は、9月12日にすべての競技を終了し、11日のLEG1を首位で折り返したトヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介が逃げ切り、第7戦「ARKラリー・カムイ」に続き今季2勝目を飾った。2位にスバルWRX STIの新井大輝/小坂典嵩、3位には同じくスバルWRX STIの鎌田卓麻/松本優一が入った。

ラリー最終日となる競技2日目は、SS9〜11の3SS、SS走行距離は22.64kmで争われる。初日のSS7〜8が緊急事態宣言の発令を受け、大会スケジュールを短縮するために公式通知でキャンセルとなっているためだ。SS9/11のオトフケリバース(6.12km)はアベレージの低いショートステージながらも過去にはこのステージでマシントラブルやコースアウトなどのアクシデントでリタイアする車両が多く、今年も多くの選手が警戒する。2日目のSS走行距離は短いながらも、最後まで気を抜けない設定となっている。

JN1クラスの表彰台 / RALLY PLUS

初日を勝田が新井大輝に9.2秒のリードで終えたJN1クラスは、この日のオープニングとなるSS9で勝田がベストタイムをマークして首位をキープ。一方、初日でエンジンに不調を抱えた新井大輝は、2日目も「エンジンが吹けなくなったり、時にはエンストしてしまうなど、症状が悪くなる一方」。SS9では勝田に1.1秒差の3番手タイムと善戦するものの、高速ステージのSS10では勝田に10.4秒差の6番手タイムに終わり、3番手の鎌田に3.7秒差まで迫られる展開となった。SS7でベストタイムを奪った勝田は、SS10でトップと1.5秒差の2番手タイム、最終SSとなるSS11はトップから5.4秒差の5番手タイムと、後続とのマージンを活かした盤石の走りで今季2勝目を飾った。2位には、鎌田の追撃をかわした新井大輝が入賞、3位には2位の新井大輝に2.1秒差まで迫った鎌田が入賞した。
シリーズランキングトップの福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が6位に終わったために、福永とのポイント差を10.6点に縮めた勝田は、「苦手なオトフケの1回目をベストでクリアしたので、2回目はしっかりと抑えて慎重に走りました。チームがGRヤリスをどんどん改良してくれたことで、最後まで気持ち良く走ることができました。それが一番の勝因だったと思います。グラベル2連勝でタイトルの可能性も見えてきましたが、残るターマック2戦も1戦1戦大切に戦うことが大事で、結果はあとについてくると思います」とコメント。チャンピオン争いは福永と勝田の2台に絞られたが、残り2戦、ターマックで3勝を挙げている福永に、グラベル2連勝の勝田がどう挑んでいくかが焦点となる。

JN2クラス優勝の上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) / RALLY PLUS


JN2クラスは、初日首位の上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)が初日のリードを守り切り、初日から一度もトップの座を譲らず優勝を飾った。昨年の「RALLY HOKKAIDO」では最終SSとなるオトフケ・リバース2でドライブシャフトを折損し、2番手に大きなリードを築きながらもリタイアに終わった上原は、「最初のオトフケ・リバース(SS9)をとにかく慎重に抑えて走りました。タイムはベストタイムから10秒近く遅れたんですけど、逆にそこからは自分のリズムで走れるようになりました」と、SS10とSS11でベストタイムを連取。昨年の雪辱を見事に果たした。
最終日にレグ別得点3点を奪う激走を見せ2位に入賞した中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)は、シリーズランキングでも今回3位の中村英一/大矢啓太(トヨタ・ヴィッツGRMN)を抜き2位に浮上。タイトル争いはランキング首位のヘイキ・コバライネン、同2位の中平、同3位の中村の3台に絞られた。

JN3クラス優勝の大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86) / RALLY PLUS


JN3クラスは、初日の最終サービスで「オトフケ・リバースはリヤタイヤ2本をウエット用タイヤ、パウセカムイは硬質用タイヤに履き替えて、なんとか大竹選手とのタイム差を縮めたいです」と語っていた曽根崇仁/竹原静香(トヨタ86)の作戦が見事に当たり、初日首位の大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86)との差をSS9では12.9秒、SS10では6.2秒と一気に20秒近く縮めることに成功した。一方の大竹は、「初日の貯金を崩しながら走ってます。まだ少し残高が残っているので、最終SSもあせらずに走ります」と慎重な構え。勝負の行方は、最終SSのオトフケ・リバースで曽根がドライブシャフトを折損してリタイアというまさかの展開で大竹が逃げ切り、第7戦カムイに続き今季2勝目を飾るとともに、シリーズランキングも首位に浮上した。また、曽根のリタイアにより、2018年の「RALLY HOKKAIDO」で首位を独走しながらも最終SSとなるオトフケ・リバースのゴール500mでコースアウトという苦い経験を持つ長﨑雅志/秋田典昭(トヨタ86)が2位に入賞するとともにレグ別得点3点を加算した。

