不慮の事故から9年、クレイグ・ブリーンが再びタルガフローリオへ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

不慮の事故から9年、クレイグ・ブリーンが再びタルガフローリオへ

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クレイグ・ブリーンが、5月6-8日にイタリアのシチリア島で開催されるイタリアラリー選手権、タルガフローリオに参戦する。ブリーンの元コ・ドライバー、ギャレス・ロバーツがこの島で起こったアクシデントで亡くなってから9年近く経った今年、ブリーンは、亡き友人への思いを胸にイベントに臨む。

ブリーンとロバーツは当時、インターコンチネンタルラリーチャレンジ(IRC)の一戦として開催されていたこのイベントに、ムナレットチームが走らせるプジョー207 S2000で参戦していた。この時のタルガフローリオは、実は当初参戦する予定ではなかったが、ハンガリーのメチェックラリーの代替戦として急遽カレンダーに追加された。この年、ブリーンはサンロックチームから参戦していたが、一週間後にイープルラリーを控えていたため、このタルガフローリオはムナレットからエントリーしていた。

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ふたりが揃っての写真は、事故が起こる前日、日中のリグループで撮影されたもの。筆者はこの時のことをよく覚えている。この日の午前中、クルーは非常にいい走りをしており、とてもリラックスしていたからだ。しかし、2日目最初のステージでコースオフ。鉄製のバリアがフロントから貫通したことから英国ウェールズ出身のロバーツは即死した。このアクシデントでブリーンは無事だったが、ロバーツの遺族の希望もあり、その後もラリーへの参戦継続を決意した。しかし、2012年6月のあの日以来、ブリーンが負った精神的な負担は計り知れないものであったことは想像に難くない。

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「これほどまでに美しい島なのに、辛い思い出があるのはとても悲しいことだ」とブリーン。
「イタリアで心の一部を失ったような気持ちがしていたが、今は自分にとって故郷と呼べるくらいこの国ではたくさんのことを学んだ。あの恐ろしい日からもう9年が経ったなんて、信じられない。これまで、ジャッファ(ロバーツ)のことを思わなかった日はなかった。彼は、まさに自分とともに冒険をしていた同士だった。そしていま、自分の冒険はまた、このタルガフローリオに戻ってきた」

「この参戦は自分で決めたこと、自分の考えだ。いい思い出を作るために戻りたいと思った。この島やこのラリーに対して後ろ向きに感じてしまう思いから解放されたいと思ったから。もちろんナーバスになっているし、またあのラリーに戻るのは少し不安だけど、ラリーを楽しんで心地よく走りたい。きっとジャッファも同じように思うはずだ」

ブリーンは、今回のタルガフローリオではヒュンダイi20 R5での参戦となる。先月はラリーサンレモに参戦して優勝を飾っており、選手権ではステファノ・アルベルティーニに続く2番手につけている。
(Graham Lister)

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