WRCサルディニア:オジエが今季3勝目を飾りドライバー選手権首位を堅守 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCサルディニア:オジエが今季3勝目を飾りドライバー選手権首位を堅守

©TOYOTA

6月6日(日)、WRC第5戦サルディニアの最終日デイ3が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシアが優勝、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合2位に入り、チームは今シーズン3回目の1-2フィニッシュを飾り、マニュファクチャラー選手権首位の座を守った。また、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは総合25位で完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元/ダニエル・バリットは、前戦に続き総合4位を獲得。トップ4に3台のヤリスWRCが入る好成績を収めた。

(以下チームリリース)


ラリー・イタリア サルディニアの競技3日目デイ3はサービスパークの北側、島の北端エリアで2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は46.08kmと、3日間で最短でした。天気は曇りで最終ステージでは一時的に小雨が降りましたが、路面は概ねドライコンディション。タイヤ選択は選手ごとに異なり、ヤリスWRCについても4台全てが異なるタイヤチョイスで最終日に臨みました。

デイ2で首位に立ち、総合2位のエバンスに38.9秒という大きな差を築いていたオジエは、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージに焦点を合わせ、そこまでの3ステージはやや抑え気味のペースで走りタイヤを温存。そして、パワーステージでは4番手タイムを記録し、今シーズン3回目の優勝を飾ると共に、ボーナスの2ポイントを獲得。ドライバー選手権では2位エバンスに対するリードを11ポイントに拡大し、選手権リーダーの座を守りました。オジエのサルディニアでの優勝は2015年以来で、通算4回目となります。また、チームにとっては初めてのサルディニア制覇となりました。

総合2位のエバンスは、オープニングのSS17でベストタイムを記録。さらに、SS19でもベストタイムを刻み、総合3位のライバルに対するリードを37.5秒に拡大しました。そして迎えた最終のパワーステージでは、ウォータースプラッシュで水がエンジンに吸い込まれて一時的にスローダウンしましたが、それまでに築いていた総合3位のライバルに対する大きなリードにも助けられ、今シーズン3回目となる総合2位を獲得。ドライバー選手権2位を堅守しました。また、チームは今シーズン開幕からの5戦で4勝し、そのうち3戦で1-2フィニッシュを達成するなど好調を維持。マニュファクチャラー選手権首位を守り、2位のライバルチームに対するリードを49ポイントに拡大しました。

デイ1で序盤総合2位を走りながらも技術的な問題によりデイリタイアとなったロバンペラは、デイ2で再出走しました。そして、デイ3ではパワーステージでのボーナスポイント獲得に注力し、3番手タイムで3ポイントを獲得。次に繋がるスピードを示してラリーを締めくくりました。また、勝田はコ・ドライバーのダニエル・バリットが高い気温によって熱中症気味になり、気分があまりすぐれなかったため、最終日は総合4位の座をしっかり守ることを優先して走行。前戦のラリー・ポルトガルに続きWRC自己最高記録の総合4位でフィニッシュし、開幕から5戦連続でポイントを獲得してドライバー選手権5位に順位を上げました。なお、バリットはラリー後に医師の診断を受け、身体に問題がないことが確認されました。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
チームにとって素晴らしい結果です。我々にとっては簡単なラリーではないこと、必ずしも勝てるとは限らないことを承知の上でサルディニアに来ましたが、最終的に1-2フィニッシュを祝うことができました。とはいえ、初日にカッレのクルマに問題が発生するなど、完璧な週末ではありませんでした。より強くなるために、今回の件から学ばなくてはなりません。しかし、それを除けば他の3台のヤリスWRCは厳しいステージでもしっかりと走っていました。全体的にはパフォーマンス、信頼性、安定性に優れていたといえます。チャンピオンシップにとっては非常に良いニュースですが、競争はどんどん厳しくなっているので、今回のような結果をこれからも得るためには、努力し続けなければなりません。

セバスチャン・オジエ
信じられないような週末でした。サルディニアでこのような結果を残せるとは、正直思っていませんでした。初日の出走順が1、2番手だったにも関わらず、チームが1-2フィニッシュを飾ることができたのは本当に素晴らしいです。ポルトガルでは思うようなスピードで走れませんでしたが、その後すぐに改善がなされ、今回はいいフィーリングで走れたので嬉しかったです。残念ながら、パワーステージではかなり水量の多いウォータースプラッシュで一時的にミスファイアが起きてしまいましたが、ボーナスの2ポイントを獲得できたのは、チャンピオンシップを考えると良かったと思います。このリズムを維持することができれば今後も自信を持ってラリーに臨めますが、もちろん、そう簡単ではないでしょう。

エルフィン・エバンス

TOYOTA

総合2位という結果は、金曜日の朝にとても苦労したことを考えれば素晴らしいと思います。今朝は、後ろの選手とのタイム差があまり大きくなかったので、リードをさらに広げることができて良かったです。そして、それが最終ステージで起きたことに対してもプラスに働いたと思います。ウォータースプラッシュでエンジンに水が入ってしまい、元に戻るかどうか不安でしたが、幸いにも復活し、その後はすぐにフルパワーで走ることができました。パワーステージでポイントを加算できなかったのは少し残念ですが、総合2位を守ることができてホッとしました。

カッレ・ロバンペラ

TOYOTA

今日の目標は、パワーステージで少しでも多くのポイントを獲得することでした。私たちの出走順は早く、前にワールドラリーカーが2台しか走らないという状況となり、路面をクリーニングしながら走らなければならなかったので、少しトリッキーでした。そのため、多くの場所で自分自身のラインを刻みながら走る必要があり、少しタイムを失ってしまいました。それでも、一生懸命プッシュした結果、3番手タイムを出すことができました。全体的にはとても残念な結果になってしまいましたが、前に進むしかありません。ポルトガルの後、クルマのフィーリングが戻ってきたのはポジティブな要素なので、このいいフィーリングが今後も続くことを期待しています。

ラリー・イタリア サルディニア デイ3の結果
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 3h19m26.4s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +46.0s

3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m05.2s
4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +6m11.2s
5 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5) +9m31.7s
6 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 Rally2) +9m39.2s
7 ヨアン・ロッセル/アレクサンドレ・コリア (シトロエン C3 Rally2) +10m37.7s
8 ペペ・ロペス/ディエゴ・ファレホ(シュコダ ファビアRally2 Evo) +11m03.7s
9 ハン・ソランス/ロドリゴ・サンファン (シトロエン C3 Rally2) +11m26.3s
10 マルコ・ブラチア/マルセロ・デル・オハネシアン(シュコダ ファビアRally2 Evo) +11m34.6s
25 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +54m18.8s

次回のイベント情報
WRC次戦は、6月24日から27日にかけて、アフリカのケニアで開催される「サファリ・ラリー」です。伝統のサファリ・ラリーが最後にWRCとして開催されたのは2002年で、19年ぶりにWRCのカレンダーに復帰します。マニュファクチャラーチームの現役ドライバーの中でこのラリーに出場経験がある選手はおらず、また、以前とはステージも異なるため完全に新しいラリーといえます。ステージはグラベル(未舗装路)で、非常に高速な区間と、路面が荒れた区間の両方があり、スピードだけでなく耐久性もクルマに求められます。



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