JN4クラス優勝の香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) / Jun Uruno


JN4クラスは、初日首位の香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)が、最終日も2本のSSでベストタイムを奪う快走をみせ、第7戦カムイに続き2連勝を飾った。2位には、パウセカムイでベストタイムを奪った須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞。3位にはシリーズポイントトップの西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞し、シリーズチャンピオンに王手をかけた。
「オトフケ・リバースは相変わらず道が悪かったですけど、そこで逃げ切ることができました。今回は(ベテランの)須藤さんが、若手(!?)の僕に華をもたせるということで、勝つことができました(笑)。本当は今シーズンの嬬恋と秋田に出場する予定だったんですけど中止になったので、次のハイランドはスキップする予定だったんですが、開催されるのであれば出場しようと考えています」と香川。タイトルに王手をかけた西川にどう絡んで来るか、注目の1戦となる。

JN5クラス優勝の天野智之/井上裕紀子(トヨタ/ヴィッツ) / Jun Uruno


天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)がチャンピオンに王手をかけているJN5クラスは、初日で天野が2番手以降に大きなリードを築き上げるものの、シリーズランキング2位の小川剛/梶山剛(ホンダ・フィットRS)がこのまま3位でフィニッシュした場合、レグ別得点でも1点以上の点差をつけなければ、タイトルは確定しない。つまり、このラウンドで天野がタイトルを確定させるためには、レグ別得点でも小川よりも上位を狙わなければならないという状況だ。そのなか天野は、この日オープニングとなるSS9でベストタイムを奪うが、続くSS10では小川が天野に10秒近い差をつけるベストタイムをたたき出してくる。天野と小川のどちらがレグ別得点で上位を奪うかが注目となった最終SSは、天野が小川に8.7秒差をつけフィニッシュ。レグ別得点でも天野がトップの3点を獲得し、天野は今季3勝目を獲得。天野が8年連続13回目、コ・ドライバーの井上が12年連続14回目となるチャンピオンを確定した。2位には、SS10で小川に6.8秒差まで詰め寄られた笠原彰人/宗片さおり(トヨタ・ヴィッツ)が最終SSで逃げ切り、全日本ラリー参戦2戦目で2位入賞を果たした。
「ここでタイトルを決めたかったので、初日にリードはしていましたが、2日目もプッシュする必要が出てきました。戦略的に戦えることができ、タイトルを決めることができて良かったです。若い選手(笠原)も速かったので、楽しかったですね。残り2戦のターマックは、ヤリスでベストタイムは全体の半分くらい獲ってるんですけど、まだ1勝もできていないので、ヤリスで優勝を狙いたいですね」と天野。2位入賞の笠原は、「子供の頃から憧れていたラリー北海道で表彰台に上がることができ、本当にうれしいです。今日は2位をキープできるように冷静に走りました。今年はオールスターラリーが北海道で開催されるので、そこで結果を出して来年の全日本に挑戦できたらと思っています」と、来年に向けての抱負を語ってくれた。

JN6クラス優勝の吉原將大/石田裕一(トヨタ・ヤリスCVT) / Jun Uruno


JN6クラスは、この日オープニングのSS9で海老原孝敬/山岸典将(トヨタ・ヴィッツCVT)がベストタイムを奪い吉原將大/石田裕一(トヨタ・ヤリスCVT)との差を詰めてくるが、吉原がSS10とSS11を奪い、レグ別得点でも3点を奪う快走で、今季6連勝を獲得。2戦を残してシリーズチャンピオンを確定させた。タイトルを決めた吉原は、「(コ・ドラ)の石田さんに指示していただき、抑えるところはしっかり抑え、攻めるところはしっかり攻める走りができたと思います。全日本ラリーに挑戦して6連勝でタイトルを決めるというのは自分でもビックリですが、チャンスを与えてくれた辻井(利宏)監督にアドバイスをいただきながら結果を出すことができて、本当にうれしいです。残り2戦はどんな参戦になるか分かりませんが、JN6でもJN5に近付けるように、速さをアピールすることができるように頑張りたいです」と、喜びと抱負を語った。

次戦は10月15日(金)〜17日(日)にかけて岐阜県高山市を拠点に開催される第10戦「第48回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2021」(ターマック)。今年で48回目の開催を迎える伝統の1戦は、すでに特別規則書が発行され、SS総距離は68.46km(係数1.0)。公式ホームページでは新型コロナウイルス感染防止対策のために無観客開催が発表されているが、このラリーでタイトルが確定する可能性があるクラスもあり、0.1秒を争う究極のスプリント勝負に期待したい。

RALLY HOKKAIDO レグ2終了時結果
1.勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) 0:54:32.3
2.新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI) +16.2
3.鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +18.3
4.柳澤宏至/保井隆宏(シュコダ・ファビアR5) +31.0
5.福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5) +44.2
6.奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス) +1:02.1
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11.大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86) +6:18.7
12.上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) +6:31.0
15.天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +7:53.8
16.香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) +8:00.2
25.吉原將大/石田裕一(トヨタ・ヤリスCVT) +11:16.6

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